前述のお国訛り(方言)関連を・・・。
一般にここコークアクセントは「歌うように喋る」と形容されます。
しかし、私には「歌うように」には聞こえませんし、前述の義弟マイケルの英語は「英語?それともこれがアイルランド語?」と思わせるほどです。
2ヶ月ほど前、英語クラスで少しだけ訛りや方言の話がでまして、先生から「日本も地方でいろいろ訛りや方言の違いはある?」と尋ねられたので、「日本は47都道府県に分かれていて、それぞれ(47の)訛りや方言がある。」と答えたら物凄く驚かれました。
皆さんご存知だと思いますが、本当は47どころじゃないですよね、日本の方言。
地元熊本も県北と県南、阿蘇(山側)と天草(海側)、そして県境で違いがあります。
私は県南に位置する町で生まれ育ちまして、比較的親戚の年寄りたちと接してきたせいか同世代と比べても古い言葉で普段は喋っています。
だから通じないんですよ!若者には!
しかも私の熊本弁は2007年10月で更新されていませんので、ますますガラパゴス化していってます。
昨今は「方言女子」がかわいいなんて記事を見たりしますが、もう「女子」と言うには薹が立つお年頃だし、かわいいというより“勇ましい”レベルでして・・・。
単に語尾に「~ばい」とか「とっとっと?」とかのレベルじゃぁございません。
単語が違うものもありますし、場合によっては「韓国語」と間違われることも・・・
少し具体例をば。
熊本人が標準語と勘違いしている代表格「あとぜき」。
意味は「ドアを閉めましょう」です。別の言い方だと「戸ばせく」ともいいます。
そして京都に住んで初めて方言だと知ったのが「からう」。例としては「ランドセルばからう」「赤ちゃんばからう」など。
お気づきかもしれませんが、「~を」が「~ば」に変化します。古語の「~をば」の「を」が抜けたものだとか。
他の助詞でも主語につく「が」が「の」になります。例:「雨が降ってるよ」→「雨の降りよるよ」
単語自体が違うものもあります。例えば頭(額)→ごら(※一部ではがんごら)、踵→あど。
中学生だったころよく先生が「○○!(上靴の)“あど”ば踏んで歩くなぁ!」って言ってましたよ。
ちなみに厚底靴が流行ったころ、店員さんからそれを薦められたんですが「いやぁ、あんまり“あど”・・・えーっと踵が高いのはちょっと」と断ったことがありました。
それからたぶんこれは若い人も使っているであろう熊本弁は「あくしゃうつ!」でしょうか。
意味は「頭にくる」で、例として「まぅごつ(物凄く) あくしゃうった!」ですね。
でも言葉は生き物ですので、以前とは違う意味で使われる言葉もあります。
たとえば「なば」。これは「シイタケ」のことなんですが、最近は「物凄く」の意味で使われているようです。
そして変わってきたというか昔ほど使わなくなった言葉が「ほっ!」。 「ほら!」の「ら」が抜けた言葉なんですが(例:「ほっ!そけあったい」→「ほら!そこにあるよ」)、昨年里帰りした際に幼馴染から「最近はあんまっ言わんとばい」と突っ込まれました。
それから、たぶんほぼ死語になったであろう言葉を私は使っているので、ますます「婆くさい」と言われる所以がこちら。
・おどっぱす → 意地悪
・いさっか → 勇ましい
・のさり → お恵みに預かる事 例:「のさりのあった」とか「のさった」
・ぬさん → やってられない 例:「ばっ(驚きを表す言葉)!消費税上がっとか?ぬさぁん!」
・身寒(みがん) → 肌寒くなる 例:「身寒のよかですな」(肌寒くなりましたね)
・~はいよ → ~して下さい 例:「皿ば取ってはいよ」(※拝領から「はいよ」になったらしい)
・どけだっか → 甘い
・じご → 尻 (ちなみにお尻の穴は「じごんす」です。)
もっと色々ありますが、長くなるのでこれくらいで・・・
まだ西本願寺で働いていたころ、里帰り期間中に同窓会があり、そこで同級生から「京都におっても、いっちょん言葉の変わらんね」と言われたので、「げぇん!変わろうか!うちさん帰ってかっも関西弁どん喋っなら、うちげん親の“ぬしゃ、どこん言葉で喋っよっとや?”って言わるっもね」 (訳:そりゃ変わらないよ。家に帰っても関西弁で喋ったら、うちの親から“お前はどこの言葉で喋ってるんだ?”って言われるから) と答えました。
その同級生は頷きながら「そぎゃんだんね。おったちの言葉は市内でしゃぎゃ通じらんけんね。」(訳:そうだよね。俺たちの言葉(小川弁)は熊本市内でも通じないからね) でした。
義弟のマイケルに「それ英語?」なんて言えるご身分じゃぁありませんでした。
でも主人も義弟マイケルもコークで生まれ育ったことを誇りに思っているから、コーク訛りにも誇りをもっています。その点は私も同様でして“韓国語っぽい”と言われようが「どや顔」でいられます。
日本人であることが何となく嫌だったころは「日本語訛りの英語」が恥ずかしいなんて思っていましたが、今はその訛りこそが日本人の証!くらいの気持ちでいます。
まぁ、こてこてのカタカナ英語は流石に通じないから自分なりに発音には気をつけています。
RとL、BとVとかね。
外国語を現在学んでいる人、これから学ぼうかなぁという人、お国訛りはつきものですよ。
ネイティブスピーカーでさえも同様ですから。
訛りなど気にせず、とにかく喋って会話の輪に入りましょう!(お前もな!って心の声が・・・)
(Mrs. G)