ムーア「今宵の晩餐は明日のために・・」くっちゃくっちゃ・・(うつむきながら右手の「ふわふわたまごサンド」を、そして左手にしっかと握るフォークにぶっ刺した「まるごとアオキノコのソテー」を交互にかじりつきながら。また、その背景に映る大理石のテーブル、そして周囲から聞こえてくる活気ある会話やごくごく自然な食器の音から現在地が昼時な神殿内での食堂であることが窺える)
ウルファ「・・なにか言った?」(顔を見上げると向かいの席の彼女が「できたてロールパン」を食しながら質問してくる。また二人の間に見える食卓の上には、視点主側に「タンパク質に偏ったモリモリ系ランチ」をふんだんに盛り付けた木製プレートが、ウルファ側には「理想的なヘルシー盛り付け皿」が置かれている)
ムーア「お母さんの言葉・・・・昨日、ルチアから教えてもらったんだけど、夢の中でも聞いたの・・」くっちゃらくっちゃら・・ずずずずず・・・(神妙な声とは対照的に汚らしく咀嚼かましながら更には木製お椀を手に取り熱々コーンスープをすすりだす)
シセ「聞いた?誰からだ?」カツカツカツカツカツ!!(左隣の席を見ると、豪快にガッツチャーハン(特盛)の大皿を片手に大レンゲでその「コッテコテな油米(あぶらごめ)」を止めることなく口内へ放り込んでいく彼の姿が)
ムーア「お母さん・・・すごく綺麗で澄んだ声だったけど・・・・・同じくらい寂しそうだった・・・・」カタン・・(両手に握るお食事を皿の上に戻してしまう)
ウルファ「・・どんな夢だったの?」
シセ「慈悲がないのか、それとも彼女の貴重な体験を聞いてどうするつもりだ?」ゴッゴッゴッゴッゴッ(食道につまっているのであろう大量の咀嚼物を流し込むように木製ジョッキの水を一気に飲み干す)
ウルファ「心配なだけ。本当にお母様の声だったのなら、また何かを伝えたかったのかもしれないでしょ?まったく・・」ブスッ(と、おサラダをシセに見立てるかのように「強めに」フォークをぶっ刺す)
シセ「そんな大切なことなら、それを一番最初に聞くのは俺たちじゃない」カツカツカツカツカツ(再びガッツチャーハンを)
ウルファ「ふぅ・・・・・ルチアなら採取にでかけたわよ。いつもの場所」あむりっ(少しふてくされながらフォークに突き刺さったおサラダを食べる)
ムーア「ああ・・そっか・・・ドスパパヴェルの採取時期だっけ・・・・そういえば、しばらく一緒に行ってないな・・・」あむり(しょんげりしながらサンドにかじりつく)
シセ「健康一番。いつ頃だったかな・・あれほどタバコや薬が好きだったのにな」ゴッゴッゴッゴッゴッ
ムーア「ウー家が滅亡した頃」あむりっ
シセ「今でも思い出す。あの時、お前を心配したルチアが血相変えて屋敷に飛び込んでいったのをな」げふぅ~~~
ムーア「え・・・・シセも一緒だったの?」
シセ「あれ。言ってなかったっけか?ルチアがぶっ飛ばしていった見張り兵が追っかけないよう、ネムリ草で「止め」をさしていった影の立役者の存在を」パチりん(ウィンクしてくる)
ムーア「んーーーーーーーっ!!そこでも借りを作ってたのね!おぼしろくない」ガジッ(皿の上の「持つタイプのお肉」を掴み上げ、八つ当たりかます)
ウルファ「まだまだ新参者の私も面白くない」あむりっ
シセ「君も狩人だったんだろ?技量で信頼を勝ち取れ」ゴッゴッゴッゴッゴッ
ウルファ「バカにしないで。そんな邪な動機で彼女を護るつもりはないわ。シセ?あなたのそういう人を見下した目、私、だいっきらい」あむりっ(対し、「お~お~」的なりアクションしてみせるシセ)
ナァ~ハハハハハハ!!(食堂の奥から、例の「元領主な騎士」を先頭に、その後ろから彼の頼れる男女の忠臣が続いてくる)
ムーア「ご機嫌ね、ナイトさん」ナッハッハッハッハッ(視点主が座る席の後ろを通る彼に向かって)
男性同志「腹ごしらえもしたしな。ちょいとドラゴン退治に行くところだ」ナッハッハッハッハッ
背の低い男性同志「今のところ、アポロンの49勝0敗」こそっ
凛とした女性同志「でも不思議と回復薬は使ってないのよ?だからといって一撃死でもない。でも負ける。これがどう意味か分かる?」
ムーア「えーーーー・・・・・・・わかった!疲れちゃうんだ!」
男性同志「ナァ~ハハ!正解だ!俺は強いがスタミナがない!騎士とはエレガントに戦うもの。対人では決して負けぬぞ!」ナァ~ハハハハハハ!!
シセ「おいおい。同盟の敵は巨大なドラゴンなんだぞ?」
男性同志「わかっている。無理に回避しようとスタミナを使うから、いけないこともな」フフン
ムーア「えらい自信ね」
凛とした女性同志「最近、彼が妙な特技をもっていることがわかったの」
シセ「特技?スキルのことか?」
男性同志「狩人のそれかどうかはわからないが、スタミナをあまり使わず剣を振るうと、いつもより威力が強いことに気づいた」
背の低い男性同志「この前なんて、岩を砕いたんだよ?拡散弾でも壊せなかったやつ。唯一、賭けてたモーガンの独り占めってわけ」これ、なぜ主に賭けなかったのだ(と当然の質問をする元領主)
ムーア「そんなスキルあるの?」
シセ「さぁな・・・なにせハンター自体が、モンスター同様、まだまだ解読不明な点が多いからな。彼が「さきがけ」であっても、なんの不思議もない」やれやれ
男性同志「君が調達してきた剣との相性が良いのかもしれないな。さすがはココットの英雄が使っていたという名剣だけある」ナァ~ハハ!!
ムーア「そんなすごいのあげたの?」こそ
シセ「それのレプリカモデルだ。本物にはほど遠い」こそ
男性同志「というわけで、その力をちょいと試しに行ってくる。ついて参れ」ザッザッザッザッ
凛とした女性同志「期待させるほどじゃないけど、それ以下でもないから安心して」こそっ(通りすがりに)
背の低い男性同志「じゃあね、ムーア」あいよ(と視点の主)
ウルファ「みんな気合入ってきたわね」あむあむ(振り返るとまだおサラダを食べている呑気な彼女が)
シセ「いい傾向だ。俺たちも負けていられないな」カツカツカツカツ!(急ぐように残りのチャーハンをかっ込む)
ムーア「お母さんの言葉通り。昨日の宴は大成功だったようだね。あたちも頑張らないと」ブッ(持つタイプのお肉のきれいに白くなった骨をいつの間にか殻になっていた皿の上に吐き捨てる)
ゴイン・・(食卓の下に隠してあった祖龍剣の柄を無造作に握りしめ拾い上げる)
ウルファ「あら・・持ってきたの?」
ムーア「二人がバイキングの盛り付けに夢中になっている間に」むん(と、それを肩に担ぐ)
シセ「ちゃんと部屋の鍵をかけてきたんだろうな?また不審者に入られてもしらないぞ」
ウルファ「いい加減にして!もう、うんざり!!」ダンッ
ムーア「まぁまぁ、これこれ、およしなさいな。また喧嘩するようなら、今度はこの大剣の柄で頭を小突くわよ?」
シセ「心に嘘がないなら、ここで盟主に誓え。共に戦うと」
ウルファ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ウルファ「白き盟友よ。この身ある限り、あなたと共に戦うわ」
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(頷きながら彼女に手を伸ばそうとしたその時...)
お~~~~~い!!
(廊下側より声が)
ムーア「??」
たいへんだぁ~~~~~!!
(先程出ていったばかりの背の低い男性同志のみが慌てながら食堂に戻ってくる)
ムーア「どうしたの?そっちも喧嘩?」はぁ・・はぁ・・(息を切らせる彼に向かって)
背の低い男性同志「違うんだ!!空が・・・太陽が食べられちゃってるんだ!!」(高揚しながら叫ぶ彼の表情は恐怖でこわばって見える)
ムーア「はぁ?一体なにを・・」
ウルファ「とにかく外へ行ってみましょう」ガタン(急いで席を立ち、廊下へ向かっていく)
背の低い男性同志「君も一緒に来て!!」グイッ(視点主の手首を引っ張りながら)
ムーア「ちょっと」タタタタタタタ(引っ張られながら後ろを振り返ると、やれやれと続いてくるシセの姿が)
ウルファ「何があったのか、ちゃんと説明して」(前を向くと背の低い男性同志と小走りに並走している彼女が質問を投げている)
背の低い男性同志「あんなものどうやって説明すればいいのさ!?自分の目で見て!!」ダッダッダッダッダッダッ!!(小走りの足を次第に早めながら)
ムーア「あんだって・・・・・こにょ・・・?」ダッダッダッダッダッダッ!!(背の低い男性同志の後頭部越しに回廊の低い塀が見え、外では数名の同志たちが「何やら雲がかった空」をこぞって見上げている)
背の低い男性同志「連れて来たよ!!」(塀越しに空を見上げている主に向かって)
男性同志「おお、きたか!!盟主、空を見ろ!!」
ムーア「え・・・・・・・・」(低い塀に手をつき、空模様を窺う)
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・
(見上げる淀んだ鉛色の空に光る太陽が東側よりじりじりと侵食してくる不気味な黒い陰りによって次第に覆われていく)
Recollection No.5_183
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・(額に手をかざし、呆然と蝕の様を見上げている)
はっ(思い出したかのように咄嗟に首を下げ花畑越しに目をやると、次第に薄っすらと灰色の影に覆われていく馬小屋エリアの手前では、火竜の同志がその長い首を「垂直に」限界まで伸ばしながら頭上で起きている太陽の異変に食いつくように空を見上げている)
シセ「しまった!!」(後ろから彼の声が)
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・」(おもむろにシセの方を振り返ると、回廊を左右に見渡している彼の慌てた姿が)
シセ「ウルファはどこだ!?姿が見えない!!」(彼の傍らでは背の低い同志だけが空を見上げている)
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(突然起きた出来事を受け止められない様子で眉間にしわを寄せながら、ゆっくりと空を見上げる)
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・
(刻一刻と頭上の太陽は貪るように押し寄せる黒き暗翳にその輝きを喰われていく)
To Be Continued
★次回ストーリーモードは7/26(月)0時更新予定です★