ブワッサ・・・ブワッサ・・・
(上空から聞こえる飛竜種の羽ばたきを追うように山林を一足先に駆け上がっていくヴィルヘルムに続いていく)


ムーア「キンババ!しっかり!!」(振り返り、枝の杖をつきながら「ひいこら」と必死についてくる彼に向かって檄を飛ばす)

キンババ「僕には構わず君たちだけでも・・」ひいひいアセアセ

ムーア「ん~~~~~っムカムカ」グイッDASH!(馬鹿力でキンババの手首を捻り上げながら掴むと引きずるように引っ張っていく。後ろからは「手がちぎれる~~~アセアセ」の叫びが)

ヴィルヘルム「こっちだ!」(頂上付近へ辿り着いた彼が木々越しに手招きしている)

ムーア「見つけた!?」ザッ(登り切るとそこは見晴らしの良い尾根になっており、ヴィルヘルムは双眼鏡で反対側の山腹に広がる森林地帯をくまなく調べている)

キンババ「はぁ・・はぁ・・いい双眼鏡だね・・うちのお父さんのよりも・・」黙って(と視点の主)

ヴィルヘルム「・・・・・・・いたぞ!来い!!」ズザザザザザDASH!(急斜面を物ともせず滑り降りていく)

キンババ「嘘でしょ!?彼、いつからモンスターハンターに・・」

ムーア「あたちらも行くよ」グイッDASH!(再び手首を捻り上げながら)

キンババ「やぁ~~だぁ~~アセアセまだ死にたくなぁ~~い!!」


ズザザザザザザザザザ!!
(剥き出しになった花崗岩の急斜面を優れた体幹をもって急滑降していく)


キンババ「いぎゃあああああああああああああ!!!!」(耳元から彼の断末魔のあれが)

ムーア「楽しいじゃない!?ほら!!いつかのクリスマスパーティー!!神殿の近くでスキーしたの覚えてる!?あの時と一緒よ!!」ズザザザザザザ!!

キンババ「ぜんぜんちがぁ~~~う!!それにあの時も君たちが無茶をしたせいで、雪崩に巻き込まれたぁ~~!!」

ムーア「そうだっけ・・・・ん?」


ズザザザザザザザザザ!!
(目の前にジャンプ台のような滑らかな岩が見えてくる)


ムーア「しっかり掴まって!!」ズザザザザザザ!!

キンババ「ぎいいいいいいいい!!!!!」ガシッハッ(背後から左腕を伸ばしてきて、視点の主の首を絞めるように(ほぼチョークスリーパー)しがみついてくる)

ムーア「ぎゃああああああああああ!!!!!」ズザザザザザザ!!(首を絞められ、ほぼ白目を剥いたジェットコースター視点に大岩が迫りくる)



フオ~~~~~~~~~んうずまき
(滑降の勢いそのままに、まるで一流モーグル選手のような華麗なバックフリップ(後転)を見せながら、そのまま目下に広がる樹林帯へと急降下していく)



ムーア&キンババ「ぎゃあああああああああああ!!!!!!」ヒュおおおおおおおおDASH!(目前に刻々と迫りくる樹木の「痛そうな」枝々)



バススススススススススハッ
ワシャシャシャシャシャシャDASH!

(枝枝に擦られながら複合的な摩擦音と共に落下の速度も緩くなっていく)



ずでぇ~~~~~~~んハッ
(運良く無事に山林内へ尻もち着地)



ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ピヨピヨピヨキラキラ(おそらくは道中、鳥系の環境生物の雛が頭に引っかかってきたのだろう。視点の主は視界一面に映る原生林の中、ただただ呆けている)


ピヨピヨ・・ピヨピヨ・・ヒヨコ
(その声にようやく気づいたのか、そっと頭に手を伸ばし、ぷっくりした雛を優しく両手で包み込む)


ぴきょ~~~~~~~っムカムカ
(我が子に気づいた親鳥が凄まじい勢いで急降下してくるなり、嘴で雛を咥えあげるとそのまま飛んでいってしまう)


ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・はっハッ


バッ!!(慌てて背後を見る)


キンババ「ぼう・・君とは一緒に・・滑らない・・」(うつ伏せ棒状態のまま倒れている。もちろん自慢のモコモコパーマは爆発しきっており、所々に枝やにが虫がくっついている)






Recollection No.5_63






へぇ・・へぇ・・アセアセ(と、息をつくキンババの肩を支えながら樹海の中を歩いていくと、山賊のような格好をしたヴィルヘルムが腕を組みながらこちらを楽しげな目で眺めている)


ムーア「この場所でその格好。マジで笑えないから」うんうん(と横で頷くキンババ)

ヴィルヘルム「谷まで落っこちてきたみたいだな」はっはっはっはっ(と呑気に)

ムーア「リオレウスは?」へぇ・・へぇ・・

ヴィルヘルム「見失った」(自慢気に)

キンババ「なぁ~~もぉ~~~ムカムカ死ぬ思いをして損した!!」ぎぃ~~~~っムカムカ

ヴィルヘルム「でもよ、たぶん巣は近いぞ」スリスリ(水晶ドクロを懐から取り出し、頭を撫でている)

ムーア「まさかお告げだとか言わないでよね」うんうん

ヴィルヘルム「面白いもんを見つけたんだ。ついてこい」ザッ

ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・」はぁ・・(と、くたびれたキンババと顔を見合わせる)


ザッザッザッザッ・・・(前を行くヴィルヘルムの後から引き続きキンババの肩を支えながら、古代よりその姿を変えていない少し不気味な原生林を歩いていく)


ムーア「なんか採取していく?」今は遠慮しておくよ・・(とぐったり気味のキンババ)

ヴィルヘルム「鼻をつまんでおけ」ザッザッザッザッ

ムーア「はぁ?・・・・・って、くさっアセアセ」ケホッケホッDASH!

キンババ「このニオイって・・・」


ぽへぇ~~~~~~~~んキラキラ
(土面にそれはもう「できたて」のモンスターのフンが)


ムーア「でっか!!」

キンババ「うん・・それに健康状態も良さそうだ・・」ふむ・・

ヴィルヘルム「な?おもしれぇだろ?火竜が近くにいる証拠だ」つんつん(と木の枝であれを)

ムーア「・・・・・・ちょっと待って。ここだけじゃない・・・あそこにも、ほら。その向こうにも」(指差す木々の向こう側にも「こんもりしたあれ」が見え、また所々にもあれが散らばっていることに気づく)

ヴィルヘルム「でも「新品」はこいつだけだぞ。きっとここが奴の便所なのさ」ガッハッハッハッハッ

ムーア「あんた達みたいな男子って、ほんとに(うんちのこと)好きだよね。って、・・これって・・・」ザッザッザッザッ(と、ヴィルヘルムは勝手に遠くの方へ歩いて行ってしまう)

キンババ「においで外敵を寄せ付けないためだろうね。でも、リオレウスは食物連鎖の中でもトップの方に君臨しているって、書士隊が記した写本には書いてあったけど・・・」ずでぇ~~んハッ(遠くにいったヴィルヘルムが地面につまづき、前のめりに豪快に転ぶ)

ムーア「だとすれば子供を守るため・・と考えるのが妥当だけど・・・」ふむ・・(遠くのヴィルヘルムは顔面をおさえながら、自分を「転ばせた」地面を恨めしそうな顔で確認している)

キンババ「なら危険だよ。僕らは完全に彼らのテリトリー内にいるってことだ」きょろきょろ

ムーア「こんなことなら練習用に使ってるボーンブレイドを持ってくれば良かった」はぁ~~(視界の向こう側に見えるヴィルヘルムは地面の何かに気づいたのか、まるで犬のように慌てて地面を掘り起こしていく)

キンババ「ああ、ヴィルヘルムのお父さんから貰ったっていう狩猟武器のことかい?」

ムーア「そっ。大剣(グレートソード)っていうのよ♪ドンドルマから来た行商人から買ったんだって。中古だけど本物よ♪」(地中の何かを掘り当てたのか、ヴィルヘルムは大げさに驚愕モーションをしている)

キンババ「へぇ~。でもおトキさんがうるさいんじゃない?」

ムーア「そうなの。だから倉庫に隠してさ、そこで練習してる」(ヴィルヘルムは必死にあたり一面の土を削り上げていく)

キンババ「ルチアさんは?」

ムーア「うーーん・・本当はルチアに指導してもらうのが一番いいんだけどね・・。ルチアも結局は「おトキさん派」だから、告げ口されたらまずいでしょ?だからお父さんの武芸書だけが頼りってわけ」(尚もヴィルヘルムは発掘作業に夢中になっている)

キンババ「小さい頃から愛読しているんだよね」

ムーア「うん。て言っても、あんまり読める箇所は残っていないけどね」はぁ~~

キンババ「そうか・・君のお父さんとお母さんは雪崩で・・・・君ならきっとモンスターハンターになれるよ。けど、今すぐ狩猟っていうのは困るけどね」あははははは(と爽快に笑う視点の主)

ヴィルヘルム「おい!!大変だ!!今度はマジの大発見だぞ!!」(四つん這いになったままこちらに向かって手招きしている)

ムーア「なに?もっとでっかいの見つけたわけ?」ザッザッザッザッ・・

キンババ「いいから早く来い!!」

ムーア「だから何を・・・・・・・・・・・・・!!!!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(掘り返された地中からは、大型生物の白骨化した頭蓋骨の一部が確認できる)



キンババ「これは・・・・・」

ムーア「もっと掘ってみよう!!」ザッ



ザッザッザッザッザッザッザッ!!
(三人で掘り進めていくと、次第に頭蓋骨の姿が露わになっていき、それが飛竜系のものであることが見て取れる)



キンババ「間違いないよ!!これはリオレウスだ!!」

ヴィルヘルム「な!?大発見だろ!!」ザッザッザッザッ!!(視点の主とキンババが手を止める中、彼だけは更に範囲を広げて土をかいていく)

ムーア「でもちょっと待って・・・・こんな浅い場所に埋まっているってことは、誰かが埋めたってことでしょ?」

キンババ「確かに・・・人為的な埋め方であるのは間違いない。まだ土も柔らかいしね・・」ふむ・・

ヴィルヘルム「なんだっていいさ!!こいつを掘り返してよ、アカデミーの連中に高値で売ってやろうぜ!!って、おい!!もう一頭埋まってるぞ!!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(下を見ると火竜の頭蓋骨に寄り添うように、同じ飛竜種の頭蓋骨の一部が埋まっているのが確認できる)


ムーア「つがい・・・・」

キンババ「雌火竜・・・・リオレイアだよ。これは本当に大発見かも・・」

ムーア「・・・もしかして・・・この二人は・・・・・・・・・」ハッ!?(と何かの気配に気づいたかのように素早く顔を見上げる)




ギュオオオオオオオオオオン!!
ズシャアアアアアアアアアン!!

(突如、上空より「毒爪強襲の要領で」急降下してきたリオレウスが一同の目の前に立ち塞がり、その風圧によって視点の主は思わずたじろいでしまう)




てめぇら!!勝手にひとんちの墓荒らしてんじゃねぇ!!

ムーア「嘘・・・」



ボギャアアアアアアアアア!!
(動揺している間もなく、火竜の大咆哮により、すってんころりん今度は地面を後転していく視点の主。おそらくは他の二人もまた....)



To Be Continued







★次回ストーリーモードは5/14(木)0時更新予定です★