正月営業と人生

福袋などを楽しみに
多くの客が集まる
「新春初売り」は、
家電量販店や百貨店にとって
書き入れどきだ。
※産経新聞より
▼安心感
元旦営業だけではなく、
年中無休で営業することで
お客様に安心感を与える。
言葉の上では理解できる。
けど忘れてはならない。
元日営業は現場の店員、
お店周りの誘導員・警備員、
更には物流に関わるスタッフ等
様々な人々の正月休みを
犠牲にして成り立っている、
ということを。
▼横並び・事なかれ
つまりそういうことだ。
「ブラック企業」と名高い
某企業でさえも、
社員なくして繁栄なしと
心得のない経営者はいない。
問題は心得の本気度だ。
店長であれば店の数字、
統括責任者であれば全体の数字、
上場企業の経営者であれば
株主に対する経営責任、
「競合に対抗するため」
「販売機会の損失を避けるため」
もっともらしい理由を並べるも
結局現場へのしわ寄せを避けられず
従業員は疲弊し現場を去り、ひいては
接客レベル低下のスパイラルに陥り
顧客離れは加速する一方。
ここ数年で
「24時間営業」
「年中無休」の過剰さは
ある程度日本人の大多数に
認知されてきたものの
個人的には
まだまだ途上の感は否めない。
▼食べものがない
僕が2,3歳の頃。
いや、もっと前かもしれない。
…
何せ、親から聞いた話だ。
年末年始を伊豆大島で過ごそうと
家族全員で出かけたときのこと。
船を待つ時間があと数時間ある、
とのことなので
「近くで食事でも」
そうして街中に繰り出したものの、
「開いているお店がない」
コンビニすら今のように
何処にでもあるような時代ではない。
ましてやファストフード、
牛丼チェーン店のような
年中無休のお店なんて
探しても、ない。
斯くして
「夕食難民」となった僕ら一家は
肩を寄せ合うようにして
船の到着を待った。
▼正月営業と人生
今となっては
単なる笑い話の一つで終わるが、
小さな子ども達を抱えた当時、
親の立場を考えれば大変だったと思う。
一方で
いざ食べ物が切れたとしても
街を歩けば何とかなる
今の時代は確かに便利だ。
先進国においては
飽食の時代と叫ばれて久しいが、
何れ現在の24時間/365日営業が
「時代の一つを築き上げた」と
人類史において振り返られる日が
そう遠くないような気もしている。
有人営業の店舗はほぼなくなり、
現在の自動販売機の大型版のような
必要最低限の無人コンビニだけが
街中にひっそりと佇む―
休む時には休み、
業務上人為的なシフト制に
頼らざるを得ない業種を除き
夜は眠る時間。
そんな時代に戻る日が。