ゴオオオオオオオオ・・・・!!
(緋色の大炎上を高くあげる市街地の中心エリア内で、四肢をつきながら佇む竜機兵)
王羽美「・・・・・・・・・・」メラメラメラメラ・・(同地区の離れた建造物の屋上からそれを眺めるホワイトナイト)
ちら(下を見下ろす羽美)
ぼちょり~ん・・・・・
(ウーメイの立つ建造物の下に落ちている覇竜らしき生物の巨大な眼球)
王羽美「・・・・・(暗黒団の最新鋭である覇竜の搭乗兵器をまるで赤子の手をひねる様に圧倒し、殺戮という狂の感情も見せずにただ破壊してしまった・・・よもや暗黒団は全滅必至・・)」クッ(顔を上げ、再び竜機兵を捉える)
ゴオオオオオオ・・・・・
(依然として火の海の中に身を投じて大人しくしている竜機兵)
王羽美「・・・・・(あの鎧を纒った巨大な竜は一体・・・古龍種?それとも未確認モンスターか分類不明の種・・・或いは突然変異の飛竜種だろうか・・・)」
ボオオオオオオ・・・・・
(炎の中、何かを補足するかの様に首をゆっくり左右に振る竜機兵)
王羽美「・・・・・(ひとつ確かなのは、あの装甲竜はギルドからの刺客に間違いないということ。そしてサフラさんが私に与えたミッションは間違いない。「あれ」の実戦検証を報告させること・・!!)」メラメラメラメラ・・・
ボオオオオオオ・・・・・
(火の海の中から市民らしき男が逃げてくる。背中には風呂敷を背負っている)
王羽美「・・・・・・(逃げ遅れた市民・・?)」
男「ハァ・・ハァ・・・・」ふらふら・・(顔色が極めてよくない)
バターーーーン
(前のめりに倒れると、風呂敷内の見るからに高価な家財が飛び散る)
王羽美「・・・・・・(火事場泥棒・・・まったく・・人の強欲というのは・・)」ボオオオオ・・・・
男「ハァ・・・ハァ・・・・・」(俯せたままである)
王羽美「・・・・・・(火傷や外傷は見られないけど・・・)」
男「ぐわああああああああ!!」(突然胸を鷲掴みし悶絶する)
王羽美「盗賊でも同じ命。シリウスさんには怒られてしまいますが・・仕方ありません」シュッ(屋上から飛び降りる)
男「ああああああああああ!!」
王羽美「どうしましたか?」ザシュッ(男の傍らに片膝をつく)
男「ぐばああああああああああ」(羽美の存在を認識する間もなく苦悶の表情を浮かべ、口内から多量の発火性微粒子を吐き出す)
王羽美「!!」
バタン・・(横向きに倒れる男)
男「・・・・・・・・・・・・」ジュウウウウウ・・・・(男の体内から何か焼け焦げる音がした後、頭部の穴という穴(鼻、目、耳、口の隙間)から黒煙が噴き上がる)
王羽美「この症状は・・・!?」
パチパチパチパチ・・・・・
(目の前に燃焼性を帯びた粉塵が落ちてくる)
王羽美「・・・・・・・・」スッ・・(白いグローブをはめた掌を差し出し、火粉を受け止める)
ショワァ~~~~ン・・
(グローブに触れると同時に、粉塵は小爆発して消滅する)
王羽美「・・・・・・・・(間違いない・・・この男性は今の粉塵を吸ってしまったんだ・・)」ちら
・・・・・・・・・・・・
(頭部の穴という穴から黒煙をあげながら横たわる男の遺体)
王羽美「・・・・・(高エネルギーの龍属性と火属性を含有した粉塵を、多量に吸引したことで肺が焼けてしまった・・・。あの時、私の目の前で死滅してしまった村人と同じ様に・・!!)」
グン!!(歯を食いしばり天を睨むように力強く顔をあげるウーメイ)
王羽美「ギルドは一体何をしようとしている・・!?邪龍の厄災を再現しようとでもいうのか・・!!」
ドシーン・・・ドシーン・・・
(炎の海の中、まるで老山龍の様にゆっくりと進行を開始する竜機兵)
王羽美「・・・・・・(別のターゲットを捉えた・・?)」
ドシーン・・・ドシーン・・・
王羽美「・・・・・・(私のミッションは、この国で見たままのことを伝えるだけ・・・おそらく火の国は崩壊するだろう・・・)」
アオオオオオオオオオ・・・・・・
(高周波の咆哮をあげながら牛歩していく竜機兵)
王羽美「殺してやりたい・・・・」グッ・・!
ドシーン・・・ドシーン・・・・
王羽美「邪龍さながらの破壊神を目の前に、何も出来ない自分を!!」バッバッ(怒りを露わに市街地を華麗にパルクールしながら巨大竜を追尾していくホワイトナイト)
「あたちのモンハン日記」
~Sanctuary of extinction~
~オブリビオンの酒場....
ぱぁ~ぷぅ~~~
(火の民の大行列が出来ている酒場の前で大人しくお座りしている雷狼竜の頭の上に乗り、角笛を吹いて市民達の退避を促すボニー。その後ろで周囲を警戒するゲルハルト)
ボニー「さぁさぁ、避難口はこっちだよぉ~!」ぱぁ~ぷぅ~~~
ワイワイガヤガヤ
(雷狼竜はすっかり人混みに囲まれてしまっている。その寿司詰め状態の中、市民を先導するGXハンター装備のハンターが見える)
ゲルハルト「にゃんにゃ(反乱軍のハンターだ。状況を聞いてみようぜ)」
アイオロス「ちょっとチミチミ」(目下で市民を先導する反乱軍兵士に声をかける)
反乱軍兵「自分っすか!?雷狼竜の兄貴!」(実に顔がまあるい純情そうなぽっちゃりハンター。腰にはエッグハンマーを携えている)
アイオロス「市民の数がずいぶん増えてきたけど、第四地区の市民かい?」
反乱軍兵「そうっす。自分らが連れてきますた。これで全員ぜす」びしっ(敬礼をかます)
アイオロス「ご苦労様。そのまま太古の森までエスコートをお願いするよ」ぱぁ~ぷぅ~~~(頭の上でムーディー猫が角笛を吹いている)
ざわざわざわざわ・・!!
(市民達が同じ方向を見てざわめいている)
ボニー「どうしたんだい!?」
ゲルハルト「シャアアアアア!!(火山の方だ!!)」
グオオオオオオオ・・・・!!
(遠方に高く聳える火山の頭上が、とぐろを巻いた様な漆黒の積乱雲に覆われている)
ボニー「噴火が止まった・・・」
市民「見ろ!!」
ヒョウウウウウン・・ヒョウウウウウン・・!!
(黒雲から真下の火山に向かって落下していく巨大な氷塊群)
ゲルハルト「!!(あれは・・・)」
市民「やはり火の神はお怒りなのだ・・・争いごとを止めなかった、この国を罰するおつもりだ!!」
市民「早く地下道へ逃げろ!!殺されるぞぉおおお!!」ワアアアアアアア
ボニー「みんな落ち着くんだ!」ザワザワザワザワ・・!!
アイオロス「なんにしても噴火が止まった今が逃げるチャンスだ。みんな!慌てないで避難するんだ!」ワアアアアア・・・・!!
ロージー「どうしたの!?」タッタッタッタッ(酒場の路地から姿を見せるカーブー一行)
ガルグイユ「お山を見るでちゅ!!」
ベルケル「なんと・・・」
カーブー「何が起きてるんだ?みんな怯えている様に感じるが」
ファイヤージンガー「火山で雹災が起きてやがるんだよ。それもとてつもなくでっけぇ氷の塊が火山一帯を打ちつけてやがる・・!」
カーブー「雹災・・・」
ガルグイユ「氷海出身のサメちゃんも、あんなのはじめてみまちた」あんぐり
ブワッサ・・ブワッサ・・
(上空から火竜特有の羽音が聞こえる)
ロージー「お兄ちゃん!アルちゃんだよ!」
ブワッサ・・ブワッサ・・・ドシーーーーン!!
(酒場の前の居住区屋上に着陸する金火竜。下の市民達は皆、体を屈めて風圧に耐えている)
アルテミス「緊急着陸にしちゃ、上出来だね」(後ろで首に跨った黒い撫子装備を着たエリーゼが微笑んでる)
アラン「ロージー!!一緒に来てくれ!!」ひょっ(純平と共に背中から飛び降りる)
ボニー「アラン隊長!!」
ロージー「何があったの!?」
純平「彭関越が危篤状態だ!!診て欲しい!!」
ロージー「え・・・」
カーブー「行ってくれ。ガルグイユも一緒に行ってくれるか?」
ガルグイユ「えす」こくり
ロージー「お兄ちゃんも気をつけて」
カーブー「ああ。彭関越を頼む」
ロージー「・・・・・・」こくり
ダッダッダッダッダッ
(屋上から下に向かって長い首を下ろす金火竜に向かって走っていくロージー)
エリーゼ「カーブーさん!丞相様は反乱軍のリーダーらと共に、ジャバルサマーンに向かいました!!」
カーブー「ジャバルサマーン・・・煉獄の山・・」
ベルケル「そこに火の神がいると伝えられておる」
カーブー「・・・そうか。UBUさんは元凶を断ち切りに・・・まったく。いつもおいしいところをもっていく人だ・・。中尉さん!!ロージーを頼みます!!」
エリーゼ「分かりました!カーブーさんもご無事で!」(へっこらとエリーゼの後ろに乗るロージー。二人の掛け合いが面白くないのか、はっきりと不満そうな顔を見せている)
アラン「ほんじゃ、あとでな!!」
純平「警部!市民を頼むぞ!」バッサバッサ・・バッサバッサ・・(上昇していく金火竜)
アイオロス「了解」やれやれ
ビュオオオオオオオオン!!
(空中で華麗に旋回して火の海の方へ向かっていく金火竜一行)
アイオロス「得体の知れない巨大竜に、天変地異の連続・・。僕はこれ以上何があっても驚かないよ」
ゲルハルト「モミャ~(あれでもか?)」てん(雷狼竜の背中を叩いて促す)
アイオロス「へ・・」
・・・・・・・・・・・
(ジャバルサマーンはすっかり噴火を止め、いつの間にか氷山へと変貌している)
ボニー「嘘・・いつの間に・・」
アイオロス「・・・・・・。噴火が止まったんだ。ラッキーと考えるべきだね」
ゲルハルト「みゃんみゃい(凍土の山に大変身だ。UBUのやつ、今度はあのミステリースポットで何をやろうってんだ?)」
アイオロス「さぁね。あのお嬢さんがやらかすことにも驚かないよ」ふん
反乱軍兵「雷狼竜の兄貴!じゃあ、自分も市民をエスコートしに中に行ってくるぜす!」びしっ(ここ一番の敬礼をかましてみせる)
アイオロス「ああ。しっかりね」ワアワア・・ザワザワ・・
ドドドドドドド・・・・
ゲルハルト「モミャ?」
アイオロス「この振動音は・・・」
ズドドドドドドドドド!!
(氷の山を背景に、市街地の公道をスライディングしてくる溶岩竜を筆頭に、背後から疾走してくる黒鎧竜、その左右に岩竜の原種と亜種、更にその両脇を固める迅竜と轟竜、そして後続に恐暴竜と桃毛獣と続くモンスター大移動が迫り来る)
ゲルハルト「にゃん(じゃあ、あれはどうだ?)」
アイオロス「少し驚いた」あんぐり(真顔の雷狼竜)
ドシーーーン・・ドシーーーン・・・
(大炎上の中、ゆっくりと前進していく竜機兵のシルエットを、遠方の屋上から眺めるホワイトナイト)
王羽美「間違いない・・・竜機兵は何かを捉えて、その方向に向かって進んでいる・・」
ドシーン・・ドシーン・・・
(その向かう先には氷山と化したジャバルサマーンが聳え立つ)
王羽美「・・・・火山が・・・(あの変貌を察知し、向かおうとしている・・・火山に標的が・・?)」
ドシーン・・・ドシーン・・・
(その動きは明らかに重たく感じる)
王羽美「・・・・・・(足取りが重たい・・・それに飛空していけば早いというのに・・・エネルギーを消耗した・・?或いは機構に異常が発生した証拠・・)」
ボボボボボボ・・・・
王羽美「あれは・・・」
ボボボボボボボ・・・!!
(ジャバルサマーン山脈一帯の麓を埋め尽くすほどの黒煙体が下流してくるのが見える。その「体内」の所々では爆破が起きていることを示す発光が繰り返されているのも確認出来る)
王羽美「火砕サージ・・・・(領内に到達するのも時間の問題か・・!)」
バッサバッサ・・バッサバッサ・・・
王羽美「!?」バッ
バッサバッサ・・バッサバッサ・・
(羽美が立つ屋上より、それほど遠くない位置に垂直降下していく金火竜)
王羽美「・・・・・(金火竜・・・クルセイダーズのメンバー・・?)」バッ(慌てて身を伏せる)
バッサバッサ・・バッサバッサ・・
(金火竜の背中に見えるカリピスト)
王羽美「・・・・・(あれは・・・ロージー・・!!)」
バッサバッサ・・・・ドシーーーン!!
(貯蔵庫の前で着陸する金火竜)
アングリーアッシュ「早かったな」(砕竜と共に巨大な貯蔵庫の前で出迎える)
アラン「見張り感謝するぜ」シュトッ(ロージーの手を取りながら着地する)
タイタンラス「早く診てやれ。先ほどより心拍数が上がっている様に見える」
ロージー「関君!!」ダッ(貯蔵庫の中で仰向けに寝ている河狸獣の下に駆け寄る。その傍らにはサメ型ランスが置かれている)
張虎「ロージー!早く診てやってくれ!!」
ロージー「うん!」スッ
彭関越「ハァ・・ハァ・・・」
エリーゼ「すごく辛そう・・」(ガルグイユを抱いている)
ガルグイユ「河狸のおにいちゃま・・かわいちょうでちゅ・・」
純平「呼吸系がやられているようだが・・」
ロージー「・・・・・・・・・・」(フサフサの胸に顔を埋め、耳を当てる)
張虎「なぁ、どう・・・」
純平「しーーーーーーー」
張虎「・・・・・・・・」
ロージー「・・・・・・・・・・」ドックン・・ドックン・・・(耳を当てるロージーの左肩から、優しく葉っぱの手を伸ばして胸を撫でてやってるドスビスカス)
エリーゼ「・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・
(貯蔵庫の入り口から長い首を覗かせる金火竜、そして身を屈ませて眺めている獣竜種二頭)
ロージー「・・・・・・・・・」ちら
彭関越「・・・・・・・・・・」ぜえ・・ぜえ・・・
ロージー「辛いよね。少し、ごめんね・・」スッ(半開きになっている口元に手を入れる)
ジュッ
ロージー「!?」
ファイヤージンガー「どうした?お嬢」
ロージー「・・・・・・・・・・」スッ・・(口元から手を抜き、掌を眺める)
ファイヤージンガー「怪我でもしたか?」
ロージー「うううん・・・(吐く息が熱い・・・この症状は・・・・!!)」
純平「巨大竜の起こした爆炎内で、何かを吸引してしまったらしい。君の判断は?」
ロージー「呼吸がとても熱くなってるの。非常に危ない状態だわ」スッ(ユクモノオビからかんしゃく玉の様なものを取り出す)
エリーゼ「ユクモスチームボム・・それで緩和出来るの?」
ロージー「応急処置。でも完治は無理だと思う」バシューーーン(彭関越の鼻下でユクモスチームボムを自分の掌の上で叩き、破裂と同時に発生する煙を吸引させる)
ファイヤージンガー「なんだよ・・えらい物騒な言い方しやがって・・」しょんげり・・
ロージー「おそらく関君は何かを吸引したことで、肺の温度が急激に上がっているんだと思う」シュウウウウ・・・・
純平「何を吸引したかは特定出来ないか?」
ロージー「こんな簡単な診断だけじゃ・・・でも心当たりはある」シュウウウウ・・・・
エリーゼ「前にも見たことがあるの?」
ロージー「うん・・・。同じ様な症状を・・・・お母さんから・・」シュウウウウ・・・・
エリーゼ「・・・・・(確かラインハルト公の奥様は、長期プロジェクトの医療研究中に、謎のウイルスに感染し、亡くなったと聞くわ・・・その時の症状と似ている・・?)」
ドシーン・・・・グラグラ・・・
(地響きのような音と共に貯蔵庫全体が揺れる)
ガルグイユ「なんでちゅか・・!?」ドシーン・・・グラグラグラ・・・・
アングリーアッシュ「あの巨大竜が動き始めたらしいぞ」
エリーゼ「まさか・・市民達の方に!?」
アルテミス「だとしたらまずいね。どうだい?あんたら。あいつの気を逸らしてみるってのは?」
アングリーアッシュ「同じ事を考えていた。ここにいても俺たちは役に立たんからな」
タイタンラス「相手が竜機兵なら手応えもあるさ」ズン(重たい全身を上げる)
純平「微力ながらサポートするぜ。ねぇ隊長」
アラン「おうよ」ガション(対物ライフルボウガン(AW50型)を肩に乗せる)
「待ってください」
ロージー「え・・・」ちら
王羽美「・・・・・・・・・」(いつの間にか貯蔵庫の入り口に立っている白いギルドナイト)
エリーゼ「あれは・・!?」
タイタンラス「・・・・・・(俺もアッシュもまったく気配に気づかなかった・・・これがギルドナイト・・)」
アングリーアッシュ「歓迎されないゲストだな。それなりの覚悟と同等の情報があるなら別だがな」ギロッ
ロージー「あなたは・・・」
王羽美「お久しぶりです。ローズダンテ・ローゼンクロイツ」クイッ(ハットを人差し指で少しあげ、顔を見せる)
ロージー「ウーメイ・・さん・・」ドシーーーーン・・・グラグラグラ・・・
To Be Continued
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次回「あたちのモンハン日記」ザ・中継ぎ記事はさ!?
12/6(日)0時更新 なんも決まっとらんとですうけけけ
をお送りいたします♪そいじゃあさ、クロスやってる子もやってない子も、次回も読もうよ読も見ようよ