親展=親に関係?いいえ違います。正しい意味をやさしく解説 | ほどよい敬語~その敬語、盛りすぎです!

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封筒に書かれた「親展」の意味

宛名面に「親展」と書かれた封筒。

会社や家庭で、誰でも受け取ったことがあるはずです。
自分宛のものなら深く考えずに開封する人も多いかもしれませんが、もし同僚や家族宛のものだとしたら?


もちろん、勝手に開封してはいけませんよね。

なぜでしょうか。

その理由や「親展」の意味を正確に知っていますか?

「何か自分の親に関係する内容?」
「親と一緒に来てほしい展示会?」
「親が開封するべきという意味?」


「親」と書かれているため、初めはこう思った人もいるかもしれません。

しかし、ここでの「親」には、そんな意味はありません。

「親展」とは「送った相手に自分で開封してほしい」という意味

辞書で調べると、「親展」には次のような意味があります。
 

【親展】

名宛人自身が開封して読んでほしい意で、封書の宛名のわきに記す語。親披(しんぴ)。直披(じきひ)。
(『明鏡国語辞典 第三版』大修館書店)

 

「親」と「展」。ぞれぞれの意味も調べてみましょう。
 

【親】
音 シン
おやしたしい・したしむ・したしみ

(1) 身近なみうち。特に父母のこと。おや。
(2) 身近な。ちかい。したしい。したしむ。
(3) 自分でじかに。みずから。したしく。

【展】
音 テン

訓 の-べる・の-びる
(1) ころがる。
(2) 平らにのばす。たたんであったものや巻き物をひろげる。ならべる。のべる。開く
(3) 力や勢いが大きくなる。ひろがる。のびる。
(4) ひろく見る。よく見る。
(5) かえりみる。あおぎみる。

(『例解新漢和辞典』三省堂)

 

下線を引いた部分で分かるように、「親」には「自分で直に。自ら」という意味、「展」には「開く」という意味があります。

 

 

「親展」と書かれた封筒の中身

 

以上のことから、「親展」とは「名宛人自身が開封して読んでほしい」という意味です。
 

ちなみに、表に「親展」と書く場合、その中身はどのようなものが考えられるでしょうか? 本人しか開けてはいけないのですから、かなりプライバシー性が高いものと考えるのが普通ですね。
例えば次のような内容です。

 

「親展」と書かれる封筒の中身の例

・給与や報酬に関する書類 → 給与明細、源泉徴収票、賞与支給通知など、他人に見られたくない金銭情報。
・健康診断や検査結果 → 健康状態や病気に関するプライベートな情報。
・金融機関からの通知 → ローン審査結果、クレジットカードの利用明細、暗証番号通知など。


自分宛でない場合には、勝手に開封してはいけません。もし勝手に開封すると、「信書開封罪」に問われる可能性があります。
開封せず、そのまま宛名の人物に渡すようにしましょう。

 

ポイント

封筒に書かれた「親展」は、「名宛人自身が開封して読んでほしい」という意味。

 

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