…そして迎えた、
自由曲練習の初日。
男子は教室の後側、
女子は教室の前側に
それぞれ分かれて集まります。
“パート別”に練習するため、です。
次に、男子側には
“先生”か“ピアノが弾ける女子”が１人付くのですが…
来るよりも前に、
キーボードの前に立つ僕。
みんなが僕の姿に気づきはじめた瞬間、
おもむろに僕は
自由曲の“前奏”を弾き始めました。
すると、それまでがやがやしていた教室内が
一斉に静まり返り。。
次の瞬間、
「お、おぉぉー」
あちらこちらから発せられる、
クラスメート達の感嘆の声。
…見事、作戦は成功です（笑）
“まさかあの小未来がピアノを弾けるとは…”
誰もがそう思ったのでしょう。
…でも、実は僕、
小学生時代に『エレクトーン』を習っていた時期があったのです。
（とは言っても“級”を取るほどの腕前ではないし、
楽譜もロクに読めませんでしたが。。）
「前奏だけでも弾けたら、きっとみんな驚くに違いない」
晴れて
もくろみは見事に的中したわけです（笑）
そして――
すっかり調子に乗ってしまった僕は
ある“一大決心”をします。
「よし・・・
僕が、
このクラスを合唱コンクール優勝に導いてやる」
中学３年生の秋。
受験シーズン真っ只中の時期にも関わらず。
でもやっぱり、
自分自身の内側からとめどなく湧き上がる
強烈な『ワクワク感』には敵いっこありませんでした（笑）
（続く…）