ゴオオオオオオオオオオ!!
(燃えたぎる黒焔の大業火が神殿エリアを覆い尽くしていく)
ガシッ・・ガシッ・・(階段状になった神殿の外壁を登っていく雷狼竜が、目下で広がる黒い炎の海を見下ろしている)
アイオロス「何故だ・・・何故これ以上仕掛けてこないんだ・・」クッ(上を見上げる)
ゴオオオオオオオオオオ・・・・
(皆既日食による本影錐の翳りに覆われた漆黒の空に浮かぶ邪龍が、下から沸き起こる灼熱の密度が齎す陽炎の揺らめきに混じり、その邪険な姿をより一層異形に見せている)
??「何かを待っているようだ」
アイオロス「!?」バッ
テツ「捉えた獲物を確実に捕まえる為、じっと構える・・・捕食前の俺達のようにな」むんずっ(外壁をよじ登ってくる金毛獣王)
アイオロス「・・・・・・お嬢さん達が心配だ。急ごう」
メラメラメラメラメラメラメラメラ
(外壁南側、頂上部付近の一画に「黒焔煙」に覆われた火災が起きており、フィールド全体を包み込むモノクロの世界と墨染の炎が入り混じり、頽廃した異空間を演出している)
カーブー「なんだ・・・この黒い炎は・・・・まるで・・・絶望の色じゃないか・・・」(自身でしか視ることのできない観察眼をもって思わず口走ってしまう)
ロージー「うっ・・・・・ポールさん・・・・ポールさんは!?」ガバッ
たしっ(ロージーの肩を掴む白いグローブに包まれた手)
王羽美「・・・・・・・・・・・・・・」(答えを指し示すようにゆっくりと首を左右に振る)
ロージー「そんな・・・・」
ボオオオオオオオオオ・・・・
ゴロン・・・ゴロン・・・・・
(烈々と燃え続ける黒炎の中より、焼け爛れた人型の躯が、階段状になった外壁をだらしなく鈍い音をたてながら転げ落ちてくる)
ロージー「!!」
ダッ(いち早くそれに反応したウーメイが駆け寄る)
パシッ(黒焦げの亡骸をすくいあげるように腕を引っ張り、身を屈めて抱き寄せるウーメイ)
王羽美「・・・・・・・・・・・・・」(眉にしわを寄せ、躯の身元を確認するようにそれを上から覗き込む)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(毛髪はすべて燃え尽き、目玉があったはずの眼窩は「ぼっかりと」黒く染まり、体中の水分がすべて蒸発しきってしまったのであろう、密度の高い炭のように凝縮してしまったか細い身体の胴体には、黒焦げになったユクモノドウギの切れ端が僅かに「引っ付いている」のが確認できる)
王羽美「リックさん・・・・・・・・・そんなっ・・・・・!!」ギュッ
ファオオオオオオオオオ・・・・・・
(抱きしめたリックの躯は瞬く間に乾いた灰と化し、消失(ロスト)してしまう)
王羽美「・・・・・・・!!!!」(舞い上がる生命の塵灰を肌で感じながらも、直情的に込み上げて止まない慟哭を制御する為、唇を破裂せんばかりに強く噛みしめ、眉が崩れ落ちんばかりに顔の筋肉を凝縮させ、身魂血気の黙祷を捧げる)
カーブー「・・・・・・・・・・・・・」(その光景から目を背けるように鬱屈した空を見上げる)
ブワッサ・・ブワッサ・・・
(上空に浮かぶ黒い飛竜の姿)
カーブー「未知なる飛竜・・・UNKNOWN・・。あいつが導いたのか・・・この終焉を・・・」
フレデリック「川村。しっかりしろ。ジーナを追うぞ」
カーブー「ジーナ・・・・アンジェリカの幻影・・・・・」
ロージー「待って!!お兄ちゃん!!ポールさんを助けないの!?」
カーブー「・・・・・行こう。フレデリック」
ドスンドスンドスン・・
(燃えたぎる黒焔を避けるように迂回しながら神殿の西側へと消えていく紫水獣)
ロージー「薄情者・・・・あんなお兄ちゃん・・・お兄ちゃんじゃない・・!!」ガクン・・(失望と共に落胆しながら両膝をつく主人を憐れむように左肩の上からそっと頬を撫でるドスビスカスの相棒)
あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”・・・
(項垂れるロージーの下から亡者のような邪龍教徒の猫達が、外壁をゾロゾロと這いつくばりながらよじ登ってくる)
アイアンロック「しつけぇ野郎共だ!!」バスーーーーン(族長の大剣を振り回して黒衣の猫達を薙ぎ払う)
リチャード「リチャード!こいつらキライ!!」ガーーーーーン(シンプルにぶん殴ってる)
肉まん君「痛みを感じないようだ!(これもトリップの作用なのだろう・・)みんな下がれ!!」ズッシャッ(黒衣の猫に突き刺した黒刀の刃を抜きながら後退する)
アイアンロック「どうするつもりだ!?」ハァ・・ハァ・・
肉まん君「内から破壊する」ガシャン(左腕に装着している「オリジナルスリンガー」に小型グレネードを叩くようにセットする)
アイアンロック「内からだと!?ナパームじゃねぇのか!?」しっしっ(するように大剣の刃を迫り来る亡者の猫達に差し向ける)
肉まん君「まぁ見てろ」バシューーーーーン(スリンガーを発射する)
バショオオオオオオオン!!
(ゾンビのように群れをなす先頭の猫にグレネードが当たり、破裂すると同時に中から薄汚いミストが飛散され、猫達を包み込んでいく)
肉まん君「口を塞げ!!」バッ(慌てて口を塞ぐ一同)
んがぁ・・・・んごぉ・・・・・
あおおおおおおおおお・・・・!!
(次々と蹲りながら倒れていく邪龍教徒の猫達)
アイアンロック「何をしたんだ?」(口を腕で塞ぎながら聞く)
肉まん君「強烈な病原性大腸菌を含んだハンドグレネードだ。ターゲットの女を追うぞ」ダッ
アイアンロック「ゾフィ達の無事を祈るぜ」ダッ(まだ口を「両手で」おさえているリチャードと共に肉まんの後を追う)
リチャード「リチャード、菌、こわい」ダッダッダッダッ・・
「あたちのモンハン日記」
~Fourth Stage~
ダッダッダッダッダッダッダッ!!
(神殿内の外から聞こえる災厄を示す異音の中、回廊を駆けるゾフィ、ユーリィ、アイン、そしてファーザーG)
ゾフィ「外の様子が完全におかしいぜ!!日が暮れちまったみてぇに真っ暗になってやがる!」ダッダッダッダッ(走りながら見上げる小窓の向こう側には闇夜が広がっている)
アイン「さっさとターゲットを見つけて屋敷に帰りたいもんだね」パカラッパカラッ
ファーザーG「先程の青渕猫が手掛かりなのですか!?」ダッダッダッダッ
ユーリィ「・・たぶん・・あの部屋の中・・」ダッダッダッダッ
ダッダッダッダッダッダッダッ
(一同が向かう回廊の突き当りに質素な木製ドアが見えてくる)
アイン「ターゲットもあの中ってことかい!?」パカラッパカラッ
ユーリィ「・・わからない・・・けど・・因果を感じる・・」ダッダッダッダッ
アイン「頼りになる直感だこと。それで?何か作戦はあるわけ?」パカラッパカラッ
ゾフィ「当たって砕けろだ!!おりゃああああああああ!!!!」バッ(豪快な飛び蹴りでドアに向かっていく)
バガアアアアアアアアアン!!
ゴロゴロゴロゴロ シュタッ
(ドアを蹴り破り、そのままの勢いで床を転がりながらジルバ・アンセム(双剣)を抜き、颯爽と構えて立ち上がり部屋の中の様子を確認する)
ゾフィ「むぅ・・?」
ザッ・・(目の前を脇差を構えた忍び猫が背中を向けながら、ゆっくりと後退してくる)
ゾフィ「んあ?」
ニャン蔵「刺客よ。後は貴様らに任せたぞ」
ガシャーーーーーーーン!!
(捨て台詞と共に窓を突き破って外に飛び出していく忍び猫)
ゾフィ「なんだぁ?あの猫にゃん」んもぉ~
アイン「ゾフィ!!前を見ろ!!」ダッ(遅れて部屋に入ってくる一同)
ゾフィ「へ・・・・・」ちら
シャアアアアアアアアア・・・・・
(全身の毛が抜け落ち、骨と皮だけになった紫色の肌をした白目の獣人と、同じ姿形の頭部にだけ包帯を巻いた獣人が、鋭い牙と長い尖爪を剥き出しに、千鳥足でゆっくりと前進してくる)
ゾフィ「ゲッなんだこいつら!?」
ユーリィ「・・いにしえ麻薬・・・違う・・もっと邪悪な薬・・!」
アイン「まともじゃないのは確かだね」シャキーーーーーン(両手を覆うグローブの指先を貫いて、鉄製の鉤爪のような七本の鋭利なランポスの尖爪がその姿を露わにする)
シャアアアアアアアアア・・!!
(紫のゾンビ獣人へと変わり果てた姜淑が、その痛々しい頭部の包帯を鋭い爪で掻きむしりながら迫り来る)
ユーリィ「・・あの時・・半田千恵子と逝かせてあげれば・・」スチャッ(デッドフリルパラソル改の砲口を向ける)
姜淑「半田・・千恵子・・・・あいつさえいなかったらぁああああああああ!!!!!」シャアアアアアアア!!(両爪を振りかざしながら飛びかかってくる)
ユーリィ「・・因果を断つべし・・」カチャッ
ンボオオオオオオオオオオオオ!!
(黒いパラソルの尖端から焼夷剤を帯びた地獄の業火が放射される)
アキャアアアアアアアアアアアアア!!
(紅蓮の烈火に全身を包まれ、断末魔の金切り声と共に悶絶するニャン=ジュストと姜淑)
アイン「今のうちに逃げるよ!!」ダッ
AHAAAAAAAAAAAAAAA!!!!
(炎に包まれながら、この世のものとは思えぬ奇声を発するニャン=ジュスト)
バッバッバッ(その奇声の号令に応えるかのように、割れた窓から半狂乱になった邪龍教徒の獣人達が超人的な速さで部屋の中に飛び上がってくる)
ゾフィ「なんなんだよ!?こいつら」グッ(驚愕してる妹の豚耳を引っ張って部屋の外に出ていく姉)
ゾロゾロゾロゾロゾロ・・!!
(暗闇に包まれた神殿西側の外壁を列になった黒衣の猫達が這い蹲りながら、次々と小窓より部屋の中に飛び込んでいく)
ニャン蔵「よもやこのような形で主との契約が終了するとはな・・・だが、これでようやく自由を手に入れた」(木の枝の上に片膝をつきながら神殿の様子を眺めている)
ちら・・(おもむろに暗闇の空を見上げる)
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ・・
(退廃的な闇夜に赤紫色の雷が血脈のように無数に枝分かれ、その惨たらしい雷光と共に遥か上空を舞う邪龍のシルエットが浮かび上がる)
ニャン蔵「宰相を誑かした、邪な意志力の正体・・・。どちらにせよ、この国はこれで終わった」
シャッ・・(枝から飛び降り、漆黒の密林内へと消えていく忍び猫)
AHAAAAAAAAAAAAAAA!!!!
(灼熱の猛火に包まれた一対の獣人が、狂乱の咆哮をあげながら暴徒と化した黒衣の猫の大軍勢を率いながら回廊を前進していく)
メラメラメラメラメラメラ・・・・
(火災による燃焼騒音が轟く神殿内の廊下を鮮血に染まったドレスと血染めの花冠を被った鈴麗が、猛豚の亡骸をおぶりながら、よたよたと歩いて行く)
鈴麗「おばさんが泣いている・・・・・急がなきゃ・・!!」メラメラメラメラ・・!!
To Be Continued
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次回「あたちのモンハン日記」ザ・ストーリーモードはさ!?
9/9(日)0時更新 「・・カタルシスさせてあげる・・」の巻
をお送りいたします♪ほいだらさ!!次回も肋に力を入れながら読も見よう