「花まつり」とはお釈迦様のお誕生日(4月8日)を祝う行事です。
「潅仏会(かんぶつえ)」ともいいます。
小さなお釈迦様の立像に甘茶をかけてお祝いします。
アイルランド生活とは関係のない話ですが、4月8日は仏教徒にとっては大事な日。
僧侶の端くれとして、それなりに勤めを果たすべく、簡単に仏教についてお話します。
まず、仏教とは?
「仏の教え」であり、「私が仏に成る教え」です。
では仏(仏陀)とは?
「目覚めた者」という意味です。
ではお釈迦さまはどのようにして仏陀となられたのか。
お釈迦様の本名はゴータマ・シッダールタといい、釈迦族の王シュッドーダナ(浄飯王:じょうぼんのう)とマーヤー(摩耶)夫人の間に生まれました。文武両道で、何不自由のない暮らしでしたが、老・病・死を見て世の非常を悟られ、29歳のときに道を求めて出家、多くの師を歴訪されましたが満足できず、やがて尼蓮禅河畔で6年にわたり苦行され、ついに悟りをひらかれました。その後 鹿野苑(ろくやおん)にて5人の比丘に初めて説法をし、以後45年間各地で伝道し、80歳で入滅されました。
では、仏教“私が仏(目覚めた者)になる教え”とは?
四諦(したい)を理解・実践し、さとりへ至る→仏に成るという教えです。一つ一つ解説しますと
一、苦諦(くたい):人生は苦であるという真理
苦とは?「四苦八苦」聞き覚えがあると思います。まず四苦とは生苦・老苦・病苦・死苦のこと。
そして愛別離苦(あいべつりく)=愛しているものと別れる苦しみ。怨憎会苦(おんぞうえく)=怨み憎むものと会う苦しみ。求不得苦(ぐふとくく)=求めても得られない苦しみ。五蘊盛苦(ごうんじょうく)=人の心身を形成するあらゆるものから起こる苦しみ の四苦を加えて“四苦八苦”です。
二、集諦(じったい):苦を招き集める原因は無明煩悩であるという真理
(※無明:真理に暗く、道理事象を明らかに理解できない精神状態)
三、滅諦(めったい):無明煩悩を滅尽することによって、苦のない涅槃寂静の境地が実現するという真理
(※涅槃:すべての煩悩を滅したさとりの境地をいう。仏教の究極的な実践目的)
四、道諦(どうたい):涅槃寂静の境地に至るためには、八聖道(八正道)を実践せねばならない。
☆八聖道(八正道)“はっしょうどう”と読み、この八聖道の実践とは、さとりに至るための八種の正しい行法です。
①正見(しょうけん):四諦の道理を正しく見る智慧
②正思惟(しょうしゆい):正しく思惟し意思すること
③正語(しょうご):正しい言葉を語ること
④正業(しょうごう):身の行いを正しくすること
⑤正命(しょうみょう):身・口・意の三業を清らかにして正しい生活をすること
(※三業:“さんごう”と読み、身に行う身業、口に行う口業、心に思う意業を三業という)
⑥正精進(しょうしょうじん):正しい努力。道に努め励むこと
⑦正念(しょうねん):正しい憶念。四諦の道理を常に心に留めて忘れないこと
⑧正定(しょうじょう):正しい精神統一
これが仏教の根本理念・教義です。
いかがでしょうか?
かなり実践的な教えだと思いますし、宗教儀礼がなければ『哲学』ですよね。
ちなみにお経はお釈迦様が説かれたことや各宗の宗祖や高僧が説いた(解説した)ものを唱えています。
さて、私がこの仏の教え救われているかとなると、救われたり、そうではなかったり・・・
僧侶ですが、如何せん生身の人間。人の妻で、母ですので、人並みに悩んだりする訳で・・・
煩悩の真っ只中でもがいています。(あかんがな
)
但し、もがきながらもお釈迦様と宗祖親鸞聖人の御跡を慕いつつ日々精進!でございます。
これを読んでくださった方が仏縁に逢っていただければ、坊主冥利につきるというものです。
(Mrs. G)