とっとっとっとっとっとっ・・・(夕暮れ映える帰路(ヒンメルン山脈の崖道)から下に広がる橙色に染まった雄大な西シュレイドの景観を偶蹄目らしきパートナーの背上に跨りながら見つめている)


ちら・・(前方に首を向けると、イノみゃんの「前席」に跨ったボワコフのモフモフ外套後ろ姿が映り、彼もまた、ヒンメルンからの夕暮れ時を満喫している様子だ)


ムーア「そうやって、しっかり目に焼き付けているわけ?」とっとっとっ・・



ボワコフ「はいでアリマス」とっとっとっとっとっ・・(前の席にそっぽ向いて乗っている彼が纏っているフワフワ毛皮の外套を見つめる)

ムーア「このコート・・・ポポの・・・。ってことはボワコフさんが生まれた大陸にもポポがいるってことか・・・・だから寒いのも平気なんだ」

ボワコフ「自分たちの故郷は、ヒンメルンの冬がずっと続いているフィールドにあるでアリマス。氷牙竜の顔面に「毒銛」を連投して状態異常になった時の歓びたるや・・・懐かしいでアリマス」

ムーア「・・・・・・・・・・・・・・。行っちゃやだ」

ボワコフ「ダメでアリマス」ぷいっ

ムーア「ケチ」

イノみゃん「ククッ」(本日の彼女は「思い出ストライプ」的な衣装を着ている)


とっとっとっとっとっとっ・・・


ムーア「じゃあ、いつまで?」

ボワコフ「一連の騒動が落ち着くまでは厄介になるでアリマス」

ムーア「だから、だいたい、いつよ?」とっとっとっとっ・・

ボワコフ「自分の中で整理がついたらでアリマス」

ムーア「そんなのいい加減。いきなり出発するのだけはやめてよね。ボワコフさんだって・・いやでしょう?」

ボワコフ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ムーア「ミオンちゃん・・・・無事にシオンに会えたかなぁ・・・」


とっとっとっとっとっとっ・・・


ムーア「いいんだよ・・?追いかけても」

ボワコフ「・・済んだことでアリマス。それにもう、何処にいるのかも・・・・」(遠い目でシュレイドの向こう側を見つめている)

ムーア「ゲンス・ゴンス宛のメモからシオンの匂い嗅ぎ取っちゃうなんてね・・・さすが猫族というか・・・・」

ボワコフ「彼女達は常に本能的でアリマス。きっと再会を果たしているでアリマスよ」とっとっとっとっとっ・・

ムーア「情熱的でもあるのよね・・・シオンも・・・。ほんと意地っ張り。顔くらい見せれば良かったのに」はふぅ~~~~

ボワコフ「それも計画の一部だと?」

ムーア「そう。奇面王はニッキーから、事前に農園の近くに来たら脱獄するよう、指示を受けていたのよ。その証拠に彼らが企てた計画の時間稼ぎに使われていることも承知だった・・」

ボワコフ「ゲンス・ゴンス殿を農園から引き離し、みんなを解放するために・・・」

ムーア「きっとニッキーは、度重なる襲撃をその都度、どこからか見張っていて、ゲンス・ゴンスがどのエリアまでなら農園から離れるか、検証済みだったのよ。だいたいその距離を見計らって、シオンに矢文を飛ばさせた・・・。ミオンちゃんに分かるように、自分の匂いを手紙に残して・・」

ボワコフ「しかしチャンスは他にもあったはずでは?例えばムーア殿らが到着した日などは、二回に渡って襲撃があったでアリマス」

ムーア「あたちと顔を合わせたくなかったのよ。だからあたちをブラック・カーニヴァルの拠点まで行かせて、無事に壊滅させた後を狙ったんでしょ?あたちの性格や行動も考えてね」やれやれ

ボワコフ「一石二鳥を狙ったと?」

ムーア「そういうずる賢い奴なの。ほんっとニッキーって腹が立つ。ちいちゃい頃から、人を自分の思い通りにさせるのが大好きだった。だからそれが叶わなかったお父さんの事を憎んで・・・その逆か・・・その生い立ちが、彼をそうさせたのね・・・・」

ボワコフ「すべてを承知で任務を見事遂行させたムーア殿がいればこそでアリマスよ」

ムーア「フフ・・あたちもそう思う。でもボワコフさんもカッコよかったよ。ミオンちゃんの誘いを断って、自分の役目を果たす為に一緒に来てくれたんだから」

ボワコフ「農園での彼らの実情と、ゲンス・ゴンス殿らの言い分を証言できるのは自分しかいないでアリマスし、何よりもケジメをつける為でアリマス」

ムーア「プリムも逃げた子達は自由の身だって言ってくれたしね。ゲンス・ゴンス達は・・・今頃、極寒の地に到着した頃かなぁ・・。ダニーは細っこいから寒さに耐えられるか心配・・。カリサやフトコフも早く出てこれるといいけど・・・・」

ボワコフ「優しい御方でアリマスね。ムーア殿は」

ムーア「ボワコフさんだって」

イノみゃん「ククッ」


とっとっとっとっとっとっ・・・


ボワコフ「生きていれば、必ずまた逢える日がくるでアリマス」とっとっとっとっ・・

ムーア「うん。ミオンちゃんとも。シオンとニッキーとも・・・・・。ゲンス・ゴンスは・・・・大剣の使い方だけ、ちゃんと教えてもらいたかったなぁ・・」


とっとっとっとっとっとっ・・・






Recollection No.5_150







ぶわっはっはっはっはっはっはっ
(神殿正門側の庭園、お花畑エリアを背景にキャンプファイヤーを囲みながら食事や酒を愉しむ白装束を身に纏った同志諸君(中にはアイルー科の同志達の姿も)を「体育座り&あたたかい目」で見守っている)


モーガン「偉大なるヒンメルンより見上げる星々よ。我に掴まれたくなければ、すべて流れて消えるが良い」(顔を真っ赤にしながらジョッキ片手に天を仰ぎながら、さも雄大に謳ってみせている)

李俊「ひっこんでいるがよい。創造主気取りの酔っぱらい」おお~~~(片膝を立てて酒を嗜みながら韻を踏む彼に歓声があがる)

モーガン「むっ・・・・我こそ同盟の英雄なり!我が弩に尻を狙撃されたくなければ、今すぐ帰れ、東方に!」(ドヤ顔でまくしたてる)

李俊「お前の弾丸、ちゃらんぽらん。撃てば逆戻り。詩歌もろくに詠めないお前の脳みそに」わっはっはっはっはっはっ!!(バカウケする酔いどれ同志諸君)

モーガン「むむっ・・お前なんて大嫌い!!もう共に酒交わさない!!」ぷいっ

ムーア「ププッ!!あんたの負け。さっさと100ゼニー置いて眠りにつけやぁ~、このヘボスナイパぁ~!!その赤ら顔ぉ~!!お酒じゃないのよ、不名誉ぉ~~!!」ぶわっはっはっはっはっはっ!!(たまらず笑い転げる同志諸君も)

モーガン「キィ~~~~~ッ!!!!お前らなんてまるでブー!!モスとファンゴのブーブーブー!!誰か他の奴、勝負しろ!!」チャリぃ~~~んハッ(手持ちの小銭を地面に叩きつけながら)

ルチア「勝つまでやめない執着心。お前が嫌われる原因。草食種も逃走、ここまで届くぞ、その口臭」ギャ~ハハハハハ!!(キャンプファイヤーの片隅にあぐらをかきながら、その隣で微笑むおトキさんと酒を酌み交わしながら)

モーガン「お前らに良心ってもんはねぇのか!?やい、ボワコフ!!俺と勝負しろ!!」(視点主の傍らで「盃タイプ」の酒をゴクゴクやっている彼に挑む)

ボワコフ「自分でアリマスか?」ヒック・・

ムーア「よしなさいよ。ボワコフさんはあんたより遥かに学識があるんだから。これ以上、みっともない姿を晒す気?」

モーガン「うるさいバカ!!あっち言ってろ、あんまんバカ!!」ぎゃはははははは!!

ムーア「あんだってこにょ!!あんた今まで「そういう目」で、あたちを見てたんだな!?」ガバッ(起き上がろうとした視点主を抱きとめるボワコフ)

ボワコフ「よいでアリマス。獣纏族の言霊を嫌というほど浴びせてやるでアリマス」おお~~~~~・・・(酒を一気に飲み干し、立ち上がるボワコフさんに対し)

モーガン「いくぞ・・・・。なんだそれ!!お前の毛皮!!ブッサブッサ!!」もはやただの悪口言ってるだけだなタラー(と視点主)

ボワコフ「鏡を見るでアリマス!!自分の髭こそブッサブッサでアリマス!!」うーーん・・・

モーガン「アリマスアリマス、うるせえぞ!!このブサブサ野郎!!」だからただの・・

ボワコフ「アリマスアリマス!!故郷はいつでも心の中に・・・・・・・・・あるで・・・アリマス・・・・」ぐすん

ムーア「ちょっとタラー

モーガン「故郷か・・・・いいよなぁ・・・・帰る場所があるっていうのは・・・」ぐすん

ムーア「だから」

ボワコフ「わぁ~~はぁ~~ん!!」びくっハッ(突然の号泣にびっくりする視点主)

モーガン「わかるぜ、その気持ち・・・よっしゃ!今宵は潰れるまで一緒に飲み明かそうぜよ!!」はいでアリマス!!(千鳥足のモーガンの背中に飛びつき、そのまま二人してお花畑エリアの方へ消えていく)


アポロン「うるせえぞ!!酔っぱらいども!!こっちゃ~スヤスヤ寝てんだ!!ちったぁ~静かにしろってんだぁ~!!」(お花畑で寝ていた彼がむっくり長い首を伸ばし、モーガンとボワコフさんに一喝かます)

ムーア「ちょっと!!火ぃ吹いてお花を燃やしたら一生絶好だからね!!」はいはい・・(と、再び寝ぼけ首を寝かせる火竜の同志)

吾郎「まぁまぁ、お嬢さん。焼きあんまんでも食べてご機嫌を直してくんなませぇ~」ほれ(と、キャンプファイヤーの中から長串に突き刺さった「焼きあんまん」なるものを差し出してくる。またその背後では、同じく焼きあんまんを「ホフホフ」と猫舌で食べているアイルー科の同志達の姿も)

ムーア「まったく・・モーガンの奴め。ボワコフさんに故郷のことを思い出させやがって」あちち・・(と焼きあんまんを)

吾郎「そうでさぁ~ねぇ~・・・。やっとボワコフもここに「馴染んで」きたところですもんねぇ・・・」しょんげり

ムーア「でしょ?頭も良いし、勇敢だし、頼りがいがある。同盟のメンバーにふさわしい限りじゃない」かんぱぁ~~い(と、お花畑でジョッキを掲げているモーガンとボワコフさんを見つめながら)

吾郎「料理の腕も悪くねぇんですよ・・。特に魚のさばき方がねぇ・・・。きっと、故郷でやってたんでしょうね」はむっ(と焼きあんまんなるものを)

ムーア「だからよ。なんとか引き止めたい」はむっ

吾郎「ははははは。お嬢さんもあきらめが悪い。野郎(ボワコフさんのこと)は、いつまで、ここに?」

ムーア「自分の中で気持ちの整理がついたらだって」はむっ

吾郎「うーーーーん・・・・こういうのはどうでしょう?野郎(ボワコフさんのこと)は真面目で誠実な獣人だ。お嬢さんが、何かあいつにクエストを出して引き止めるってのは?」

ムーア「おほっ!いい考え。なんかあるかな・・」

吾郎「ほら。困ってる事とか、手伝って欲しい事とか、なんかあるでしょうに」ぷにっ(と、急かすように肉球を視点主の頬に押し当ててくる)

ムーア「うーーーーん・・・・神殿のお掃除とかじゃメイド軍団と同じだし・・・」おニョ~~ホホホ(と、遠くで雑談を楽しんでいるおトキさんはじめ、メイドネコ達を見つめながら)

吾郎「あっ!そうだ!」ぽん(と手のひらを)

ムーア「なによ?ネコが豆鉄砲喰らったみたいな顔して」

吾郎「遠征した時、大剣を失ったそうで」

ムーア「え?そうだけど・・」

吾郎「新しい大剣探しにでも誘ってみてはどうです?ほれ、野郎(ボワコフさんのこと)はああ見えて、武闘派出身です。冒険心をくすぐれば、きっと誘いに乗りますよ」ぷにっ(と今度は視点主のでこに)

ムーア「さっすが名参謀!!今宵の星月夜!!あたちの心もキラキラよ!!」ぷにっぷにっ(満面の笑顔で視点主のでこに「フミフミ」してくる愛らしい板長アイルー)


To Be Continued






★次回ストーリーモードは4/1(木)0時更新予定です★