超臨界水と人生

経済産業省は
地下約4 - 5キロメートルにある
超高温高圧の水の熱を利用する
次世代の地熱発電の研究開発を
始める。
※日本経済新聞より
▼言葉の響き
今回の最大のポイントは
何といっても言葉の響き。
“超、臨界、水”
読点で区切る意味は全く無いが、
思わずそうせずにはいられないのが
言葉の魔力。
どれも架空のキャラクターの
奥義や神術を彷彿とさせる力強さと
カッコよさを秘め持つ語義の集合。
その "超・臨界・水" を用いた
次世代発電の研究開発を始める、
とのことで、これはもう
内容が気になって仕方がない。
▼そもそも
「超臨界」とは
流体の一種を指す。
一般的に流体と言えば
固体・液体・気体の
3つの状態を思い浮かべるが
「超臨界」とは
そのうちの流動体にあたる
「気体」と「液体」の
それぞれの限界を超越した状態
のことだ。
どういうことか?
▼218気圧、374℃
つまりそういうことだ。
小学校の理科でも習った通り、
水が沸騰する温度は100℃。
ところがこれは
普段の生活環境下
(1気圧=1013hpa)
での話。
この1気圧を下回れば沸点は下がり
(富士山の頂上だと約2/3気圧で
およそ88度)
逆に上回れば上がる。
(一般的な圧力なべで約2気圧で
およそ120度)
仮に完全密封状態で
水を沸騰させ続けると
逃げ場のない水蒸気が留まり続け
圧力と密度を増していく。
やがて水蒸気の水の密度が
液体の密度と変わらなくなる
限界点(=臨界点)が訪れる。
それが
“218気圧・374℃”
そこからさらに
圧力・熱を加えて行くことで
液体でも気体でもない、
“超臨界水”が生まれるのだ。
▼超臨界水と人生
既存の地熱発電では
約2 - 3キロメートルの深さにある
セ氏200 - 250度の熱水をくみ上げ
利用する。
今回の超臨界水は
古い火山の地下に多く存在する
とみられており、
これを探し当て採掘し利用することを
政府は目論むが
「液体」でも「気体」でもない
「超臨界水」はその特異な性質から
扱いが難しい。
あまりに強い酸性のため
通常の鋼鉄ではすぐに腐食してしまう。
そのため新素材を用いた
採掘井戸が必要になるなど課題は多いが
一本の井戸あたりの出力が
現在の地熱発電所の5倍が見込まれるため
今後採算性などを精査し、
2050年ごろの実用化を目指す、とのこと。
「2050年」
思いのほか、遠い。。笑