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ホワンホワンホワンホワン











ホワンホワンホワンホワン













目覚めよ。キャロルムーア・ロザリーよ













パチッハッ(覚醒するように刮目すると真っ先に眩い閃光が視界を覆い尽くしてくる)






ムーア「ううう・・・・まぶちい・・・・」(嫌がるようにちいちゃい手で顔を覆う)





ホワンホワンホワンホワン
(手のひらをかざしながら、意識がだんだんと回復してくると、先程から一定のリズムを保ちながら聞こえてくる奇妙な音に改めて気づく)




ホワンホワンホワンホワン
(恐る恐る手をどけて見ると、視界いっぱいに真っ白な世界が広がっており、その中心の遥か彼方より煌煌たる無数の光芒を放つ輝星から円を描いた波動が音のBPMに合わせながら均等な間を置いては、こちらに向かって連続的に放たれて続けている)





スッ・・(飛んでくる波動を掴まえようと「ムクムクな右手」を掲げてみる)



ぽうん・・(弾むように手のひらに衝突した波動は、すぐさまその形を丸い水滴のような気体に変化させると、ぷわぷわと浮かんでいってしまう)



ムーア「あんまん・・・・食べたい・・」


するっ・・ぷわり・・(起き上がろうと試みるも手足が空を切り、再びその場に留まるように浮揚してしまう)


ムーア「むぅ・・・」ぷわりぷわり


ふおん・・(浮かんだまま前かがみに両手で両膝を掴み、でんぐり返しをするように前方向へ一回転しながら360度の視界を覗いてみると案の定、何処も彼処も虚無な白い空間だけが広がっており、また、それがどのくらいの距離で続いているのかすら計り知れない)


ムーア「ほえ・・・・あたち、ちんじゃったか?」ぱちくり


ホワンホワンホワンホワン
(どこか安心感を覚える波動の音に諭されたかのように光を発する綺羅星を見つめる)


ムーア「おいで・・?よち。わかった」


ぷわぷわぷわぷわ
ホワンホワンホワンホワン

(白い世界の空間を「平泳ぎの要領」でひたすら真っすぐ綺羅星の方向へ進んでいく)


ムーア「はぁ・・はぁ・・・アセアセ」パタパタパタ


ぷわぷわぷわぷわ
ホワンホワンホワンホワン

(幼女がいくら頑張って進んでいこうとも綺羅星との距離は一向に縮まっていかない)


ムーア「あんだこにょ!!」ブッアセアセ(必殺「癇癪ツバ吐き」)


ぷわぷわぷわぷわ(唾液の水滴が虚しく宙を浮かんでいく)


ムーア「わああああああああん!!ルチア~~!!エシュタ~~!!オトキしゃああああああん!!」


ホワンホワンホワンホワン
ぷわぷわぷわぷわ

(波動の音だけが聞こえる世界に今度は涙の雫が舞い上がっていく)


ムーア「パーパ!!!!ママぁああああああああ!!!!!」




ドウン・・
(空間全体に轟く「動力の停止音」が幼女の全身に響き渡る)



ぐすんぐすん・・(ムクムクしたお手で涙を拭いながら潤んだ視界で前方を覗くと、綺羅星から放出された無数の光芒と波動がまるで時間が止まったかのように固定したまま空間に留まっているのが確認できる)


ごしごしごし(目をグリグリしながらその珍妙な光景を眺めている)




ムーア




ムーア「!?」バッバッ!!(名前を呼ばれ周囲を見渡すも白妙の世界には誰の姿も見えない)




キャロルムーア・ロザリー 私の愛しい子




ムーア「・・・・・・・・・・・・ママ・・」(その声が遠くで輝く綺羅星からのものであると悟る)




そうよ。私はアースラ・ベアトリクス・ウルバン。
あなたのママよ。




ムーア「ママ・・・・・お星様・・・・・」




そうね。あなたの目にはそう映っているのかも。




ムーア「ほえ・・・・」




今日はね、ムーア。あなたにお話があってきたの。




ムーア「いいよ。言ってご覧」




うふふふ。おかしな子ね、あなたは。
いい?ムーア。これからママが言うことをよく聞いてね。




ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・」うん




近い将来・・・そう、あなたの未来を食べようと企んでいる悪い黒い龍が舞い降りてくるの。




ムーア「あたちの未来を・・・食べる・・・」




そうよ。その黒い龍はあなたの夢と希望を食べるために神殿へやって来る。
もちろん、あなたの大切な家族も食べるために。




ムーア「うう・・こわいなタラー




うん、こわいよね。ママとパパもすごくこわかった。




ムーア「じゃあ・・・ママとパパは・・・・」




残念だけど、その黒い龍に殺されてしまったの。
パパとママは自分たちの運命に気づくのが遅かったのよ。




ムーア「うんめい・・・・」





運命の戦争とも呼ばれる黒い邪龍。
名前はマモーナス。
他者の強欲に飢えた恐ろしい存在よ。




ムーア「しょんな悪い龍、あたちがやっつけてやる!!!!」




ありがとう、ムーア。あなたならきっとそう言ってくれると思ったわ。
だからね、ママがマモーナスに負けない方法を教えてあげる。




ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フンフンDASH!(憤りをあらわにした荒い鼻息と共に深く何度も頷く)




よく聞いて、ムーア。
マモーナスはあなたを食べることができないの。
つまり、あなただけがマモーナスを倒せる存在なのよ。
だからマモーナスは、なんとしてもあなたを倒そうと悪知恵を働かせてくるに違いないわ。



ムーア「どうすればパパとママの敵を討てるか!?」




焦ってはダメ。
それこそマモーナスの思うつぼよ。
マモーナスは穢れた強い願いをエネルギーにするの。
だからあなたは、何があってもマモーナスの誘惑に乗っては駄目。
あなたのことを大切に思ってくれている人たち、そしてこれから出逢っていく、たくさんのかけがえのない人たちを守りなさい。
それが唯一、マモーナスに負けない方法よ。




ムーア「でもでも!!あたちは許ちぇない!!あたちのママとパパをころちた悪い龍をじぇったいに許ちゃない!!!!あたちが黒い龍をころちてやるんだ!!!!!」




嗚呼・・ムーア・・・・
パパ・・アーロン・ロザリーに負けないくらい勇敢な子に育ったわね。
できれば今すぐあなたを抱きしめたい・・・
愛しているわ、キャロルムーア・ロザリー





ムーア「ママ!!いっちゃだめ!!!!」





ママと約束して。
今日ここで話したことを守るって。
大人になってもしっかりと覚えていてほしいの。
あなたならパパとママが果たせなかった運命に希望をもたらすことができるわ。





ムーア「ママぁあああああああああああ!!!!!!!」





さぁ、おかえりなさい
あなたのことが大好きな家族のもとへ・・・・






ムーア「わぁあああああああああん!!!!!
いっちゃだめええええええええええ!!!!!!
ママぁあああああああああああ!!!!!!!」





あなたに白き導きが訪れますように・・・














Recollection No.5_06
~ママとの約束~














「ムーア!!おい、ムーーア!!」





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「お嬢様!!起きてくださいまし!!」





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パチっハッ





ルチア「ムーア!!心配させやがって・・」

おトキ「良かった・・・・」



むくっ(一同が安堵感に浸る様子を気にもとめず逞しく立ち上がる)



おトキ「お嬢・・様・・?」


ムーア「マモーナシュ。ママとパパの仇」(見上げる太陽に復讐を誓う幼女)



To Be Continued






★次回ストーリーモードは10/14(月)0時更新予定です★