新・道徳の授業と人生

文部科学省は24日、
2018年度から小学校で使われる
道徳の教科書と、
主に高校2、3年用の教科書の
検定結果を公表した。
※時事通信より
▼初めての道徳教科書の検定
きっかけは2011年のいじめ問題。
「大津市の中2いじめ自殺事件」
滋賀県大津市内の中学二年生の男子が
いじめを苦に自殺するに至った。
ところが当初
学校・教育委員会側は
いじめが原因ではないと主張。
その後の調査で主張と異なる事実が
次々と明らかになり社会問題として
メディアで大きく取り上げられた。
道徳の教科化は
2007年にも提言されたが
この時は見送られ、
当該事件をきっかけに
再度議論が活発化。
道徳教育を見直す機運が高まり
2014年10月、
文科省の中央教育審議会が
道徳を特別の教科とすることを答申。
道徳の教科化が決定した。
▼すべての教科書で
今回教科化に当たり
検定の対象となった道徳の教科書は
全部で24点。
そのすべての教科書で
いじめを題材に取り上げており
大津市の一連の事件の重みが
見て取れる内容となっている。
一方で個人的に目を引いたのは
学習指導要領の示す内容に照らし
扱いが不適切、とし
指摘・修正された箇所についてだ。
「パン屋」が「和菓子屋」に
「おじさん」が「おじいさん」に
それぞれ変更となった事実は
ネットでも瞬く間に広まった。
「パン屋」は
「我が国や郷土に親しみ愛着を」
「おじさん」は
「高齢者に尊敬と感謝の気持ちを」
それぞれの部分で
内容が不十分、とみなされたとのこと。
▼無味乾燥
僕は学校が嫌いだった。
けど道徳の授業は
嫌いではなかった。
なぜなら他の教科と違い
テストも課されないし、
提出物などの強制が少ないからだ。
但し、嫌いではない、だけで
特段好きでもなかった。
理由は一言で表せば
「無味乾燥」なイメージが
強かったからだ。
中には心に響く内容の題材も
あったが、大半は“響かなかった”
前述の通り
「伝統文化を尊重しよう」
「郷土を愛する気持ちを育てよう」
と言われたところで
「伝統」も「郷土」も
当時の僕にとって何のことか
よくわからなかったからだ。
▼新・道徳の授業と人生
今回の検定で出された意見は
合計で244件にも及んだとのこと。
登場人物の変更、
街中の風景の描写の変更、
更には挿絵の差し替えに至るまで。
「高齢者」「伝統」「郷土」が
大切なのは理屈では分かる。
けど、過敏になるあまり、
当時の僕のように
人生経験上知らない世界のことを
次から次へと提示され
その大切さを説かれても、
「なんだかよく分からないなぁ」
そんな子どもが増えないことだけが
僕は心配だ。