あの日、長い揺れが始まり、瞬間的に身体が反応して、TVを付けました。
NHKが震源近くの局のカメラを次々に切り替えて、津波警報を伝えていました。
ややあって、宮城県の何処かだったと思いますが、沖から盛り上がった波が陸を目掛けて押し寄せてくる映像が移り始めました。
とてもリアルタイムに起きていることとは信じられない光景。
人間は、理解を超えたものを見た時、「まるで映画のようだ」と思うと聴いていましたが、まさにそのとおりの言語が口をついて出ていました。そこから先に何が起きたかは、描写さえ辛いことです。
それと同時に「マズイ!」と頭の中で声がしました。
それは十数年前に、地下鉄サリン事件の映像を見続けて、すっかり落ち込んでしまったことを思い出したからです。
悲惨な映像を見続けると、トラウマとなり、PTSDになることがあると、あの後、知りました。
それから出来るだけ、TVを避けようとはしたのですが、余震が続いていたこともあり、また携帯電話が地震警報を鳴らす、という、ふだんなら稀な経験を日常的にすることになりました。
結果、身体と心が過剰に反応し、後頭部から首にかけて、体幹の張りがとれない状態になりました。
何となく、体温が上がらない感じ。布団に潜ってもとにかく寒い。そのせいか恐れがまとわりついている感じが拭い去れませんでした。
とにかく何をする気にもなれず、ただ家族や、訪ねてきてくれる友達と他愛もない話をしてお茶を飲むことで気を紛らわせて数日が過ぎました。
ちょっとしたことをするにも、いつもの3倍くらいのエネルギーや集中力が必要な感じ。
本当に毎日、ヘトヘトに疲れていた気がします。
あれから何度か、「何に怯えたのか」を考えてみたのですが、答えは見つかりません。
明確なことは、「完全に冷静さを失っていた」ことだけでした。
しかし、わたくしはその中でひとつの行動を起こしました。次回はそのことを書きます。