空気圧電池と人生

空気を使って電気を大量にためる。
こんなアイデアを生かした
電力貯蔵技術の開発が進んでいる。
※日本経済新聞より
▼地球環境に優しいけど
風力発電や太陽光発電等の
再生可能エネルギーは
天候や時間帯により
出力が大きく変動するため
安定供給には向いていない。
雨の日や風の弱い日は火力など
既存の発電設備の発電量を上げて
賄うなどの工夫で乗り切るが
それも限界がある。
「余った電気は貯めて、
必要な時に使うことができれば…」
そういった再生エネに対する
蓄電技術の開発は世界各地で
年々活発化している。
▼空気圧
今回個人的に面白いと感じたのは
空気の圧力差で蓄電する技術。
仕組みは簡単で
風力や太陽光で発電された電気を使い
モーターを回し空気を圧縮させ
タンクに貯蔵する。
電気が必要になった時に
圧縮・貯蔵された空気を取り出し、
その時の空気の圧力で発電機を
回すことで電力を発生させる。
実質空気と水しか排出しないため
地球環境にも優しい仕組みだ。
▼30年以上前から
実は海外では30年以上前から
空気による電力貯蔵を実施している。
ドイツのフランクフルト発電所では
1978年より原子力発電所で発電された
夜間の余剰な電力を貯めており
同方式は1991年に米国の
石炭火力発電所でも導入されている。
但し何れの事例も空気だけでなく、
ガスタービン発電機を組み合わせて
動く仕組み。
仕組みこそシンプルだが、
リチウムイオン電池や
鉛蓄電池等と比べ
充放電効率が劣るなど
まだまだ解決すべき課題が
多く残された分野なのだ。
▼空気圧電池と人生
こうした課題を乗り越えようと
世界各地でユニークな取り組みが
行われている。
例えばカナダの電力ベンチャー、
ハイドロストー社は、
海に風船を沈めて圧縮空気を入れて
膨らませる技術を開発。
海底の水圧を用いて
空気を圧縮させるというアイディアだ。
具体的には海沿いの陸地から
近くの海底までをパイプで繋げ
陸地側から空気を送り、
パイプの先の風船を膨らますことで
圧縮タンクなどの特別な設備を用いず
より安価に空気を貯蔵するスペースが
確保できる。
同社によればすでにトロント郊外で
出力700キロワットの設備を稼働した、
とのこと。
700キロワットといえば
200世帯強程度の電力量に過ぎないが
引き続き今後の技術動向に
注目するとともに
世界各国の革新的なアイディアによる
ブレイクスルーに期待したい。