~ロックラックシティ、ローゼンクロイツホスピタル....



数多の飛竜を駆遂せし時
伝説はよみがえらん

数多の肉を裂き 骨を砕き 血を啜った時
彼の者はあらわれん



ハロルド「土を焼く者、鉄(くろがね)を溶かす者、水を煮立たす者、風を起こす者、木を薙ぐ者、炎を生み出す者・・・その者の名は・・・」(窓を締め切った暗がりの部屋の中、ベッドに入ったまま、虚ろな表情でひたすらに天井を見つめながら、淡々と経文を唱えるように呟いている)


ブツブツブツブツブツ・・・・
(囈語を繰り返すように黒龍伝説を唱える少年越しに、そっと病室を出て行く男の影)


アンソニー「・・・・・・・・・・・・」ガラガラガラ・・(特別気遣う必要もないのか、それほど音を抑えずに開きドアを閉めていく)


バタン・・


アンソニー「グルーミーだ・・・」はぁ・・(閉めたドアを背に、銀髪の毛量を中心に集めた、かなりウェービーなロングフリンジの毛先を顔に垂らしながら俯く)

??「見舞いは済んだか?アンソニー」

アンソニー「やぁ・・・シリウスさん」ちら

シリウス「どうだ、ハロルドの容態は」(薄手のベージュのターバンを身に着け、砂漠の民に扮したナンバー2が不敵に微笑む。ゆったりとしたエスニックな衣装の節々から垣間見える、バイタリティ溢れる筋肉質な黒い肌が、この男が持つインテンシティを象徴している)

アンソニー「ああ・・・。良いとは言えない。マジでグルーミーな状態だよ」ふぁっ(目にかかった毛先をかきあげると、肘から手の甲までびっしりと余すこと無く精密に刻まれた幾何学模様と古代文字のような未知なるフォントの配列から成るタトゥーばかりに目がいってしまう)

シリウス「俺も挨拶をしてこよう」

アンソニー「じゃ、僕はリックのところに戻るね。後はよろしく」ちゃっ(とイケメン挨拶をかましながらその場を去る、まさしくイケてる容姿端麗な美男子)

シリウス「ローゼンクロイツの娘も一緒か?」

アンソニー「そっ。なかなかいい子みたいだよ」(背中を向けたまま右手を上げて廊下を歩いて行く)

シリウス「そのようだな」フッ・・


ロージー「いい、リックさん」じーー(頭にドスビスカスのブーケをつけながら、まんまるに目を見開く)

リック「ああ。君のお母さんに関する事・・覚えている限り、話すよ」(ベッドに横たわったまま上半身だけ起こしている)

ロージー「ありがとう、リックさん♪」

こちん(軽く拳を突き合わせる二人)

ロージー「じゃあ早速・・」こほん

ファイヤジンガー「早く聞け、のろま」ぼそっ

ロージー「ううううう!!」ばちんびっくり(蚊を叩くように頭に付けているドスビスカスのブーケをひっぱたく)

リック「??」

ロージー「こほん・・。それじゃあ・・・」

リック「ああ」

ロージー「ここだけの話、ママはね、亡くなる直前まで、私もパパも、そしてお爺ちゃんも知らない、あるプロジェクトの指揮を執っていたらしいの。リックさん、何か心当たりはない?」

リック「・・・・・・そういえば・・彼女はギルドから何か依頼されたと言っていたよ」

ロージー「ギルドが・・・」

リック「なんの研究かは口にしなかったけど、すごくやり甲斐のある仕事だって・・・そう嬉しそうに言っていたのを覚えている」

ロージー「ママにとってやり甲斐のある研究・・・・なんだろうか・・」ふむ・・

リック「彼女は、その研究中に僕と同じ龍結核にかかってしまったのかい?」

ロージー「だと思う・・。だって、ママはハンターじゃなかったから、一人でフィールドに出ることもないし、ずっとロックラックにいたもの」

リック「ということは、どこで龍結核のウイルスを・・・」

ロージー「どこかで手に入れてきた可能性が高いよ。そしてそのウイルスを研究中に、感染してしまったのよ」

リック「研究はどこでやっていたんだい?」

ロージー「うちのお屋敷内。夜になるとはじめてみたい」

リック「そうか・・君はその頃、まだ小さかったんだもんな・・。きっとマリーさんは君が眠った後に、研究をしていたんだろう。ラインハルト公は何か知らないのかい?」

ロージー「パパは多忙な人だったから、うちにいることはほとんどなかったの・・。それに、あたしがプロジェクトのことを聞いても、何も知らないの一点張り。自分の配偶者のことを何にも知らないっていうんだから。呆れちゃう」

リック「それほど信頼していたのさ。家の中やこの病院内に資料は残っていないのかい?」

ロージー「あたしもそう思って前に何度か「探索」をしたことがあるの。でもさっぱり。それらしき資料はなんにも残ってなかった」はぁ~~~~

リック「プロジェクトというからには、共同作業者がいるよね?その人達が見つかれば、何をやっていたか直接聞くことが出来る」

ロージー「それがね、プロジェクトの途中で移動してしまったらしいの。それと同じ時期に、お屋敷に勤めてたメイドさん達も交代してしまったわ。これって偶然だと思う?」

リック「少しでもそのプロジェクトに携わっていた人間は、既にこのロックラックにいないということか・・・」ふむ・・・

ロージー「極秘よ、極秘。トップシークレットよ。ママは余程の機密事項に関わってしまったんだわ」

リック「自分が情けない・・。これくらしか役に立てなくてごめんよ」ふぅ・・

ロージー「ネガティブ禁止!!いい!?クエストっていうのは、目標が高ければ高いほど、自分との戦いになるの!!どんなに強大なモンスターが相手でも、戦う前に自分に負けてたら、絶対に成功しないんだから!!自身を持つのよ!!だからあきらめちゃダメ!!・・って、ムーアちゃんが・・UBUちゃんがそう言ってたもん」えっへんにま~

ファイヤジンガー「おめぇの言葉で言え」ぼそっ

ロージー「ううううううう!!!!」ばち~~んびっくり(はたから見れば、まるで気が狂ってしまったかのように力強く自分の頭をひっぱたく)

リック「ぷっ・・・・あははははは。ほんと、君といるとマリーさんを思い出すよ。彼女もよくあきらめちゃダメだって言ってたっけ・・・」

ロージー「そうそう、その調子よ。つらい時こそ笑う角になんちゃらよ♪」

ファイヤジンガー「ばぁ~か」

ロージー「むぎいいいいいいいい!!!!」ばち~~~~んぎくっ

ごて~~~~~ん煙
(強く叩きすぎたのか、その場に必殺「うつ伏せ某状態」で倒れ込み、ピヨリ状態になるロージー。叩きすぎたせいか、余程「スタン蓄積」が溜まっていたようだ)

リック「あああああああせるロージーちゃん!!ナースさんを呼ばないと・・あせる」あたふた

アンソニー「どうかしたかい?」ちゃっ(と、イケメン挨拶をかましながら部屋にインしてくるまさしくイケてる美青年)

リック「アンソニー!ちょうどよかった!!彼女を頼むよ!!」ぴよぴよぴよn--*(ベッドの下で気絶しているロージーを気遣う)

アンソニー「ハンマーで殴られたのかい?まるでケルビだ」よっはぁ(うつ伏せで倒れているロージーの両腕を後ろから持ち上げる)


ごきっsss(よくある感じの目覚まし法をかますアンソニー)


ロージー「はっびっくり

リック「良かった・・汗」ふ~~~~

アンソニー「目覚めたかい?お姫様」

ロージー「ふぁ・・・・」ちら

アンソニー「・・・・・・・・・・・・」じーーーーーーーー(美し過ぎる爽やかなブルーの瞳でじっとこちらを見ている)

ロージー「ふぁ・・・・・・」ぼぉ・・・

アンソニー「元気ドリンコでも飲むかい?」ふぁさっ(少し長めのカールした前髪を自然にかき上げる)

ロージー「・・・・飲まない・・」ボッ炎(顔が一気に真っ赤になる)

リック「ああ、そういえば紹介してなかったね。彼は・・・」

アンソニー「アントワーヌ・メンデルスゾーン。宜しく。ローズダンテ」キラキラキラキラキラキラ(眉目秀麗な銀色の髪をした王子様の周りには、薔薇やらラッパを吹いた天使やらが投影されている)

ロージー「ひょ、ひょろひく・・」(目がハートMAX)

リック「ところでロージー、兄さんは元気かい?」よっはぁ(枕に背中をつける)

ロージー「うん!ユクモはハンター不足だからね。と~っても助かってるよ!」

リック「そっか。さすが兄さんだ。アンソニーはユクモへは行ったことある?」

アンソニー「残念だけど。でも、とても素敵な場所だと聞いている」にこっ

ロージー「ふぁ・・・・・(なんやねん、こいつ・・!いちいち見入ってまうほど、カッコええやんけか・・!!)」ごしごし(惑わされないように両目を擦る)

リック「どうしてロージーはここ(ロックラック)じゃなくて、ユクモを選んだんだい?」

ロージー「話すと長くなるけど、パパがお世話になった人がユクモのハンターでね。その「おじさん」の監視下ならハンターになってもいいっていう条件付きなのふん」やれやれ(なポーズをとってみせる)

リック「しかし驚きだよ。あの名家のお嬢さんがハンターだなんて。でも、とってもクールだ。ね、アンソニー」

アンソニー「ああ。少なくとも、メゼポルタやバルバレには、君のように美しい狩人は存在しない」じーーーーー

ロージー「え・・・(この人・・ひょっとしてあたしを口説いて・・)」ぼっ炎

アンソニー「なんて秀麗なんだ・・・穢れなき少女の瞳・・・・」じじーーーーー

ロージー「ふぁ・・・・・・・」

アンソニー「もはや大陸言語では表現出来ないその美しさ・・・もっと見せて」ぐっ

ロージー「・・・・・・・・・・・・・・」ドキドキ

アントワーヌ「やはり・・・美しい・・・・」

ロージー「・・・・・・・・(なに・・?この人の息・・・鉄分の匂い・・?でも、それがまた・・・・)」ドッドッドッドッドッ(鼓動が更に速いBPMを刻む)

アンソニー「なんて最高なんだ・・・・その瞳に映る僕!!

ロージー「・・・はぁ?」

アンソニー「グルーミーだ・・。残酷な審美の結果だが、ローゼンクロイツの天使をも上回る自分のハイグレードな造形美・・・ギルティ・・またしても僕は罪を重ねてしまったようだ・・」嗚呼・・(と、自己愛によろめく)

ロージー「・・・・ひょっとして、この人って・・」(呆れた顔してる)

リック「耽美主義者。それも、と~~っても自惚れの強い、ね」はははははは

ロージー「なんや。ただのナルシストか汗」ああ・・美しい~(と、病院の鏡の前で顔をペタペタと触ってる容姿端麗の変態男)

リック「ねぇロージー。ユクモには温泉がたくさんあるって聞いたけど、本当かい?」ケホケホッ・・

ロージー「うん!村のいろんな場所にあってね、モワモワと白い湯気をたててるの♪ハンターがクエストを受注する集会所にも温泉があってね、それをユクモでは集会浴場っていうのよ♪あ、そうだ」がさりごそり(腰に付けたポシェットを漁っている)

リック「??」(その後ろではまだ目を輝かせながら自惚れているアンソニーの姿が)

ロージー「はい、これ。お土産♪」(たまごを渡す)

リック「たまご・・?」

ロージー「と言っても普通のじゃないのよ。「ユクモ温泉たまご」っていう、あら不思議♪食べると爆発ユクモ的に元気になっちゃうんだからぁ~♪」召し上がれ~

リック「すごいなぁ・・・ありがとう、ロージー」(その目は来た時よりも活力に満ちて見える)

アンソニー「ん・・・たまごじゃないか!?「まある」は最大級のフォルム・・見せて!!」バッsss

ロージー「こら!あなたにあげたんじゃないの!これはリックさんの!!」ぷんすかむかっ

アンソニー「なんてまあるいんだ・・!究極の造形は、やはり「まる」にあり!!」ん~~(温泉たまごを掲げて見ている)

ロージー「返せ!変態!!」ぴょんぴょんジャンプ(ジャンプして取り返そうとするも、容姿端麗のアンソニーはもちろん背が高いので届かない)

リック「あははははははは」返せぇ~!なんてまあるいんだぁ~♪






はぁ・・・とぼとぼとぼ・・
(夕暮れ時を示すオレンジ色の陽差しがこぼれる中、病院内の廊下をへこへこ歩くロージー)


ファイヤジンガー「肝心なこと聞けなかったな」(ヘアブーケ状態のまま話しかける)

ロージー「それもこれも、あのナルシスト野郎のせいよ!本当は龍結核の症状のことや、邪龍と遭遇した時のことも聞きたかったのにぃ~!おまけにカルテも見忘れた!」ちきしょ~ぷんぷん

ファイヤジンガー「でもいいんじゃね?リックの奴、すげぇ喜んでたじゃねぇか。お前の訪問が心から楽しかったんだよ。ジャック・ザ・アイランドで、土に入ってた俺のようにな」

ロージー「・・・・・・・・。そうだね。初対面なのに、あまり突っ込んだ話しをしたら失礼だよね。これで会えなくなるわけじゃないし。今日は今日で良かった♪そうしよう♪」ひょっひょ~~(あんまんスキップで廊下を行く)

ファイヤジンガー「そうそう。んで、これだけで黙って帰るお前じゃねぇだろ?」

ロージー「う~ん。そうねぇ・・・」


ガラガラガラ・・・(目の前の病室から都市の民間人と思われる衣装を纏ったガタイのいい黒人が出て来る)


ロージー「・・・・・・(あれ・・あの人・・・街の何処かで見た記憶が・・・)」はて・・何処だっけか・・


ちら(ターバンを巻いたその黒人の男がこちらの気配に気づく)


ロージー「・・・・・・・・・」へこり(なんとなくお辞儀をする)


カツカツカツカツカツ・・
(それを受け、ターバンに手をやりながら顔を俯かせて通り過ぎていく黒人男性)


ロージー「ふぁ・・・誰かのお見舞いかな・・」

ファイヤジンガー「でもよ、ここって少し他の病室から離れた場所じゃね?」

ロージー「特別療養環境室だよ。覗いてみよ」


カラカラカラカラ・・・・
(真っ暗になった病室のドアをおそるおそる開けるロージー)


ロージー「すみませぇ~ん・・・・・・・・・!!」



ブツブツブツブツブツブツ・・・・・
(締め切った真っ暗な病室のベッドで、仰向けになった少年が何やら独り言を呟いている)



ロージー「・・・・・・あの子・・・・(間違いない・・・タンジアでポールさんが助けた少年だ・・)」



その者の名は 宿命の戦い
その者の名は 避けられぬ死
喉あらば叫べ 耳あらば聞け 心あらば祈れ




ロージー「・・・・・・・・(なに・・・なにを唱えているの・・・)」



ミラボレアス
天と地とを覆い尽くす 彼の者の名を
天と地とを覆い尽くす 彼の者の名を 
彼の者の名を 彼の者の名を 彼の者の名を 彼の者の名を.....




ロージー「・・・・・・・・・・・・・・・」


ぽんドキッ(ロージーの肩を叩く人型のお手)


ロージー「うひゃあああああああああ!!」ずでぇ~~~~ん煙(腰を抜かす)

アンソニー「何してるんだい?」ガラガラガラ・・(そっと病室のドアを締める)

ロージー「ひぃ~ひぃ~汗びっくりさせないでよ!!もう!!おたんちん!!」

アンソニー「君こそ。いくらローゼンクロイツのお嬢さんだからって、勝手に人の病室に入るのは美しくない。違う?」

ロージー「むううううう・・!!」(狂犬のような顔して見上げている)

アンソニー「さぁ、出よう。そろそろ面会終了の時間だ」カツカツカツ・・・(引き締まった背中を夕日色に染めながら廊下を歩いて行く)

ロージー「ムカつくけど、やっぱしカッコいい」ぷんすかあぁっ?!



ゴオオオオオオオオオオ・・・・
(夕焼けに染まった病院の上に見える空を飛行船が通り過ぎていく)


ロージー「アンソニー、おうちは?宿屋通り?」

アンソニー「あんな美しくない所・・・・悔しいけど、そこに住んでる」がっくしふん

ロージー「ゲストハウス?自分で建てたの?」

アンソニー「まぁね。周りにDIY女子はたくさんいるんだけど、なにぶんセンスがない。美の造形というのは耽美的でなければならない。となれば、日頃からメランコリックかつストイックに美を追求している僕の方が・・」

ロージー「ねぇ!お兄ちゃんの家、建てるの手伝ってよ!!」

アンソニー「グルーミーな予感・・」はぁ~

To Be Continued





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$あたちのモンハン日記
次回「あたちのモンハン日記」ザ・ストーリーモードはさ!?

7/5(水)0時更新 「Recollection No.6/Part1」

をお送りいたします♪次回はあの人の過去とリンクしてみましょうロシアン 得意げお楽しみに♪