有人潜水調査船と人生

レアメタルなどの海底資源を巡り、
各国が有人潜水調査船の技術開発に
しのぎを削っている。
※毎日新聞より
▼しんかい6500
日本で有人潜水調査船と言えば
「しんかい6500」を
思い浮かべる人が多いだろう。
1989年の進水式
(初めて水に触れる)を経て、
同年8月の試験潜航で
最大深度6,527mを達成、
以来、
運用中の有人潜水調査船としては
“世界一”深く潜れる潜水船として
長らく任務を遂行してきたが、
2012年、
中国の「蛟竜号」が
マリアナ海溝で7,020mを記録し
現在は“世界2番目”の
有人潜水調査船となっている。
▼10メートルで1気圧
潜れる深さに限界がある理由は
「水圧」であるが、
普段水圧を体感することのない
我々からすればその大変さは
容易に推し量れるものではない。
一般的によく用いられる単位は
「気圧」であり、
海抜0メートル付近での
縦横1センチの面に受ける圧力が
1キログラム=1気圧。
これに対し水深の世界では
たった10メートルで
“倍”になるというもの。
20メートルで3倍、
30メートルで4倍、
となれば
水深6500メートルの
凄まじさはただ事ではないことが
小学生でも理解できるだろう。
▼深海のワクワク感
水深200メートルより深い領域は
一般的に「深海」と呼ばれる。
厳密言えば別の用法・区分も
存在するが、
「200メートル」は
特に生物学に基づいて設定された
数値であるようだ。
具体的にはプランクトンが
光合成可能な範囲が
およそ200メートルまでで
この深さにおいては
可視光線はほぼ遮断され、
暗黒の世界となるそうだ。
但しわずかな光は最大で
1000メートルまで届くとのことだが
人間では到底感知できない。
そこからさらに数倍の深さとなれば
もはやどれだけ凄いのかが分からない。
前述のとおり10メートルごとに
1気圧上昇する水圧と相まって
多くの人々のロマンを掻き立てる
未知の世界がそこには広がっている。
▼有人潜水調査船と人生
しんかい6500の
操縦歴22年の松本恵太船長は
「誰も見たことのない
生物に出合えるかもしれない。
わくわくする」
と深海調査の魅力を話す。
20年以上調査に携わる
現場の第一線の方が未だ
「わくわくする」と口にするのだから
その魅惑の度合いは並ではない。
一方で完成から約30年経過する
現在のしんかいに代わり、
1万2000メートルまで潜れる
「しんかい12000」の建造を
検討しているが、コスト面で
乗り越えるべき課題があるとのこと。
ぜひそのコスト面の課題を乗り切り
20年経過しても減退することのない
ワクワク感に満ちた世界の
さらにその先を見てみたい。