哲学入門と人生 | ワクワク人生研究所所長 小未来のブログ

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ワクワク人生研究所所長・兼実験室室長、小未来のブログ

哲学入門と人生

20170831



演劇論などジャンルを超えた活躍で

知られた哲学者で、


明治大名誉教授の

中村雄二郎(なかむらゆうじろう)さんが

26日、老衰のため死去した。


91歳だった。


※読売新聞より



▼敗戦の衝撃

中村さんが哲学を志した

きっかけこそが興味深い。


大正14年(1925年)

現在の東京都で生まれ

旧制高校時代は理系を専攻。


ところが1945年の敗戦を契機に、

彼の人生は全く違う方向へと

進むこととなる。



▼価値観の崩壊

つまりそういうことだ。


昨日まで「鬼畜米英」と罵倒していた

国民はもちろん、

学者や知識人までもが


敗戦を境に

「模範とすべき典型的な民主主義国家」

と自ら進んで唱える。


その変わり身のあまりの速さが

彼の人生を大きく揺るがしたのだ。


信念や信条と密接に結びつく種の

言葉の意味合いがこうも簡単に

変化するなんて。


「それからというもの、わたしは

 人々についても、事物についても、

 簡単には信じることが

 できないようになった。」


後の著書でも述懐している。



▼哲学のワクワク感

確か中学か高校の時の

社会科か何かの授業だったと思う。


僕は授業中にも関わらず、

言葉にできないほどのワクワク感で

胸がいっぱいになった。


それこそが僕が認識するなかで

生まれて初めての“哲学”との

出会いだった。


「なぜ僕たちは生きているのか」

「なぜ僕たちはここに存在するのか」


テーマの一つひとつを

深く掘り下げれば掘り下げるほど


日常生活の些事が

益々どうにでもよくなる、


その落差が堪らなかったのだ。


以降、社会人になるまでの間

僕は古代ギリシア哲学から形而上学

現象学から実存主義、

プラグマティズムに至るまで

様々な種の哲学書を読み漁った。



▼哲学入門と人生

その中でも中村さんと言えば

著書「哲学入門」に代表されるように


難解でつかみどころのない

哲学の分野を様々な切り口で

分かりやすく、そして興味深く

取り上げた哲学者として印象深い。


当初はフランス哲学を専攻していたが

やがて人間の生の根源である

“情念”を軸にした論考を展開。


21世紀に突入すると

「日本人にとって宗教とは何か」

「テロは世界を変えたか」

「命とは何か」など、


机上の空論ではない、生きた学問としての

哲学を重視し、

その姿勢は多くの人の共感を誘った。


僕も“自称”人生研究者の一人として

改めて彼の生き様に敬意を表したい。