ウルファ「ふふふ。また歯に骨が刺さったままになってるわよ?」ザッザッザッザッ(目の前で口を開けるリオレウスに向かって話しかけている彼女のもとに歩み寄っていく)


アポロン「よぉ、ムーア。ちょうどよかった。抜いてくれや」あ~~~~ん(おそろしい口を開くと、確かに牙と牙の間に「何かしらの骨」が刺さっている)

ウルファ「あら、ムーア。あなたもあれの練習?」(と、頭上に見えるバリスタを)

ムーア「アポロンがいない時にね。喧嘩になるから。はいはい、じゃあ、そのままね」あ~~~~~ん(と、口を開けているリオレウス)

ルチア「よぉ、ムーア!!こっちも手伝ってやれよ!!」うんしょうんしょ・・(と崖のハシゴを降りながら、まだシールドの向こう側から出れないモーガンを気にかける彼女)

ムーア「自分が悪いのよ。どれどれ・・」あ~~~~~ん(おそろしい口の奥からは体内の火炎袋がグツグツと煮えたぎっている音も聞こえる)

ルチア「さきに飯、行ってるぜ」あ~疲れたな(と、次々とハシゴを降りてくる「すす汚れた」炭鉱夫な同志達(アイルー科の子達も一緒)と共に神殿へ向かっていく)

ムーア「ああ・・これね・・・」(刺々しい牙と牙の間、歯茎にぶっとい骨が突き刺さっている)

アポロン「ほほはふいんは(むずかゆいんだ)」あ~~~~~ん

ウルファ「どう?抜けそう?」

ムーア「噂では、ココット村に伝説の剣があるとかないとか。抜く練習にはなるかも」よいしょっとな(と、勇者が伝説の剣を抜くみたいに骨を両手で握る)

ウルファ「あら、あなたには、すでに相応しい大剣があるじゃない」うふふふ

ムーア「まぁね。けどハンターになれたら、いろいろやってみたい」う~~~んしょっアセアセ(懸命に骨を引き抜こうとする)

ウルファ「できるわよ。あなたはまだ若いんだし」う~~~んしょっアセアセ

ムーア「ウルファだって、まだまだ捨てたもんじゃないと思うけど?」ええ~~~~しょっとなアセアセ(全然抜けない)

ウルファ「フフ・・ありがとう。でも今はここが心地いいの。本当よ?」ええええ~~~~っしょっとな!!

ムーア「あたちの部屋を調べるため?」スポ~~~~~~ん!!(骨が抜ける)

ウルファ「え・・・・・・・・・・・・」

アポロン「あ~~~スッキリした。サンキュー。ムーア」ファ~~~あ(大口であくびするレウス)

ムーア「歯槽膿漏になるとこだったわよ?だから歯磨きしてあげるって言ってるのに。デッキブラシで」

ウルファ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ムーア「で?どうなの?本当に昨晩、あたちの部屋に入ったの?」ん?ん?(と視界の上では目下の人間二人を不思議そうに交互に見るレウスな同志の姿も)

ウルファ「・・・どうしてそんな質問するの?」

シセ「すまない。俺が見たんだ」ザッザッザッ・・・

ウルファ「・・・・・・・・・・・・・・・。物音がしたから・・」

シセ「様子を見に行った所作じゃなかったと思うが?」(腕を組んだまま彼女の前に立つ)

ウルファ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

シセ「みんなが寝静まった夜、こいつが神殿にいない機会なんて、そうそうないからな。何を探っていたんだ?」

ウルファ「そんな決めつけられたら、何も言えないわ!私は本当に様子を見にいっただけ」

シセ「帰ってきて部屋に戻ったか、ムーア」

ムーア「うん。さっき」

シセ「なにか変化はなかったか?机の中とか」(ウルファの顔色を窺いながら)

ムーア「・・・・・・・・・・・・そういえば・・・」(視点主もウルファの顔を見つめる)

ウルファ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(表情ひとつ変えず、こちらをまっすぐ見つめている)

ムーア「・・・・ちょっとだけ・・・・・・・・・」

ウルファ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ん?ん?(とレウス)

ウルファ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ん?ん?

ムーア「・・・・・・・・・なんもなかったかも・・」はぁ~~~~~(同時にシセのため息が)

ウルファ「何を疑っているわけ?シセ」むぅ~~~(とシセを睨む)

シセ「たまたまお前があんな時間に、「仮にも盟主」の部屋から出てくるのを目撃したんだ。怪しむのは「こいつ」の護衛として当然だろう?」ふん

ウルファ「それは私も同じ!侵入者かと思って、慎重に行動していただけ!」

シセ「それにしては、慣れた動きだったが?」(腹立つ顔で)

ウルファ「・・・・・・・ハンターだった頃があったの・・。ちょうど今のあなたと同じくらいの年にね」(こちらを見ながら)

ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・」

ウルファ「いろんな都市や狩猟フィールドを駆け巡ったわ・・・もちろん、たくさんの男たちともね」

シセ「意外だな。君はそういうタイプじゃないと思ってた」(また腹立つ顔で)

ウルファ「そうやって騙してきた」ふふふ

ムーア「どうして歌を?」

ウルファ「子供の頃から歌うのが好きだったの。ドンドルマには立派なステージがあるのよ?いつかそこで歌うのが夢だった・・・・でも、そこまで辿り着く前に・・・・・」

シセ「殺人の容疑・・・と聞いているが?」

ウルファ「・・・・そう。でも、どうしても私が手をくださないといけない相手だった・・」

ムーア「・・復讐?」

ウルファ「そうね。あの男は、私が愛した、たった一人の男を見殺しにしたのだから・・」

シセ「・・・・ハンター時代の話か?」

ウルファ「あの男は彼の親友で、いつも私達にくっついてきた。身なりの悪い、粗暴な男で、借金もたくさんあった。けど、人の良い彼は、そんなあいつを見捨てられないって・・・・狩猟を続けていれば、きっと改心するだろうって、聞かなかったの」

アポロン「お人好しってやつだな」(自慢げな顔で)

ウルファ「フフ・・そうね。ある日、三人で狩猟に出かけた時、今まで遭遇したこともない凶暴な黒角竜を発見したの」

ムーア「黒角竜って?」こそこそ(とアポロンに聞く)

アポロン「だいたい砂漠にいる、でっかい二本角をもった連中さ。あんまり飛ばねぇけど、一応、俺ら(飛竜種)の仲間」

シセ「その亜種が、どうして凶暴だとわかったんだ?」

ウルファ「さぁ・・・ハンターの直感というか・・・とてつもないインテンシティを放っていたの・・・。見ただけで、あれは他とは違う、歴戦の黒角竜だって・・・・」

ムーア「ほえ・・・なんだかしびれる話だね」

アポロン「俺には敵わねぇさ」フン

ウルファ「その黒角竜は、まだ私達に気づいていなかった。だから私は逃げようって、二人にいったんだけど、あの男が倒せば英雄になれるって・・・・無謀にも斬ってかかったの」

シセ「それで返り討ちに?」

ウルファ「ええ・・・・到底、私達が敵う相手じゃなかった。彼はすぐにそれを悟り、逃げようとしたけど・・その時、あいつが無茶をして・・・・・彼が犠牲になったの・・」

ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ウルファ「彼のおかげで私とあいつは逃げ帰ってこれた。彼の尊い命と引き換えにね」

アポロン「ま、狩猟なんてのはだいたいそんな・・・」むぅ!!(台詞の途中で視点主がレウスを睨みつける)

シセ「その後、どうなったんだ?」

ウルファ「あいつは私に悪いと思ったのか、気まずくなったのか、街を出ていった。それでもう終わりだと思っていたの。だから私もあの男を追うことはなく、ハンターは引退して、歌を真剣にやってみることにしたの。歌っているときが、一番、楽になれたしね・・」

シセ「だが、そこで再び、その男が現れたんだな?」

ウルファ「そう。その頃、私は小さな村の酒場の専属の歌い手をしていたの。そこに偶然、あの男がやってきて・・・・・すでに酔っ払っていたあいつは、私を見るなり、許して欲しいと懇願してきたわ。私は昔のことだから、もういいと言っているのに、何度も・・しつこく・・・」

ムーア「自分のことしか考えてない男。最悪」

シセ「きっとその男もずっと心に引っかかっていたのだろう。それで?」

ウルファ「私が気にしていないことをようやく悟ったあいつは、心底気味悪い笑みを浮かべながら、「寂しかったんだろう?」と、事もあろうに私に手を出してきた・・・!!そこから先は怒りであまり覚えていないわ・・・。目の前に「頭をナイフで突き刺された哀れな男」が転がっていただけ」

ムーア「フォーーーーッ!!当然の報いよ!!あたちもウルファとまったく同じことしてると思う」

ウルファ「ありがとう、ムーア」にこ






Recollection No.5_179







ヒュウウウウウウウウ・・・・・(すっかり日が暮れてきたお花畑エリアを通りながら、神殿に帰っていくウルファの後ろ姿を見つめている)


シセ「どう思う?」

ムーア「嘘はついてないと思う」

アポロン「俺もそう思う」(事情をあんま知らないくせに)

シセ「俺の思い過ごしってわけか・・・・・」

??「そうとも限らないぜ」


ガゴン・・・・とっとっとっとっとっ・・・(鉄板に塞がれた崖の洞窟の中から、閉店したお店のシャッターを少しだけ開いて外に出てくる店員方式で「全身黒焦げになったモーガン(もちろん髪型はモコモコパーマ状態)」が姿を見せ、何事もなかったかのようにおもむろにハシゴを降りてくる)


ムーア「どういうこと?」パンパン(黒焦げになった装束を手で払っているモーガンに向かって)

モーガン「過去に嘘はねぇかもしれねぇが、お前の部屋に入った動機に直接関係ねぇ。だろ?」

シセ「昔話で本題をずらされたってことか?」

モーガン「まったくお人好しな連中ばかりだよ。詰めが甘い。特に相手が女の場合はな」(キョトンとしているアポロンを見上げながら)

ムーア「あんたがどう思おうが、あたちはウルファを信じるよ」ふん

モーガン「いいぜ。信じるのがお前の仕事で、疑うのが俺たちガーディアンの仕事だ。なぁ、シセ」

シセ「そうだな・・・。それよりアリの巣計画はどうなんだ?」(崖を見上げながら)

モーガン「突貫工事なら順調だ。もうほとんど繋がっている」フフん(焦げた頭で)

ムーア「シュレイド城の二の舞だけは勘弁よ?」

モーガン「この崖には貴重な鉱石も混じっている。つまり硬度が高いんだ。まさに鉄壁の要塞だよ」

アポロン「テストしたんだぜ?俺を使って。思いっきり火を「吐いて」みたが、びくともしなかった」(崖を見つめる)

ムーア「・・・・・・いけるかな?」(シセ、モーガン、アポロンに向かって)

モーガン「・・・・・・・・・・・・」コツコツ(シセに肘鉄して「上手に返答するよう」催促する)

シセ「防御は完璧だ。あとは・・・・・」

アポロン「俺たちの実力次第ってわけだな」やれやれ(大きい両翼を広げながら)

ムーア「うん。頼りにしてる」(頷きながら恥ずかしそうに目を反らしているモーガン)

モーガン「物理的な防御面はこれでOKだ。神殿内のセキュリティ対策は別としてな」やれやれ

シセ「まぁそう言うな。さて、俺たちもそろそろ戻るか・・・・ん?」(夕暮れ時な空を見上げているアポロンに気づく)

モーガン「また月が恋しいってか?銀火竜が金火竜を想うように?叙情的だねぇ~~お前ら(火竜)は」やれやれ

アポロン「感性も感覚もお前らよりはマシってこと」フン

ムーア「そうだ。アポロン。ボワコフさんからお手紙あったの。あとで読んであげる」

アポロン「じゃあ無事だったんだな!?そっか・・・・モフモフ軍師野郎・・・心配かけやがっ・・・・」(こちらの視線に気づく)

モーガン「ほらみろ。おまけに感傷的だ。涙もろい」

アポロン「てめぇ!!もう勘弁ならねぇ!!」グバッ(目の前でおそろしい口を開けると、喉の奥から煮えたぎる業火の音が)

ムーア「ダメ!!アポロン!!「直(ちょく)」はダメーーーアセアセ


ボウウウウウウウウウン!!
(止める間もなく、火竜の大口より放たれた火球がモーガンに直撃するやいなや、その「もらい衝撃」によりふっ飛ばされる視点主。そしておそらくは「たまたま」近くにいたシセもまた...)


To Be Continued





★次回ストーリーモードは7/12(木)0時更新予定です★