パチパチパチパチパチ・・炎(と薪木が燃えるキャンプファイヤーの前で「おとなしく」体育座りしている視点の主)


ムーア「・・・・くっちゃら・・くっちゃら・・・」パチパチパチ・・炎(おそらく「おねむ」なのだろう。虚ろな視界におぼろげな炎が揺らいでいる)


ずごごごごご・・・・こっくり・・こっくり・・・(横を向くと同じく火にあたっているヴィルヘルムとキンババが肩を寄せ合いながら、あぐらをかいた姿勢のまま仲良く眠りほうけている)


ムーア「フフッ」(その光景を見て「あざ笑う」)


ザッザッザッザッ・・・(コーンロウポニーテールがクールな黒人女性の傭兵がキャンプファイヤーの横を歩いてくる)


カリサ「そこで寝るつもりか?王都のモーテルとまではいかないが、あたしのバンガローで良ければ、あんた一人くらいは歓迎するよ」グッ(おそらくアルコールが入っているのであろう木製ジョッキを一気に飲み干す)

ムーア「ありがとう。でも用心棒が見張ってないとこいつら寝れないから」ずごぉ~~~~!!んごごごごご!!(その意見に反論するようにヴィルヘルムのいびきが)

カリサ「いつも一緒なのかい?」んごぉ・・・・(返事をするように)

ムーア「幼馴染みたいな感じかな・・・気がつけば、西海岸まで来てた。ははははは」

カリサ「衛兵の新米・・・って格好には見えないけど?」よっ(と、あぐらをかいて座る)

ムーア「外街の民兵ってところかな。王女様の側近にやっすいゼニーで頼まれたのよ」ずごぉ~~~~!!(同意するようにヴィルヘルムが)

カリサ「クイーン・ドラグライトだっけ?好き勝手やってたババアを追い出したんでしょ?大したもんね」

ムーア「あたちもそう思う」ずごごごごごごごご!!(ここ一番にヴィルヘルムも)

カリサ「ま、王都の政なんてあたしらに関係ないけどね」ふぁ~~~あ

ムーア「ここへ来て長いの?」

カリサ「まぁね。ここにいる連中は、みんな古株だよ」ごしごし(眠いのだろう、目をこすっている)

ムーア「今回のような畑荒らしは前にも?」

カリサ「しょっちゅうさ・・・あたしらがここに来た頃は、獣人共の集落がちらほらあったしね・・・それを全部潰して、捕虜にしてね・・・・・あとは逃げないように働かせるだけで、のらりくらり飯が食えるんだ・・・」こっくり・・こっくり・・

ムーア「・・モンスターは?」

カリサ「ん・・・?西側は出ないって聞いたけど・・・まさか西竜洋の海竜共も寄り付かないなんてね・・・うちのボスは「ゲンス・ゴンス様が怖いからだ」なんて言ってるけどさ・・・ふふふ・・」こっくり・・こっくり・・

ムーア「ブラック・カーニヴァルはここを拠点にして、王都を占拠するつもりだって聞いたけど、その情報源は?」

カリサ「・・とっ捕まえたチャチャブー・・・・」こっくり・・こっくり・・

ムーア「今もいるの?」

カリサ「・・・・・死んだ・・・・作戦を豪語しながら・・自分で喉を包丁で掻っ切りやがった・・」ガクン(うつむきながら首を眠気で落とす)


ザッザッザッザッザッザッ・・(カリサの後方に見えるバンガローの方から、パイナップルヘアーの太っちょ傭兵が毛皮の毛布を片手に歩いてくる)


フトコフ「・・・・・・・・・・・・・・・」ぼすんDASH!(仏頂面のまま、寝ているカリサを見つめながら、こちらに向かって毛布を投げてくる)

ムーア「ありがとう。フトコフ」

フトコフ「・・・・・・・・・・・・・・・」ふん


よいしょっとな・・(と、フトコフはおもむろに寝ているカリサを肩に担ぎ上げる)


ムーア「ゲンス・ゴンスもまだ勝利の美酒に酔いしれたまま?」

フトコフ「・・・・・・・・・・・・・・・」ふん

ムーア「夜襲が来る恐れは?今日の今日だからこそ、ってパターンも・・」


ずいっ(目の前に、きったならしい無骨ふっとっちょな顔が)


フトコフ「だとしてもゲンス・ゴンス隊が蹴散らす。てめぇは自分の身を守ることだけを考えな」ぶはぁ~~~~~~

ムーア「うわぁ!!くせぇアセアセ」モワモワモワモワモワ

フトコフ「・・・・・・・・・・・・・・・」ふん


ザッザッザッザッザッザッ・・


ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ケホッケホッ・・



ザザァ~~~~~~~~ン・・・・(すっかり静寂した広大なバナナ農園の向こう側から波音が)



にょっにょっにょっにょっ・・・・(振り返ると慎重に匍匐前進してくる獣纏族が、その茶色の毛皮を活かしながら闇に同化しつつ、向かいに見えるバンガローからは死角になっているキャンプファイヤーの火元に接近してくる)



ボワコフ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」こくこく(うつ伏せ状態のまま、顔を上げて頷く)

ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・」うむ(えっらそうにひと頷きかますと)


ぎゅむっ(地面の砂(現地が海岸近くであることから海砂混じりの)を一握り)


バサッDASH!(キャンプファイヤーの死角を活かし、眠りこけている二人の俯いている顔に向かって、「ソフトボールのピッチング方式」で砂を勢いよく投げつける)


キンババ「ブーーーーッ!!ゲホッゲホッ!!あ、ごめんごめんアセアセ」(顔の砂を払いながら)

ヴィルヘルム「ん・・・バナナビールの次は、なんだか味のない塩でも食わせるつもりか・・?」じゃりじゃりじゃり

ムーア「あたちらだけで話しているフリを」へい(と二人)

ボワコフ「向こうもみんな寝たでアリマス」(と、うつ伏せのまま目配せする方向には、労働者である獣人達がひとまとめに収容されているのであろう、見るからに倉庫も兼用している大型の木小屋が)

ムーア「怪我人は?」

ボワコフ「幸いにも被弾したものはいないでアリマス。かすり傷の子供が数人いましたが、ミオン殿が看護してくれたでアリマス」

ムーア「経験が?」

ボワコフ「彼女が生まれ育った集落より代々伝わる、秘伝の医療術を受け継いでおられると。頼りになるお方でアリマス」

ムーア「フフ。好きなんでしょ?」

ボワコフ「・・・・・・・・・・・・・・・・」かぁ~~~~~~~(毛皮の奥の顔がマグマのようにまっちんちんに赤く火照る)

ヴィルヘルム「女ってのは所構わず恋バナしたがる。いいか?今この農園は奇面族を中心とするゲリラの脅威にさらされているんだぞ?過酷な戦地を見てきたばかりだってのに、何を呑気に雑談なんか・・・・」ずごごごごご・・・ZZZZZ(きれいに喋っている最中、突然すんごい睡魔に襲われ再び堕ちていく)

ムーア「・・・・・・。ブラック・カーニヴァルの実際の兵力って分かる?」

ボワコフ「不明でアリマス。なにぶん、彼奴らは「潜る」ことも可能なので」

キンババ「まさに神出鬼没。本隊以外にも部隊があるのは間違いなさそうだ」やれやれ

ボワコフ「おそらくは。彼奴らは獣人種による人類社会からの独立、分離主義を訴えながら各地を転々とし、増兵を繰り返しつつ西側に入ってきたとか」

キンババ「王都の民主化運動が警戒を甘くしたってことかい?」

ムーア「むしろ強化されてたわよ。ブラック・カーニヴァルは王都の動きに合わせて移動してきたのよ」

キンババ「内通者がいるってことか・・」ふむ・・

ムーア「シオンのお父さん・・・ほら、ここの農場の持ち主。プラウズ家の頭首から財布を盗んだメラルーも仲間かもしれない」

ボワコフ「なんと・・・既に仲間を王都に潜伏させていたとは・・」

キンババ「すぐにプリムに知らせた方がいい。ボワコフさん、ここから王都へ連絡を取る一番早い手段は?」

ボワコフ「伝書鳩がアリマス。非常事態に備え、鳩小屋も自分が管理しているでアリマスが、勝手に鳩を飛ばしたとあれば・・」

ムーア「明日、ゲンス・ゴンスに直接聞いてみる。今日起きた戦闘の戦況報告をするっていう目的なら、何の疑いもなく許可をくれるはず。同時にガーディアンのスクワッドも要請するわ。今日みたいな攻撃を何回も繰り返されたら、みんなが危険でしょ?ゲンス・ゴンス達は戦闘を楽しんでいる。彼らを守るつもりなんて毛頭ないのよ」

ボワコフ「護衛がついてくれれば我々も助かるでアリマス」

ムーア「ここが安全だと分かれば、ミオンちゃんも逃亡をしないで済むしね」

ボワコフ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ムーア「分かってる。彼女たちが限界だってことも。だから王都のガーディアン達にもここの現状をその目で見せる必要があるのよ」

キンババ「でもそれを知ったらプリムも来るって言い出さないかい?」

ムーア「手紙で説得する。戦う女王様っていうのもクールだけど何かあったら大変でしょ?それにあの子、武芸の方はさっぱりだし。クリスマスの二の舞だけは勘弁」やれやれ

ボコワフ「クイーン・ドラグライト・・・・きっと女王様も立派な人なのでしょうね」

キンババ「『も』って、まさか彼女(こちらを見ながら)の事も?いやいや。こっちは全然ちがっ・・うっ!!」ゴスッハッ(視点主の鋭いフックが脇腹に入り、たまらず泡を吹きながら膝から崩れ落ちる)

ムーア「神殿からも応援をよこしてもらうようプリムに頼んでみる」

キンババ「そりゃいい。ルチアさん達が来てくれればコンガに金棒だよ」(泡を拭いながら起き上がる)

ムーア「その例えをルチアが聞いたら、さっきのとは比べ物にならないくらいのパンチを顔面に喰らうと思うけど・・・ゲリラ戦に向いている人材を派遣してもらうつもりよ。と言っても二人くらいしか浮かばないけど」

キンババ「妙案だと思う。信頼できる人が多いに越したことないよ」

ムーア「OK。そしたらゲンス・ゴンス達がいびきかいているうちに今日のところは・・・・」



フォッ



ムーア「!?」(音がする方向を見上げた瞬間、闇夜の上空より火炎瓶らしき物体が炎の灯りを揺らめかせながら農園に落下していく)



パキャーーーーーーーン
ンボオオオオオオオオ!!

(瓶が割れる音と同時に飛散した油によってバナナの木々が瞬くに炎上していく)



ムーア「敵襲だぁああああああ!!!!!起きろぉおおおおおおおお!!!!!!」ヒョウウウウウウウウン!!(号令をあげる上空からは更に無数の火炎瓶が)






Recollection No.5_137






ムーア「キンババはゲンス・ゴンス達を!!ボワコフさんはみんなを守って!!」分かった!!はいでアリマス!!(キンババは猛ダッシュでバンガローへ、ボワコフは四足走行をもって倉庫の方へ駆けつけていく)


パキャーーーーーーン
パキャーーーーーーン
ンボオオオオオオオオ!!

(振り返ると目の前のバナナ農園が次々と飛来してくる火炎瓶によって炎上を拡大させられていく)


ムーア「クソッ・・!!」ンボオオオオオオオ!!(猛り狂った焔が視点主を挑発するように高く燃え上がる)


ボオオオオオオオオオン!!
(ひときわ高く燃え上がる炎の中から二人の猫型シルエットが浮かび上がってくる)


ムーア「!?」


首切りのハッチ「我は右将軍、首切りのハッチ!!見た者すべての首を刎ねてみせようぞ!!」(大柄筋肉質な茶メラルーが大鎌を片手に参上する)

宵闇のオートン「同じく我は左将軍、人呼んで宵闇のオートン!!闇と共に表れ夜明けと共に去る!!日の出と共に現れるは貴様ら人型のみによる死体の山ぞよ!!」(両手にハンドアックスを握ったこちらも大型筋肉質な黒アイルーがよだれを垂らしながら参上し、ハッチと背中を合わせながら武器を構え、謎の臨戦態勢ポージングをとる)

ムーア「はぁ?」きょとん


To Be Continued






★次回ストーリーモードは2/15(月)0時更新予定です★