ズドドドドドドド!!
(市街地の公道をスライディングしてくる溶岩竜を筆頭に、背後から追走してくる黒鎧竜、その左右に岩竜の原種と亜種、更にその両脇を固める迅竜と轟竜、そして後続に恐暴竜と桃毛獣と続くモンスター大移動が迫り来る)
メガゼノス「にぃ~げろぉ~~~!!」ドシンドシンドシンドシン(前傾姿勢の突進をしながら叫ぶその頭殻上では、振り落とされまいと必死にしがみつく一也と、呑気に正座してるパノの姿も見られる)
「あたちのモンハン日記」
~Sanctuary of extinction~
~第三地区、貯蔵庫内....
ドシーーン・・・ドシーーン・・・
(規則的な一定間隔毎に建物を揺らす巨大竜の重たい足音が聴こえる中、貯蔵庫の大きな入口前に立つホワイトナイト。その背後では同じく中を覗く砕竜、爆鎚竜、金火竜の姿も見られる)
王羽美「お久しぶりです。ローゼンクロイツ・ローズダンテ」ドシーーン・・・
ロージー「ウーメイさん・・・」ドシーーン・・・(仰向けで寝ている河狸獣の側で方膝をつき看病している)
アラン「ほぉ・・前に孤島で会ったねえちゃんか」
純平「さすが隊長。幅広い交友をお持ちと言いたいが・・」
ガルグイユ「だれでちゅか?」(エリーゼに抱かれている)
エリーゼ「あの装束・・・ギルドナイト・・?」
アングリーアッシュ「ギルドの秘密工作員が何をしに現れた」
カツカツカツカツ・・・
(モンスターらを気にもとめず中へ入っていくウーメイ)
アングリーアッシュ「おい・・・!」
タイタンラス「待て」
カツカツカツカツ・・・
張虎「てめぇ!!何しに来やがった!!また俺達の邪魔をする気か!?」(ロージーの側で腹ばいに置かれている)
ファイヤージンガー「お嬢に手ぇ出しやがったら、また顔面に花粉を撒き散らしてやるからな!!」
王羽美「あなた方もお元気そうで・・ということはシャークハンターも領内に?」
ロージー「・・・・・・・」こくり
王羽美「そうですか」ちら
彭関越「ハァ・・ハァ・・・」
王羽美「懐かしい牙獣種・・・よく新大陸に・・」
ロージー「病気を患ってしまったの」すりすり
王羽美「・・・・・。少し・・いいですか?」スッ(ロージーの横に屈み、牙獣種の容態を診る)
ガルグイユ「おいちゃちゃんでちゅか?」
王羽美「・・・・・・・・・」スッ・・(河狸獣の口元に手をやる)
彭関越「ぜえ・・ぜえ・・・・」
王羽美「・・・・・・・・・」
ロージー「ウーメイさん?」
王羽美「先ほど同じ症状の市民を目撃しました」
張虎「本当かよ!?で、そいつはどうしたんだ!?」
王羽美「その方は一般市民だった様で、治療する間もなく・・・お亡くなりになられてしまいました」ちら
張虎「そんな・・・じゃあ関越も・・・」
彭関越「ハァ・・ハァ・・・」
王羽美「容態は落ち着いているようですが、何か対応を?」
ロージー「応急処置だけど・・しばらくは大丈夫だと思う」
王羽美「でしたら問題ないでしょう。微量な粉塵を吸引しただけなら死に至ることはないと思いますし、それに牙獣種ともなれば強靭な肺も携えています。直に呼吸も落ち着くでしょう」
ファイヤージンガー「ふう・・・じゃあ助かるんだな?」
王羽美「はい。ですが・・」
ロージー「後遺症は残る・・」
ファイヤージンガー「ナナッ・・」
張虎「なんだよ!?その後遺症ってのは!?」
王羽美「龍結核です」
エリーゼ「え・・・・・」
ロージー「・・・・・・・・・」こくり
ファイヤージンガー「龍結核・・・竜種が放出するフェロモンや鱗粉を嗅いじまうと、喘息が酷くなっちまうっていう・・」
張虎「それってよ、一条青のやつが患っている病気と同じじゃねぇか。だったら薬でなんとか・・」
王羽美「ちょっと待ってください!」バッ(腹ばいになってるホオジロザメに顔を近づける)
張虎「な、なんだよ」かぁ~(顔が赤くなるホオジロ)
王羽美「鮫王!!あなた、今しがた一条青と仰りましたか!?」ずい
張虎「そ、そうだよそれがなんだってんだ!?」
王羽美「どうしてあなたが一条青の名を知っているのです!?」ガシッ(正面からホオジロの顔面を鷲掴みする)
張虎「ど、ど、どうしてって、兄者達が東方に修行に行った時、一緒にくっついてきたからだよ!!」グリグリグリグリ(こめかみ辺りをぐりぐりされてる)
王羽美「特徴は!?」グリグリグリグリ
張虎「ひいいいいいい女みてぇな面した、やさ男の刀工だよ!!」
王羽美「!!」
ロージー「安心した?雪左さんが生きてるって分かって」
王羽美「・・・・・・。それじゃあ本当に・・・」
ロージー「ウーメイさん、雪左さんと同郷だものね♪」
王羽美「ど、どうしてそれを・・」
ロージー「緑安で東方女傑の武勇伝を・・あなたのこと、たくさん聞いたの。そこで雪左さんと、この関君と出逢って、一緒に新大陸に来たんだよ」
王羽美「じゃあ、雪左は生きているんですね!?」ガバッ(ロージーの肩を掴む)
ロージー「うん。今はユクモにいるわ」
王羽美「そうでしたか・・・」ホッ・・(胸をなでおろす)
張虎「やっと落ち着きやがったか・・ったく・・」ぷい
ロージー「ウーメイさん、東方じゃすっごい有名人でびっくりしたよ」
王羽美「・・・・・・・・・」(俯いている)
ロージー「ライマさんとフウマさん、覚えてる?」
王羽美「緑安の門兵です。とてもお世話になりました」(感慨から口元がほころぶ)
ロージー「二人からも聞いたわ。ウーメイさんと雪左さんの育った集落は、紅い邪龍の厄災に遭遇してしまったと・・・そしてその紅龍を探すために、あなたが東方を旅だったことも・・」
王羽美「・・・・・・・・・」
ロージー「雪左さん、喜んでたよ。東方女傑となって生きていたウーメイさんの事を知って」にこ
王羽美「え・・・」
ファイヤージンガー「安心しろぃ。おめぇの今の職業については、刀工のにいちゃんには話してねぇからよ。お嬢に感謝するんだな」
王羽美「・・・・・・。刀工・・・そうですか。雪左は父上の跡を継いだのですね・・」ふふ・・
ロージー「同じだよ。ウーメイさんと」
王羽美「??」
ロージー「紅龍にご両親を殺されてしまった雪左さんは、自分に代わり、悪しき紅龍を討伐して欲しいという願いを刀に込めて、お兄ちゃんに託すことにしたの」
王羽美「シャークハンターに・・」
ロージー「そう。ハンターであるお兄ちゃんなら、必ず邪龍を倒せるだろうって・・・深い悲しみから立ち上がって、希望を見出す為に新大陸に来たんだよ。その強い気持ちは、きっとあなたも同じ・・そうでしょ?ウーメイさん」
王羽美「・・・・・・・・・・・・」
ドシーーン・・・グラグラグラ・・・
純平「お取り込み中、申し訳ないが、あまり時間はないようだ」
王羽美「時間・・・そうでした!」
アラン「もたもたしてると、あの巨大竜がこっちに来ちまうぞ」ドシーーン・・・グラグラグラ・・・
王羽美「それだけじゃないんです!」
アラン「なに・・?」
王羽美「火砕サージも迫ってきてるのです!!」
ガルグイユ「かしゃいしゃーじ?」はてしゃて?
エリーゼ「噴火時の火砕流が齎す高温ガスの熱風よ」
純平「まずいな・・・進路は分かるか?」
王羽美「火砕サージは火山の方向、領内の南門からエリア全体を埋め尽くす勢いで迫ってきています。更に北からは装甲竜の進行も・・」
アラン「八方塞がりってわけか・・・どうする?ロージー」
ロージー「うん・・どうしよう?純平さん」
純平「逃げてる暇はないぞ。関越もいることだしな」(ようやく呼吸の落ち着いてきた河狸獣を見つめる)
エリーゼ「この貯蔵庫の中にいればやり過ごせるんじゃない?」
純平「とは言っても老朽化が目立つ・・万が一にでも火砕サージの圧力で破壊されたらひとたまりもないぞ」ドシーーン・・・パラパラパラ・・・(振動により天井から石屑が落ちてくる)
ガルグイユ「たちかにボロっちぃでちゅね」こちん(天井から落ちてきた石屑が頭に当たる)
アラン「それにここは危険だ」クイッ(親指で背後を示す)
ぽへぇ~ん・・
(貯蔵庫の奥にびっちり並べられた大樽)
エリーゼ「明らかにタル爆弾・・」
純平「この貯蔵庫は反乱軍が弾薬庫に使ってたんだろう。となれば・・」
ガルグイユ「熱風ガスで天井が崩れて、あれに引火でもちたら大爆発(だいばくはちゅ)でちゅね」
アラン「今からあの数のタル爆弾を外に出してる時間はねぇしな・・」
張虎「マジでどうすんだよ!?鮫の丸焼きなんて俺は真っ平だからな!!」
王羽美「そこで私に考えがあるのです」ぴしっ(またしてもホオジロの目の前で人差し指を立ててみせる)
張虎「なっ・・・」ポッ
ロージー「何かアイデアがあるの?ウーメイさん」
王羽美「アイデアもなにも、幸いにも、ここには高温に強い耐性をもった頼もしい方々がいるではありませんか」ちら
・・・・・・・・・・・・・・・・・
(貯蔵庫の入り口から顔を覗かせてこっちを見ている砕竜と爆鎚竜、金火竜の三頭)
王羽美「あなた方なら、彼らの助力を受けれるでしょう?」にこ
ロージー「ふぁ・・・・」ドシーーン・・・グラグラグラ・・・こち~ん(上から落ちてきた石屑が頭に当たる)
~第三地区、オブリビオンの酒場....
ワアアアアアア!!キャアアアアアア!!
(迫り来るモンスターの大進軍に驚愕する市民達)
アイオロス「外の世界をまったく知らないこの人達に、あれを見て落ち着けっていったって、意味はないか・・」ワアアアアア・・・
ゲルハルト「ほにゃらねぇ~(同感)」
ボニー「ご覧よ!!バラン、グレン・・それにまさひこさんとテツも見えるよ!!」
ミッチ「ふううううう」ぱぁ~ぷぅ~~~(桃毛獣の背中に乗り、角笛を鳴らしている)
ボニー「ミッチの笛の音・・・何を警戒しろっていうんだろ・・」
サムソン「おおおおおおおおい」(グレンの背に乗り手を振ってる初老のハンター)
ボニー「サムソン(呼びつけ)だよ♪」
ゾフィ「あんだよ!?みんな怯えながら入っていくけど、何があったんだぁ~!?」ずいずい(慌てて酒場の中へと駆け込む群衆をかき分けながら、ゼキと共に出てくる)
ゼキ「ゾフィさん、あれを!!」ワアアアアア・・・
ゾフィ「んあ?」
ドドドドドドドド!!
ユーリィ「・・ぉ~ぃ・・」(金髪美女を右手に握りながら疾走してくる恐暴竜の背に掴まり、この大騒動の中、絶対に聞こえない声で叫んでいるようだ。頭には目付きの悪い猟虫が乗ってる)
ゾフィ「ユーリィ!!」
バラン「ボニィイイイイイイイ!!逃げろぉおおおおおおお!!!!」ギャオオオオオオオ(疾走しながら咆哮をあげるその首にしっかりと跨がり、両耳を塞いでいる火の国のお姫様)
ゼキ「あれは・・・アルル・ミール!!」
アルル「みんな逃げてぇえええええ!!」ズドドドドドド
グレンジャガー「今から逃げろって言っても無駄だ!!人の数が多過ぎる!!」ダッダッダッダッダッ
アルル「火の民です!!酒場にある地下道へ退避しているのかと!!」(轟竜の首から振り落とされない様、しっかりと跨がりながらも瞬時に状況を確認する)
ボニー「何をあんなに慌ててるんだろう・・」ドスン・・ドスン・・(群衆をかき分け、モンスター達が向かってくる方へと前進していく雷狼竜)
アイオロス「他にも何か見えるかい?」(背中の上で双眼鏡片手に覗いているゲルハルトに声をかける)
ゲルハルト「・・・・・・・!!」
ボボボボボボボ・・!!
(双眼鏡視点。氷山と化したジャバルサマーンを中心とした山脈一帯の麓を埋め尽くす、超巨大な黒煙の流動体)
ゲルハルト「シャアアアア!!(火砕サージだ!!)」
アイオロス「下流してきたってわけか・・まずいね」
ボニー「って、火山ガスの突風だろ!?どうすんのさ!?まだ酒場に入りきれてない市民だっているんだよ!?」
アイオロス「クッ・・(例え背後に逃げても・・・)」ちら
ボオオオオオオオ・・・・・・・
(市街地エリアの中心は灼熱地獄と化している。その炎の海の揺らめきから、薄っすらと姿が見えてくる巨大な竜の影)
アイオロス「最悪だね・・・出来るだけ市民を地下道に!!残りは僕の後ろで伏せるんだ!!」
ボニー「え・・それって・・君が盾になるつもりかい!?」
アイオロス「彼らもそのつもりだよ。さぁ、早く避難を!!」ズドドドドドド(背後から接近してくるモンスター群)
ゼキ「わ、分かりました!!」
ゾフィ「てめぇらも聞いたろ!?急げぇええええええ!!」ジャキーーーン(双剣を抜き、威嚇するように市民を急かす)
ワアアアアアアアアア!!
カーブー「・・・・・・・・・・」ワアアアアア・・・
ベルケル「高温の熱波に等しい火砕サージに飲まれれば、ハンターではない火の民は瞬く間に焼け死ぬだろう・・・これもまた、この国に相応しい運命だというのか・・」ワアアアアア・・・
カーブー「運命だというのならば」
ベルケル「??」
カーブー「変えられるってことじゃないですか」ザッザッザッ・・
ワアアアアアアアア!!
(荒廃した市街地公道にて、市民達が我先にと酒場の中へ逃げ惑う。その行列を護る様に立ち塞がる雷狼竜の姿)
バサ雄「父ちゃん!人間がたくさん見えるよ!?」ズドドドドド
バサリン「見慣れないモンスターが・・・人間を守ろうとしてる・・?」ズドドドドド(背中では侍猫が振り落とされないよにしっかりとしがみついている)
芋助「ん・・あれは・・」
ワアアアアアアアア・・・!!
(雷狼竜が立ち塞がる背後の群衆の中からカーブーがゆっくりと前進してくる)
芋助「川村殿!!」
メガゼノス「どうするんだ!?冴島!!」(頭殻上の獣人に話しかける)
一也「止まるニャ!!あれは味方ニャ!!」
メガゼノス「やれやれ。だったら轢き殺すわけにはいかないな。ヴォルガトロン!!」
ヴォルガトロン「了解だ。緊急停止するぞ!!」
ズザザザザザザ・・・!!
(前進をUの字に曲げ、砂埃を立てながら緊急ブレーキをかける溶岩竜。その背後でそれぞれ停止するモンスター達)
サムソン「カーブー!!やはり来ておったか!!」ひょっ(颯爽と黒毛の上から飛び降りる。それ以外にも黒鎧竜から飛び降りる一也とパノ、恐暴竜からはユーリィが降りる)
カーブー「ウッス」
ゾフィ「ユーリィ!!」ダッ
ユーリィ「・・うっす・・」だきっ(言ってる側からゾフィが抱きつく)
ゼキ「・・・・(あの人がゾフィさんのお姉さん・・・)」
ブッチャービートル「ブキ・・・」ギロッ
ゼキ「・・・・(なんだろう・・あのこわそうな虫は・・)」
アルル「ゼキ!!」ダッダッダッダッ
ゼキ「アルル・・!!」じわっ・・
ゾフィ「わりぃが再会のハグはあとだ!今は避難が先だ!」グイッ(感動してるゼキの首根っこを掴み上げる)
ユーリィ「・・・・・(・・自分は済ませたくせして・・)」(普段からあっまい飴をなめてる妹にキスされたのか、右頬がぺちょぺちょになっている)
ゼキ「ですが一体どうするんですか!?」
カーブー「自然の脅威という列強に対抗する手段がひとつだけある」(駆け寄ってきた一也の頭を撫でている)
アルル「え・・・」
サムソン「ほむ。ユクモで学んだろうに?アルル姫」にこ(その背後から駆け寄る芋助、ミッチ)
アルル「・・・・・そうでした!!今こそ団結すべきです!!」ぎゅむっ(胸のアミュレットを握りしめる)
ゼキ「??」
カーブー「三種共存。みせてやろうじゃないか、火の神とやらに」パァ~ン(カーブーの広げた掌に拳を叩きつける一也、その背後では肩を組みながらVサインしてみせるディオマリアシスターズと二人の間から舌を出しておどけているパノ、更にその奥で集結する屈強なモンスター達の姿が見える)
To Be Continued
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次回「あたちのモンハン日記」ザ・ストーリーモードは!?
12/10(金)0時更新 「にょにゃったにゃ~もにゃ」の巻
をお送りいたします♪そいじゃあさ、次回もでっかい声だして読もうよ