英語クラスで時々話題に上る「それぞれのお国でのクリスマスの祝い方」。

一言でヨーロッパ、クリスチャンといっても色々と違いがあり、話を聞いているだけでも面白いものです。


例えば、アイルランドやUKは25日のクリスマスデーが一年で一番大事な祝日です。

この日空いてる店といえばガソリンスタンド兼コンビニ。働いている人も非クリスチャンの場合が多いです。

そして、翌日26日はアイルランドでは“セント・スティーブンスデー”、イギリスでは“ボクシングデー”という祝日です。(スポーツのボクシングではなく、箱のこと。昔、主人が使用人等にプレゼントを渡す日だったから。だそうです。)


では、ヨーロッパの国々では?

大事な日は24日のクリスマス・イブで、国、宗派にもよると思いますが、夜中12時にミサが行われるとか。

昔はアイルランドでも夜中のミサが執り行われいたようですが、現在は24日夕方と夜9時ぐらいと翌日朝からミサがあるようです。

なお、東欧の国々では1月7日にクリスマスを祝うところもあります。(12月24・25日も祝い、1月7日にも祝うという所もあるようです。)

そのうちの一つ、ポーランドは7日にクリスマスを盛大に祝い、鯉にしきを食べるそうです。ポーリッシュフードショップでこの日のために鯉が売られます。


さて、私達日本人はクリスマスといえば、クリスマスプレゼントやサンタクロース、ツリーをイメージするのではないでしょうか?

ところが本来はサンタさんは直接クリスマスには関係ないんですね。

サンタさんのモデルになった聖ニコラウスの記念日が12月6日で、キリスト降誕が25日なので、それで結びついたのかもしれません。

そして、ヨーロッパではその聖ニコラウスにちなんだ行事があります。

            やじるし

クリスマス:お国が違えば色々違うようです

クランプス:悪い子に警告して罰を与えると信じられている・・・らしい。ガクブル

しかし、気合入れすぎ!と思うのは私だけでしょうか?



クリスマス:お国が違えば色々違うようです

クランプス : Krampus,ハンガリー語 : Krampusz)は、ヨーロッパ中部 伝説 の生物であり、主にドイツ 東南部のバイエルン州 オーストリア 中部・東部 ハンガリー ルーマニア 北部のトランシルヴァニア 地方とスロヴェニア において、クリスマス ・シーズンの間に、聖ニコラウス に同行する行事でもある。


伝統にのっとり、12月の最初の2週間、特に12月5日の晩になると、若者はクランプスの扮装をして、錆びた鎖と鐘を持ち、子供と女性を怯えさせながら通りを練り歩く。また農村地域の中には、特に若い少女へのクランプスによる鞭打ち の笞による体罰 )を伴う伝統がある。クランプスは通常、悪い子供を連れ去り、地獄 の穴に投げ入れるための籠を背負ったイメージで表される。そして、鞭を振るいながら、子供を捕まえて、親の言うことを聞くように、勉強するのだぞと厳しくさとす。

                                      Wikipedia-クランプス より一部抜粋



何となく秋田の“なまはげ”と似てますよね。といっても顔怖すぎます・・・。

実はオランダにも似たような行事があるそうです。


クリスマス:お国が違えば色々違うようです
  聖ニコラウスに従うズワルテピート。英語で“Black Peter”

由来はこちらこちら

クネヒト・ループレヒト : Knecht Ruprecht)は、ドイツ の伝統的な風習における、聖ニコラウス の同伴者(従者あるいは助手)。聖ニコラウスの日(12月6日 )に聖ニコラウスとともに現れ、悪い子供を懲らしめる。よい子にご褒美を与える聖ニコラウスがサンタクロース の原型であることから、これと対比して「黒いサンタクロース」などとも呼ばれる。


伝統的なクネヒト・ループレヒトの姿は、長い髭をもち、毛皮を着ているか藁で身を覆ったものである。長い棒や灰の袋を持って現れることもあり、服には鈴がついている。時には、白馬にまたがった姿で考えられることもある。また、妖精 として描かれたり、顔を黒塗り (Blackface ) にして老婆の服を着た男として表現されることがある。

クネヒト・ループレヒトの伝統的な振る舞いは、子供たちにお祈りができるかを尋ね、「できる」と答えた「よい子」に対してはりんご 木の実 ジンジャーブレッド などをご褒美として与えるが、「できない」と答えた「悪い子」は灰袋で叩くというものである。


ヨーロッパの各地には、「悪い子」を懲らしめる聖ニコラウスの同行者 (Companions of Saint Nicholas ) が伝えられており、アルプス周辺のクランプス 、北西ドイツのBelsnickel 、オランダやベルギーのズワルテ・ピート (Zwarte Piet ) フランスのLe Père Fouettard など、いくつかのバリエーションがある。クネヒト・ループレヒトもそうした「聖ニコラウスの同行者」の一種である。


                                Wikipedia-クネヒト・ループレヒト より一部抜粋


ズワルテピートって完璧に黒人ですよね困った 

顔の黒塗り=黒人になった可能性大だと思います。



さて、もう一つご紹介したいのが、アイルランドで行われるセント・スティーブンスデーの行事。

【レン・デー:Wren Day】             


クリスマス:お国が違えば色々違うようです

1彼らはレン・ボーイズと呼ばれます。

レン:Wrenとはミソサザイという小さな鳥で、西欧では「鳥の王」と言われたそうです。

では、レン・ボーイズは26日に何をするのかというと・・・

“ミソサザイ狩り”をして、つかまえたミソサザイをポールの先に据えて、家々をまわり、羽と引き換えにお金を貰うんだそうで・・・。がーん

もちろん今は“ミソサザイ狩り”はできません!違法です!

そして現在この“レン・ボーイズ”の行事が行われるのはアイルランドのごく一部の地域のみです。


さて、何故こんな行事が生まれたかというと、セント・スティーブンに由来しています。

セント・スティーブンはキリスト教で初めての殉教者で、なんと石打の刑に処せられたそうです。ひぇ~

彼が捕らえられていた時、看守が居眠りしていた間に逃げようと試みたそうですが、その時にミソサザイが鳴いたため看守が起き、結局脱獄が失敗してしまったという逸話(伝説)があるのです。

そのために26日セント・スティーブンスデーにはミソサザイに罰を与える意味で“ミソサザイ狩り”があったんだとか。(ミソサザイにとってはえらい迷惑ガーン

なお、ミソサザイの羽はラッキーアイテムらしいです。鳥の王様だからなんでしょうね。どよーん・汗


一言「クリスマス」といっても、色々な行事や祝い方があるもんですね。


そうそう、先生から「日本ではクリスマスを祝うの?」と尋ねられましたよ。

で、「24日が一番盛り上がるんだけど、日本では単なる季節のイベントという感じで、25日は祝日でもない。沢山の人がKFCにフライドチキンを買いにいく。」と答えたら、驚かれたり、笑われたり。あはは…

しかもクリスチャンの国では12月25日=祝日があまりにも当たり前なため、日本では普通の日、多くの人が仕事しているというと「ありえない」といった感じで驚く人がいます。

ただね、欧米はキリスト教の国々ですが、クリスマスは家族が集う祝日ですし、かなり商業的な感じも強いです。

買い物にいけば“最後の追い込み”って感じで、もの凄い量を買い込んでいる人が多いです。


それでも「日本もこんな感じになってもいいんじゃない」と思うことが一つ。

25日はどこの店も閉まり、バスも動いていません。タクシーは完全休業ではないにしても、つかまえるのは至難の業です。働いてるのは病院の看護士さんや当番のドクター、救急救命士、老人ホームのスタッフくらいでしょうか。あ、それからガソリンスタンド兼コンビニの店員さんもですね。

クリスマスは家族の日なんです。(^ー^)親子(^ー^)。

子供の頃は正月の三が日がそれにあたりましたが、今では元旦の昼には初売りが始まったりして、昔のように「正月は家族・親戚が集まって、ゆったりした時間を過ごす日」という感じがなくなって寂しく思います。(まぁ、お嫁さんの立場の方には忙しい時期でしかないんですが・・・汗

年に一度でいいから家族を最優先させる日があってもいいじゃないかと、アイルランドでクリスマスを迎えるたびにそう思います。



皆さんのところに、サンタさんが訪れますように。HO! HO! HO!

くれぐれもクランプスやブラック・ピーターが来ないことを祈ります。イヒヒ

                                                      (Mrs.G)


                         





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