久しぶりに更新します。

この約2週間何していたかというと、キリスト教とアイルランドの闇、罪、悲劇等の資料や動画をみて悶々としておりました。

何故そんな資料や動画をみていたかというと、3月初旬のニュースがきっかけで、ゴールウェイ州のある田舎町の共同墓地で見つかった埋葬記録にない約800体もの乳幼児の遺骨に関するものでした。日本でもそのニュースはネットで載せられていました。

このこと自体が大きなニュースになったのは2014年ころなんですが、それから調査が進んで、改めてニュースで報じられたようです。

その共同墓地がある場所というのが、もとは「マザー&ベイビーホーム」があり、1920年代から60年代まで未婚の妊婦が集められ、出産していた場所でした。カトリックの修道会が運営・管理していたようです。

70年代に少年二人が子供の頭蓋骨を見つけたそうですが、当時はジャガイモ飢饉で亡くなった子供のものだろうということで大した調査もされず、2012年地元の歴史家が約800体もの遺体の埋葬記録がないことを疑問視したため、やっと“問題視”されました。

 

さて、アイルランドはカトリック教徒の国といっても過言ではなく、90年代くらいまでカトリック教会の影響(力)が大きく、離婚ができるようになったのも1996年くらいで、人工妊娠中絶は現在も原則的にできません。

今でこそ事実婚、シングルマザーになる人は多いですが、40年ほど前はそれは大問題で、婚前交渉などもってのほか、ましてや未婚で妊娠したらその女性は家族にとって、地域社会にとっても「恥」でした。

そんな女性や“私生児”を収容する施設が修道会によって設立、運営されました。

『マグダレン・アサイラム(保護施設)』またの名を『マグダレン・ロンダリーズ(洗濯所)』といい孤児院や、産業学校・更生施設も併設されたところもありました。

初めてマグダレン・ロンダリーズがつくられた時は娼婦の保護施設で、その運営は洗濯で得た利益で賄われました。ちなみにマグダレンとは聖書にでてくる「マグダラのマリア」のことで、“堕ちた女”だった聖人です。

当初は“堕落した女=娼婦”たちを収容していましたが、その後その“堕落した女”は婚前交渉を行った女(強姦された女性も含まれます)、結婚せずに妊娠した女も組み込まれました。そして性交渉の経験がないのに、容姿が美しい等の理由で「将来男を惑わし、堕落しそう」な少女までマグダレン・ロンダリーズに送られるようになりました。

これは修道会が一定数の労働力が必要で、持続的な利益を上げるためと言われています。なお、マグダレン・ロンダリーズの女性たちには一切給料が支払われず、朝から晩まで労働を強いられました。食事も極めて質素で、娯楽もなく、私語厳禁だったそうです。

そして日常的に肉体的、精神的に虐待を受け、時には神父による性的虐待もあったとのことです。彼女たちは「奴隷」だったのです。がーん

孤児院、産業学校、更生施設も似たような状況だったらしく、神父や修道士、シスターによる日常的な虐待があったそうです。

上のマザー&ベイビーホームも虐待といえるほど厳しいしつけがあったようですし、食糧事情・医療事情があまり良くなかった時代も重なり、栄養失調や感染症で多くの乳幼児がホームで亡くなったとのことでした。

子を持つ親として「神からの祝福を受けずにもうけられた子」だからといって、埋葬記録も作らず、ちゃんとした葬送のセレモニーも受けられず、闇に葬られた子供たちの魂が哀れでなりません。涙

なお、このホームで出産した女性たちは暫く我が子の世話をした後、ロンダリーズに送られるケースが多かったそうです。

※イギリス、北米、オーストラリアにもマグダレン・ロンダリーズ等の関連施設が存在していましたし、プロテスタント系が設立・運営していたところもあります。状況はアイルランドと似たり寄ったりだったとか。なおアイルランド以外では実態調査が進んでいないのが現状だそうです。

 

マグダレン・ロンダリーズや孤児院、産業学校の生存者のドキュメンタリーを観ましたが、あまりにも過酷な半生に絶句しました。ちーん

ある女性は孤児院で育ち、その後洗濯所に送られ、あまりの過酷さに脱走。しかし頼るところがなく神父に助けを求めたのに、その神父に凌辱され、警察官に連行され洗濯所に逆戻り。その後妊娠が発覚、出産。赤ちゃんは養子にだされ、女性はそのまま洗濯所で働き続けたと・・・。もう悲惨すぎて「神も仏もない」とはこのことだと思いました。がくっ

救いはその女性は養子となった娘と再会できたということでしょうか。で、果敢にも彼女を収監した修道会を訪ね、謝罪を求めたんですが、対応したシスターは自分にはそれに応える立場にないとけんもほろろ。

まぁ、その当時にマグダレン・ロンダリーズにいたかどうかわからないシスターだったのかもしれませんが、いまだにマグダレン・ロンダリーズに関与した修道会やカトリック教会は謝罪も賠償金支払いも拒否しています。

ずるいですよねぇ。シラケ~ 信者には「悔い改めよ」と言ってるくせに!

一番の罪びとは誰なんだ?世間から隔離された世界なのをいいことに、やりたい放題してきた奴はあんた達だろう?人を救うための宗教なのに、自分たちに都合の良い「罪びと」をつくって拘束して、搾取してきた奴が聖職者を名乗るのか?と怒り心頭です。シラケ~

 

 

2013年、国の機関の関与を認め謝罪、補償金の支給やカウンセリングなどの精神的サポートをすることが決まりましたが、生存者が一番望んでいるのはカトリック教会からの謝罪と「何故あんなことがわが身に起こったのか?」への答えだと思います。

カトリック教会としても過去としっかり向き合うべきですね。聖職者に対する信用ガタ落ちの事実を認識できてないようです。( ̄_ ̄)

 

全てのカトリック教会の神父や修道士、シスターを批判するつもりはありませんが、信者に罪を問う前に、自分や教会の罪を悔い改めてほしいものです。

 

最後にマグダレン・ロンダリーズがどんな感じだったかは下の映画でご覧になれます。

生存者からは「実際はもっと酷かった」と批判されたようですが、それでも当事者の悲惨さは伝わります。日本語名は『マグダレンの祈り』、自己責任でご覧ください。(´・_・`)

 

 

 

 


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