アポロン「フォーーーーーッ!!ほらみろ!!やっぱり俺とお前が最強なんだ!!」バッサバッサ!!

ムーア「ひょ~~ひょっひょっひょっひょっひょっ!!!!我こそが白の同盟の盟主なるぞよ!!」

アポロン「むっ!?馬鹿笑いしてないで下を見ろ!!」バッサバッサ!!

ムーア「あによ、自分だってはしゃいでたクセしてからに・・」ゴイン(祖龍剣を背中に納刀しながら身を乗り出し、下を覗き込む)




ぎゃああああああ・・・・・・・・・・・
(依然として色を失ったモノクロームなディストピア世界に広がる灰色のヒンメルン山脈に挟まれた標高の低い谷目掛けて落下していく黒龍の姿が遠目に確認できる)



ムーア「やったかな?」(谷底に落ちたのか、暗いせいもあり黒龍の姿は消えて見えなくなる)

アポロン「どうだかな。俺たちが優勢なのは確かだ」バッサバッサ

ムーア「自分でもびっくり。と言っても、お父さんとお母さんのおかげだけど・・・・ん・・」




ファオオオオオオオン!!
(谷底より旋回を伴う巨大なスノーストームが起こり、火砕流のように重たい密度を誇るブリザードが雪崩とは逆に重力に逆らいながら暴風により激しく吹き上げられ、中心を軸に逆時計周りの回転をみせながら周囲の山々を刈り込む勢いで衝突していく)




ムーア「うわぁああああああああ!!」フオオオオオオオン!!(急上昇してきた吹雪が火竜の同志ごと包み込み、視界もまた灰色の粉雪に覆われていく)

アポロン「しっかり掴まっ・・・・・・ぐわあああああああ!!!!!」パキパキパキパキパキ!!(上昇してくる吹雪の中、アポロンに目を向けると、瞬く間に頭部、首、胴体の表面が凍結していく)

ムーア「アポローーーーーン!!!!」パシュッパシュッ!!パシュッパシュッ!!(氷漬けになっていくアポロンの表面を覆っていく無数の雪の結晶から赤紫の電磁波のような粒子が弾け飛んでいることが確認でき、これが通常の氷やられではないことが見て取れ、またこのブリザードが強力な龍属性エネルギーに支配されているもことも分かる)



予想を上回る力に
選ばれし者と自惚れたか?
キャロルムーア・ロザリーよ



ムーア「アポロンに何をしたぁああああああ!!??」ビュオオオオオオオオ!!!!(吹き上がってくるブリザードにたまらずアポロンの背上で片膝をつき、目を閉じる)



一瞬でも我を倒せるとでも思うたか



ムーア「油断させる為にわざとやられたフリを!?嘘だ!!お前はあたちを殺すことができない!!!!」



我が貴様を八つ裂きにできぬことは
アースラ・ベアトリクス・ウルバンが我と契約を交わした直後 既に証明されていた



ムーア「何が言いたい!?」ビュオオオオオオオオオオ!!!!!



確かに貴様は母親の加護に護られているが
貴様が親しみを寄せるものはどうかな?



ムーア「!?」(はっと気づき、目を開けると同時に吹雪もまた突如として止まる)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(無音の中、下を向くと完全に凍結したアポロンの背中が目に飛び込み、おそるおそる顔を上げ、彼の頭部を確認する)


アポロン「逃げ・・ろ・・・・ムー・・・ア・・・・」ピキーーーーーン(弱々しくこちらを振り返る優しいレウスの顔もまた完全に凍結してしまう)



仲間の過ちによってお前を殺すことはできる



ガバッ!!(瞬時に地面を掴むように両腕を伸ばしながら氷漬けになってしまった火竜の背上でうつ伏せになる)



フォオオオオオオオオオ!!
(次の瞬間、意識を失った氷漬けのリオレウスと共に自然のフリーフォールがはじまる)



なぜ我が貴様を今まで生かし続けたと思う?



ムーア「起きてぇええええええええ!!!!!アポローーーーーーーン!!!!!!」フォオオオオオオオオ!!!!!



それは仲間と共に希望を育ませるためだ



ムーア「クッ・・!!」バッ!!(頭から急降下していく氷漬けのリオレウスの首に掴まりながら、腹ばいに氷の滑りも利用して一気に頭部へ飛び移る)



輝かしい希望ほど
堕ちた時の絶望もまた美しい



ムーア「アポローーーーーーーーーン!!!!!!」ガシッガシッガシッ!!!!(両目を閉じたまま氷に包まれている火竜の同志の頭部横にしがみつきながら右手を握りしめ、少しでも表面を砕こうと必死に叩き続ける)



故に我は貴様に仲間の死を与え続け
貴様を絶望の淵に堕とすことにした



ムーア「嘘嘘嘘!!!!!!!ねぇ起きて起きて起きて起きて!!!!!!」ガシッガシッガシッ!!!!(握り拳の底面から血が流れ、落下していく宙に血痕の軌跡を描く)



もがけ
あがき苦しめ



ムーア「約束したでしょ!!??二人で成し遂げるんでしょ!!??一緒じゃなきゃいやだよ!!!!」ガシッガシッガシッ!!!!



希望の脆弱性
それは願いが叶わなかった時 不意に訪れる絶望感だ



ムーア「お願い・・・起きて・・・・・アポロン・・・・」スッ・・(氷漬けになったリオレウスの頭部を抱きしめながら共に落ちていく)


キラッ・・(視点主の涙が氷に触れた瞬間、小さな小さな輝きを放つ)


ムーア「え・・・・・」



ヒュオオオオオオオオオオオ!!!!!
(目の前の氷漬けになったリオレウスは小さな光に照らされたまま、片目を弱々しく開きながら、何かを伝えたい様子で、その潤んだブルーアイズに視点主を映している)



ムーア「・・・・お前は・・・俺が・・・守ってやるって・・・言っただろ・・・・?」




グーーーーーーーーーーン!!
(アポロンは最後の力を振り絞り氷漬けのまま全身を激しく揺さぶり、視点主を弾き飛ばす)




ムーア「アポローーーーーーーーーーン!!!!!!」ヒュオオオオオオオオオ!!!!!!



ヒュオオオオオオオオオオ!!!!
(後方に吹き飛ばされながら落下していく視界の向こう側では、同じく空中を落下していく氷漬けになったリオレウスの小さな姿が)




グオオオオオオオオン!!
(谷底から禍々しい龍属性エネルギーを纏いながら急浮上してきた巨大な黒龍が落下していくアポロンの目の前で大口を開ける)



ムーア「だめぇええええええええええええ!!!!!!!!」




ドガアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!
(マモーナスは小さなアポロン目掛け間近から大火球を浴びせる)




フオオオオオオオオオ!!
(同時に凄まじい爆轟波により大きく斜め後方へとふっ飛ばされる視点主)




ムーア「アポローーーーーーーーーーン!!!!!!!」(斜めに急降下していく視界の遥か上空に残っている黒い炎が混ざりあった爆発後の淀んだ惨たらしい高密度な黒煙から燃え盛る火花の残骸がまるで涙を流しているかのように地上へ僅かな光の軌跡を描きながら落下していくのが目に映る)



クッ!!(復讐を誓いながら力強く顔を上げ、爆発など顧みず優雅に空高く昇っていく黒龍の姿を睨みつける)



次は未だ我を討伐できると儚い期待を抱いている
貴様の仲間達を堕としてやろう




ズザアアアアアアアアアア!!
ゴロゴロゴロゴロゴロ!!

(嫌悪感しか抱かない邪顔と目があった次の瞬間、視点主は雪の大地に背面から落下し、激しく雪煙を飛散させながら後方に時折バウンドをみせつつ転がっていく)


ズシャアアアアアアアア!!!!!
(何かに背中から乗り上げ、宙に跳ね上がったその反動を借りて後方転回をみせると体勢を立て直し、片膝をついて着地すると同時に右手を鷲の爪のように大きく広げて雪面に叩きつけ、白いキャンパスを引っ裂きながらその摩擦力を利用して煩わしい運動エネルギーを殺しつつ急停止していく。また視界に映る四方の景観から、雪が残る標高の高い山腹エリアであることも見て取れる)


ダッ!!(周囲の状況など目にも留めず、視界の上空を前方向に舞っていく宿敵の小さなシルエットだけを捉えながら走り出す)






Recollection No.5_188






ムーア「ぶっ殺す・・・・・マモーーーナァアアアアアアアス!!!!!」ダッダッダッダッダッ!!


To Be Continued





★次回ストーリーモードは8/12(木)0時更新予定です★