ガヤガヤガヤガヤ・・・・(何やら周囲から宴のような喧騒が室内を反響しまくる中、右手に羽ペンを執りながら、卓上に置かれた一通の「執筆途中」の皮紙を呆然と見下ろしたまま固まっている。文面は以下に)



拝啓ボワコフさん

お手紙ありがとうね。少し心配したけど、無事に帰れてよかったね。
王都のみんなや神殿のみんなも安心しているよ。
そっちはボワコフさんの帰還パーティーをやっているみたいだけど
実はこっちも宴の真っ只中。
神殿に工房の親方(ゼストって名前だったみたい)が来てくれて、
おそろしい兵器をたくさん設置してくれたの(でもそのおかげで同盟は
晴れて王都に忠誠を誓う狩猟団として認知されるハメになったんだけどね。
けどプリムが喜んでくれたからいいと思っている)
バリスタをどこに置いたか気になるでしょう?
ほら、神殿の防壁となっている崖に
前から見張り台として使っていた穴、あったでしょう?
それを見たモーガンが崖の壁に洞穴をたくさん作って、
その中から撃ってみたらどうだ?って提案してきたの(バカだけど)
さらに洞穴はアリの巣みたいに崖の中で繋がっていて、
シェルターや武器庫としても利用できるってわけ。正直すごいでしょ?
で、その突貫工事が今日、無事に終了してさ、その貫通式をやっている最中なの。
もちろんあたちも手伝ったよ。バリスタを親方(あ、ゼストって名前ね)が
書いてくれた設計図を見て、組み立てたんだから。
工作の時間みたいで思ってたより簡単だった。
ちゃんと撃てるかどうか不安だったから、シセとモーガンに「走れ」って言ったら、
アポロンに「乗って」麓まで下りていったみたい。
そうそう。シセといえばさ



ムーア「シセといえばさ・・・・・」くるっくるっ(羽ペンを回しながら思案中)

??「呼んだか?」(視界左側より聞き慣れた男性の声が)

ムーア「ああん?」ちら(視界上に見える眉間にしわを「強く」寄せながら、左側を向く)

シセ「ペンが止まってるようだな。どれ、先生。原稿をチェックしてやろう」グッ(彼の顔が接近してきて手紙を覗き込もうとする)

ムーア「あんだってこにょ!!」ぺしーーーんハッ(羽ペンの羽の方を素早く振りかざし、見事、シセのでこをひっぱたき撃退に成功)

シセ「いてぇアセアセいいじゃないか、読ませてくれたって」カタン・・(大理石の長テーブル、視点主の隣に着席する彼の背景から現在地が神殿内の食卓であることが見て取れ、テーブルの奥では酔っ払った仲間達が雑談決め込みながら酒を酌み交わしている)

ムーア「まだ完成してないから駄目」ガヤガヤガヤガヤ

シセ「早く返事してやらないと、今度はボワコフが心配するぞ」ガヤガヤガヤガヤ(隣で寝ている同志が飲み残した木製ジョッキをそっとちょうだいしながら)

ムーア「あんたのせいよ」がしょりっアセアセ(卓上の「おりんご」を見つけるやいなや掴み上げ、豪快にかじる)

シセ「・・・・ああ・・・俺が無罪だったことを知らせたいのか」ゴクッ(木製ジョッキをかっ食らう)

ムーア「そっか。そうやって書けばいいのか」がじょりっアセアセ

シセ「ブッーーーーアセアセ(飲んだアルコールを吹く)よせ!王女様にだって見せるんだろ!?」

ムーア「だから説明に困ってるのよ。詳細を書けば、あんたとオヨネさんの関係も説明しなくちゃいけなくなるでしょ?あたちは別にいいんだけど、小説なみのエピソードになるし、読む方も退屈よ」じろ

シセ「ご迷惑おかけします、先生」へこり

ムーア「暗号でも使えって?だったらその禿頭で考えて」ぺし~~~んハッ(おもいっきし「別に剥げているわけじゃない」彼のスキンヘッドの頭をひっぱたく)

シセ「いてぇアセアセなにも暗号を使わなくたって、俺が今まで通り元気だと伝えればいいさ。それだけで、思い過ごしだったことに気づくよ。ボワコフは頭がいいからな」スッ(後ろを向き、通りすがりのキッチンアイルーがおぼんに乗せて運ぶ木製ジョッキの一つを奪い取る)

ムーア「逆にあたちがそうやって書けって、脅迫されていると深読みしちゃうかも・・。あ、でも、それならそれで心配して戻ってきてくれるかも!」

シセ「心配かけたくないのなら、今の2つの案の真ん中を取ればいい。ヘイ!こっちにも頼む!もちろん「ツゥー(2)」だ!」(たくさん積まれた和蒸籠を抱きかかえながら配給している「あんまん部隊のアイルー」に向かって。対し、笑顔で頷くアイルー)

ムーア「アポロンはボワコフさんをモフモフ軍師って呼んでたけど、あんたも十分、策士よね」ふぅ~~~~(蒼毛な前髪を吹き上げながら)

シセ「そういうのがいないと組織は成り立たないだろ?あんなのばかりじゃ困る」え~~へっへっへへっ・・バシィ~~~んハッ(遠くで酔っ払ったモーガンが近くの席で女子会を楽しんでいるウルファに「いやらしい仕草」で接近していくも、すかさずビンタを喰らい、その勢いのまま反転して千鳥足で帰らされる)

ムーア「あっちは戦場の知識に長けている。バカだけど」ゴンハッ(壁に激突して倒れるモーガンを「哀れな眼差し」で見つめながら)

シセ「彼女のことだが・・・」ちら・・(彼が横目で女子会を楽しんでいるウルファのことを示すと、視点主もまた彼女の姿をそれとなく視界に入れる)

ムーア「山は一度も下りていない。あたちだってバカじゃないのよ。ありがとう」どうじょ(あんまん部隊のアイルーが蒸籠を机に置いてくれる)

シセ「ああ。だが引き続き監視はする」どうじょ(置いてくれたアイルーの頭を優しく撫でる彼)

ムーア「汚れ役は任せろって?必要だと思うけど、みんなのことを信頼してる。続けてちょうだい」

シセ「了解・・・マイ・レディー。・・・っと、手紙を書いたら王女様のところに行くのか?」あちち・・(と、彼は蒸籠の蓋を開けると同時にすさまじい白煙によって顔を包まれてしまう)

ムーア「もちろん。晩餐会以来、会ってないしね。何より手紙を早くフクロウ便で届けたい。やっぱりここじゃ集中できないから、部屋で書こうかな・・・」

シセ「宴は終わらない。この白雪神殿がある限り・・・・どうだ?今の詩も手紙に添えるってのは?」モワモワモワモワ(煙で顔は見えないが、自慢げな顔をしていることはなんとなく想像できる)

ムーア「いいんじゃない?そうだよ!シセもお手紙書けばいいんだよ!何もあたちだけが代表して書く必要ないじゃない」

シセ「むぅ・・・・まぁ、事情を説明するには、それが手っ取り早いが・・・王女様の「検問」は?」

ムーア「あんたの手紙まで読みたいと思わないわよ。明日までに書いといてね」ザッ(蒸籠を持ち上げ席を立つ)

シセ「それはそれで少しショックだが・・・どこに行くんだ?」

ムーア「ルチアのところ。ここにいないってことは、どうせ外で飲んでるんでしょ」ザッザッザッ(通りすがりの酔いどれ同志とハイタッチを交わしながら、彼が片方の手に握っていた「持つタイプのお肉」をかすめ取る)

シセ「宿題は間に合うかわからんぞ」(後ろから彼の声が。視点主は静かに笑いながら食堂をあとにする)






Recollection No.5_180






ガヤガヤガヤガヤガヤ・・・・(神殿内の廊下でも談笑を楽しんでいる一組の同志達を歓迎するように両手を広げ、人気舞台俳優さながらの派手な振る舞い(小粋な小刻みへんてこステップ)かましながら彼らに接近していく)

ムーア「フォーーーーーーーッ!!楽しんでる、みんな!?」(ダンスかましながら半ば狂ったように)

男性同志「ハッハッハッハッ。ごきげんだな、盟主」がじっ(無造作ブロンドヘア&無精髭だか、どこか高貴さ漂う彼が「持つタイプのお肉」をそうしながら。それを隣から物欲しげに見上げる少し背の低い男性同志(黒髪横分け&見るからにお人好しタイプな人相&まあるい鼻)の姿も)

ムーア「そりゃそうでしょうに。食堂いけば?まだまだごちそうは残ってるわよ?」ほら(と、自分が片手に握っていた持つタイプのお肉を背の低い男性同志に手渡すと、嬉しそうな顔を見せながらすぐさまそれにかじりつく)

凛とした女性同志「あんまり餌はあげないで。癖になるから」こそ(背が高くインテリジェンスなダークスキンの彼女が身を屈め、鼻筋の通った切れ長の目を持つクールな顔を近づけながら)

背の低い男性同志「あのね、盟主ムーアは領主様達とは違って寛大なのさ」あむあむ

男性同志「彼女の前でよせ。昔のことだ」やれやれ

ムーア「いいじゃない。素敵な仲よ」

凛とした女性同志「この駄目領主のおかげで仕事を失ったのに?おまけに人殺しまで手伝わされて、今は立派な賞金首」はぁ~~~~(と、ワイングラスに口をあてる)

背の低い男性同志「なぁ、ムーア。彼女、すごかったんだぜ!君に負けず劣らずの剣技で兵隊共をバッタバッタ切り裂いていったんだ!あの時の奴等の驚いた顔は、今思い出しても笑える」なははははは

男性同志「まったくとんでもない女をメイドに雇っていたもんだと、その時、初めて気づいたよ。だから今でもふと思うんだ。給料未払いが理由で寝首を掻かれるんじゃないかってね」あはははは

ムーア「あなた達に正義がある。悪いのは略奪を仕掛けてきた連中よ」(その言葉に対し、三人とも俯きながら過去を思い出しているのか、深く頷いている)

背の低い男性同志「そうさ!領主様は最後まで戦争に反対だったんだ!なのに無理やりあいつらは・・・・僕らは国に・・裏切られたんだ・・」ううう・・

男性同志「泣くな。軍役の義務を拒んだのは事実だ。私がもっと警戒していれば・・」

凛とした女性同志「戦争に行っても行かなくても、あんたの土地は連中に奪われてたわよ。最初からそのつもりだったんだからさ。連中の侵攻が始まる前に、少しでも領民を逃がすことができたんだ・・・・きっと、みんなも感謝しているはずだよ。それに・・あたしらもね」(そっと主の肩に手をかけると、背の低い男性同志も主の腰に抱きつく)

男性同志「本当に我々を受け入れてくれて、ありがとう。キャロルムーア」

ムーア「やめてよ。感謝を言いたいのはあたちの方よ。こんな立派な騎士と忠臣二人を仲間にすることができたんだから」

凛とした女性同志「そっ。だから今は平等。仲間なんだからね」ぎゅっ(と、かつての主であり同志の耳を捻り上げる)

男性同志「いちちちちちちち!!もげるアセアセ彼女にやめるよう言ってくれ、盟主!!」ぎゅううううう(どんどん「まずい方向」へ耳を捻り上げられながら)

ムーア「ふふ。お酒のせいよ」

背の低い男性同志「ねぇ、ムーア」

ムーア「なに?」

背の低い男性同志「みんなから聞いた。君は聖女だって。亡くなったお母さんのお告げを受けて、この神殿を守っているってね」

ムーア「ははは・・・そんな大それたもんじゃないよ」

背の低い男性同志「シセから聞いたんだ。黒龍はとんでもない大きい化け物だったって・・・お告げによれば、黒龍が神殿を狙って襲ってくるとか・・・・本当なのかい?」ぶるぶるぶるぶる

凛とした女性同志「情けないね!相手が黒い悪魔だろうがクソ軍人だろうが、あたしはこの子に受けた恩義に報いる為、最後まで戦うよ!!あんたもそうだろ!?ええ!!」(と、捻り上げているかつての主の耳に向かって)

男性同志「ひいいいいいいい!!鼓膜がアセアセああ、そうとも!!我々は君と共に戦い続けるぞ!!晴れてこの白の同盟は、王都認定の狩猟団になれたのだ!!同盟にこの生命と永久の忠誠を誓おう!!それこそが騎士道たる・・いちちちちちちちち!!」ぎゅううううううう

背の低い男性同志「僕も君のことが大好きだよ。本当さ」

凛とした女性同志「ハハッ!!こいつ、どさくさに紛れて告白してるわよ!?」ぎゃあああああああ(感極まり、ますます捻り上げられる)

背の低い男性同志「違うよ!僕はそんなつもりじゃアセアセ」あたふた

ムーア「あたちも好きよ。みんなのことが」フフ(と、背の低い男性同志のボサボサヘアーを直してあげる)

凛とした女性同志「その気になるからやめときな。こいつ、マジになるよ」パシィ~~~んハッ(背の低い男性同志の頭をひっぱたく)

背の低い男性同志「いちっアセアセ

男性同志「さ、我々も皆のもとに行って共に酒を交わそう。今宵の「貫通式」はまだまだ終わらぬぞよ!!」ナァ~ハハハハハハ!!(すんごい片耳を「腫らし」ながら、すす汚れた両手を掲げる)

凛とした女性同志「採掘なんてしたことがなかったから、楽しかったみたい。要するに生きがいがこの神殿にはあるのよ。あたしからもお礼を言わせて、ムーア」ギュッ(優しくハグをしてくる)

ムーア「やだなぁ・・・それはみんなのおかげだよ」

男性同志「君はその年で既に謙虚という美徳を心得ている。我が魂を捧げるにふさわしい盟主ぞよ!キャロルムーアよ!!」ナァ~ハハハハハハ!!(三人肩を組みながら通路の奥へ歩いていく)

凛とした女性同志「最高だよ、キャロルムーア!みんな、あんたのことが大好きさ!!」

背の低い男性同志「盟主ムーアに乾杯!!」


ナァ~ハハハハハハ・・・・・(馬鹿笑いかましながら食堂の中へと消えていくご陽気な三人組の千鳥足な後ろ姿を見届けている)


ムーア「ふぅ・・・・・・・。さて・・・お花畑に行こっと」


タンッ♪
つてててててて・・・・(軽やかに一歩踏み出すと、そのまま小粋なへんてこダンスかましながら廊下を進んでいくご陽気な盟主様)

To Be Continued






★次回ストーリーモードは7/15(木)0時更新予定です★