間違いやすい敬語「お」「ご」の使い方|自分の行為に付けるのはNG?OK? | ほどよい敬語~その敬語、盛りすぎです!

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自分の行為に「お」「ご」を付けてもいいの?

「お」「ご」は、尊敬語をつくる接頭語です。

 

(取引先に)

連絡ありがとうございます」

(お客様に)

来場ありがとうございます」
(先生に)

「先生の話に感銘を受けました」

 

この場合は

連絡をくれた取引先
来場してくれたお客様
をしてくれた先生
を尊敬しています。

その行為「連絡」「来場」「話」に、尊敬の意味を持つ「お」「ご」を付けて
相手を高めているわけです。

 

一方、自分側の行為にも「お」「ご」を付けた表現もよく見聞きします。

 

(取引先に)
「またご連絡を差し上げます」
(目上の知人に)
「お手紙をお送りいたします」

(上司に)
「お耳に入れたいお話がございます」

 

これを受けて

「自分の行為に“お”“ご”を付けて尊敬するのはおかしい。間違いだ」

と思う人もいるかもしれませんね。

 

果たして、自分側の行為にも「お」「ご」を付けるのは間違いなのでしょうか?

 

自分の行為に付ける「お」「ご」は謙譲語

結論から言うと、自分の行為であっても、それが相手に向かう場合、

「お」「ご」を付けることはできます。
その場合の「お」「ご」は尊敬語ではなく、謙譲語です。

 

(取引先に)
◯「またご連絡を差し上げます」
(目上の知人に)
◯「お手紙をお送りいたします」

(上司に)
◯「お耳に入れたいお話がございます」

 

自分が連絡すると、相手がその連絡を受けます。
手紙を送ると、相手がそれを読みます。
話をすると、それが相手の耳に入ります。
どの行為も相手に及びます。

そのため、自分が相手に対して行う「連絡」「手紙」「話」に「お」「ご」を付けています。

自分を低めることで、相手を高めているわけですね。

自分だけの行為に「お」「ご」を付けるのは誤り

それでは、次はどうでしょうか。
 

(上司に)
×「私のお考えをお話させてください」
◯「私の考えをお話させてください」

(取引先に)
×「こちらは弊社の部長のご意見も反映させたプランです」
◯「こちらは弊社の部長の意見も反映させたプランです」

 

上でも分かるように、自分だけで完結する行為や、身内の事柄には「お」「ご」を付けることは誤りです。
自分の行為に「お」「ご」を付けられるのは、それが相手に向かうものである場合です。

 

「お」「ご」を付けて謙譲語にできる語は?

最後に、「ご連絡」「お手紙」と同様に、同じようなケースで使える言葉をあげておきます。
 

お祝い・お返し・お答え・おことわり・お便り・お手紙・お電話・お葉書・お見舞い・おみやげ・お礼・おわび・ご挨拶・ご祝儀・ご招待・ご説明・ご通知・ご連絡

 

 

「ほどよい敬語」のポイント

接頭語の「お」「ご」には、尊敬語と謙譲語がある。
その行為が相手に深く関わっている場合、謙譲語の「お」「ご」を使うことができる。

 

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