なんだてめぇ！！やんのか！！
と、長閑な湿地帯の空気を張り裂かんばかりに声を荒げているのは、ジュラトドスのジュラ吉さん（♂48歳 漁師）。あたちとビーが「コスプレごっこ」をステージの上で楽しんでいたら、例のごとく、ボルボロスのボロスキーさん（34歳 泥職人）と喧嘩がはじまりました。
この二人、仲が悪いんです。生態的にも、性格的にも。
ことのきっかけは、大蟻塚の人気クラブ「アントンクラブ」での事件。
ジュラ吉さんがお酒を飲みながら、「荒れ地最強はトドスにあり」と言った発言に対し、それを聞いていたボロスキーさんが「ハン！！しょせんお前ら泥魚竜は、俺たちがせっせとこしらえた泥がなきゃ、生きていけねぇじゃねぇか！！そんなお前らが最強なら、俺たちボロは、地上最強だぜ♪」と返した瞬間、頭にきたジュラ吉さんが「頭から」ボロスキーさんに体当たりし、クラブ内は二人の大喧嘩でしっちゃかめっちゃかに・・。その日に予定されていた桜火竜の人気歌手「Cherry Blossoms」のライブも中止になってしまったそうなのです。
それ以来、二人は荒れ地で出会うたびに喧嘩を続けているそうです。
この日のジュラ吉さんは「今日こそ貴様を倒し、荒れ地に平和を齎してみせる」と、連日の喧嘩のせいか、自分自身を英雄と勘違いしているようで（そうでも思い込まないと自己正当化できないのでしょう）、豪語しながら飛びかかっていきました。
喰らえ！！トドス拳法奥義！！ジュラ固め！！
と果敢に飛びかかるジュラ吉さん。対し、ビーは喧嘩に飽きてしまったのか、遠くの方でシビレガスガエルの麻痺子さんとお茶を楽しんでいます。そんな中、ジュラ吉さんの「ジュラ固め」を「もろ」に受けてしまったボロスキーさんは
ぎゃあああああああああ！！マジで死ぬ！！
と、ジュラ吉さんに「やめてやめて」とタップする始末。さすがに「殺しちゃまずい」と見かねたモンスターハンター（仕事：狩猟）のあたちは、二人の間に割って入り（泥まみれに）、仲裁しました。
「喧嘩をやめないなら、あたちのこの大剣がだまっちゃ～いないよ」
と、あたちが優しく説得（脅迫）すると、頭を冷やした二人は、理解してくれ（本能的な逃避を選択）、仲直りしてくれたのです♪
「悪かったよ・・首、平気か？」
とジュラ吉さんが、すっかり泥の取れたボロスキーさんの青ざめた首を気遣うと
「同じ泥好き同士、これからは仲良くしましょうや」
と優しく微笑み、ボロスキーさんのちっさい手と、ジュラ吉さんのヒレで、がっちりと握手を交わしました。
その後、互いに称え合いながら、湿地帯エリアを去っていく二人（正確には二頭）の背中を見送るあたち。
「ええやん・・・モンスターの友情って、ええやん」
と、そこに桜火竜の人気歌手「Cherry Blossoms」さんが突然、舞い降りてくるやいなや、ジュラ吉さんに向かって
「あんたのせいでライブ中止になったんだからね！！どうしてくれんのよ！！」
と、無抵抗なジュラ吉さんに向かって火球を浴びせました。
それがその時の写真。ジュラ吉さん、まともに火球を受け、首が完全にイッちゃってます。あたちはハンターの勘ですぐに危険を察知し、体力の装衣を纏い、その場をやり過ごしましたが、ジュラ吉さんは酷い鞭打ちに・・。それを見ていたボロスキーさんが
「これで俺と一緒だな」
と、ジュラ吉さんに「締められた」首を撫でながら笑顔で言いました。
「フッ・・・泥だけにな」
と、わけのわからない決め台詞と共に、ヒレを「サムズアップ」してみせるジュラ吉さんと、にっこり微笑むボロスキーさんの背後から、Cherry Blossomsさんがサマーソルトを決めようとしていたのは言うまでもなく、その後、二人とも荒れ地の病院送りになったとさ。
でも、入院中に二人は更に絆を深め、今では荒れ地を代表する「仲良しジュラトドスとボルボロス」として、後世に語り継がれたとか継がれなかったとか・・。
どっちにしても良かったね、ジュラ吉さん、ボロスキーさん♪
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