ここ近年ほとんど尋ねられることがなかった「Do you like Ireland?」
先日主人の飲み友達から聞かれました。
で、どう答えたか?
「Ummm, no bad. If the wether was better・・・you know・・・」とちょっとお茶を濁したような言い方で答えました。
嘘ではないんです。本当にもっと安定した気候だったら、きっと過ごしやすい国だと思います。
だって、春がきたなぁと思っても冬に戻ったり、夏が来ず秋もしくは冬のお天気みたいになったりと、『ONE PIECE』のグランドラインのような気候なんですよ、ここは・・・。(すみません;オタクネタで)
さて、お題の「Do you like Ireland?」はコークに住み始めたころはよく尋ねられたんです。
そりゃぁ始めの一年くらいは「YesI like this country」と答えてました。
4年の遠距離恋愛の末の結婚でしたし、アイルランド大好きでしたから。その頃は・・・
けど、コークの生活に慣れ始め、家事・育児に追われ、2009年11月洪水の被害を受けて引越ししたりと、それなりに大変な時があり、また留学と違いなかなか友達ができず、孤独感を募らせていきました。
そうなるとここでの生活が苦になってしまって、この「Do you like Ireland?」の質問さえも苦痛で・・・
かといって「I don't like here!」なんて言えるわけないですよね
そんなこと言った暁にゃぁ、「嫌いなら国へ帰ればいいじゃないか」と言われるのがオチですし・・・
まぁ、もし他人様に「日本嫌い」と言われたら悲しくなるし、ムカつきます。
幸い2年ほど前に数人の日本人の友達ができ、息子のイヤイヤ期も過ぎて、やっとコーク生活も悪くないと思えてきましました。
ただ、日本語で思いっきり話せるようになると、つい「コークのここがしょぼい!」とか、他アイリッシュのとんでも話で盛り上がってしまうわけで・・・
そんな中偶然見た“ドイツの地方都市での移民問題“関連のyoutube。
ドイツで生まれ、教育を受けたトルコ系移民2世か3世の若者が、そりゃぁもう“ぼろかす”にドイツのことを言うわけです。そんな声を受けて生粋のドイツ人は「こっちは来てくれなんて頼んだ覚えはないのに、なんで嫌いな国にいるんだ?何故祖国に帰らないんだ?」と。
これを見て、「そうだよねぇ。そう思うのが自然だよね。」とドイツ人に同情しながら、自分はドイツをボロカスに言うトルコ系の若者と同類だ!と気づきました。
ルーツはトルコであっても、ドイツに生まれ育ち、教育を受けたのに、ドイツを批判し、父祖の地を讃える。
憶測でしかないですが、動画でみた若者たちは親の祖国を訪れたことはあっても、住んだことはないように思えました。(たぶん、彼らの親か周りの大人の影響があったんでしょうが・・・)
旅行では良く見える国も、住んでみると大していい国ではなかったという事ありますよね。
私もそうだった訳ですが、私もつい「アイルランドのここが嫌」「日本はもっと凄い」とかを息子の前で言ってしまうんです。
息子には日本のことを好きになってほしいと同様に生まれ育った国のことも好きになって欲しいのに、私がうっかり、しかもバカ正直に自分の気持ちを言ってしまっては、息子は動画の若者のようになってしまうかもと反省した次第です。
私もつい「無いもの」ばかりを求めて、この国を否定しがちでした。
外国に住むと改めて日本の便利の良さ、サービスの良さ、ここでは無いもの、得られないものが沢山あって、改めて日本っていい国だ、凄い国だと実感します。が、しかし、それをここで求めると自分がしんどいだけなんですよね。
あれが無い、これが無いといいながらも衣食足りてるので、欲張っちゃだめですね。
お陰様で生きていることを忘れずに、「ある。ある。ある。」と思えば気楽になれるとアイルランド生活7年目にしてやっと解りだしたMrs. Gなのでした。
(Mrs. G)