アアアアアアアアアアア!!
(天に向かって吠える竜機兵)
ゴオオオオオオオオオ!!
(一段と燃え上がる第三地区の中心エリア)
ジュウウウウウウ・・・・・・
(倒壊した石造りの建造物の中央に、落下衝突したと思われるアカムアーマーの肉片(背中の部位だろうか。特徴的な棘が確認出来る)が、焦げた煙をあげている)
アガッツィ「アカンターが・・なんの抵抗も出来ずに・・・」ボオオオオ・・・・(ガスマスクを顔面に付け、居住区の隅から一連の焦熱地獄に唖然としている。もちろんマスク着用の為、素顔は不明なのでご安心を)
ハンス「こうなっては退避しかあるまい」(同じく顔面にガスマスクを付けているバンギスネコヘルムの獣人)
アガッツィ「俺達の負け・・ですか・・」ボオオオオ・・・・・(緋色の炎が照らす灯りを受けながらしょんげりする)
ハンス「勝つさ。確かに俺達は敗北したかもしれんが、それは小さな局面においての話だ。総合的に敵を打ち負かすことが出来れば、それが大きな勝利となり、聖戦として後世に受け継がれる」
アガッツィ「生きているうちは戦い続ける・・・ギルドとの、他勢力との抗争は今後も激化していくということですか?」ボオオオオオ・・・
ハンス「つまらない戦果などギルドにくれてやれ。大陸の終末に生き残るは俺達、ブラックギルドだ」
アガッツィ「・・・・・。俺、正直、将軍のこと、ただの縁故主義で成り上がってきた獣人だと勘違いしてました・・。食べます?」スッ(懐からドドブラリンゴを差し出す)
ハンス「俺は今も昔も、そして組織の中でもアウトサイダーだ。死にたくなければついてくるのも・・いいだろう」パシッ(白いリンゴを受け取る)
アガッツィ「へへ・・そうします」(ガスマスク越しに微笑んでいるのがわかる)
ハンス「ならば見切り、切り替え、復讐は再戦で果たせ。行くぞ」バッ(倒壊した建造物の間を縫っていく)
アガッツィ「ってことは・・またギルドは竜機兵を放ってくるってことっすか!?」あわわわわ
ハンス「臆するな!!次のゲームまでに古代の技術を上回ればいいだけのこと!!腐敗したテクノロジーなど、新時代の龍科学で一蹴してやるさ!!」びょーんびょーん(残骸の上を飛んで行く。その中には覇竜の大牙も見られる)
アガッツィ「はは・・ゲームか・・・って、待って下さいよぉ~」ダッ
「あたちのモンハン日記」
~Sanctuary of extinction~
~オブリビオンの酒場
ワアアアアアア・・・・!!
(我先にと酒場の中へ行列をなす火の民。それを制御するように入り口横に立つ雷狼竜。頭の上にはボニーとゲルハルトが乗っている)
ボニー「押さないで押さないで!!みんなちゃんと逃げれるから、きちんと並んでおくれよ!!」
火の民の爺さん「ワシが先じゃ~!!」バッ(群衆を飛び越えて店の中に入ろうとする細身の爺さん)
ボニー「ずるしちゃダメ!!」ブーーーン(ブーメランを投げた)
火の民の爺さん「いちい!!」こちーん(後頭部にクリーンヒット。群れの中に腰から落下する)
ゲルハルト「モミャいにゃい(不甲斐ないな。こうして市民を落ち着かせることしか出来ねぇんだからな)」
アイオロス「立派な仕事さ。それとも君は、あっちのバケモノ相手に単騎で挑むつもりかい?」ちら
ボオオオオオオオオ・・・・・・
(市街地エリアの中心は火の海に包まれ、その炎のゆらぎの中央に巨大な人工竜の影が見える)
アイオロス「どうやら暗黒商会自慢の搭乗兵器もやられたみたいだね。ザマァみろ」クックックックッ
ゲルハルト「シャアアアアア(むかつくぜ。あのままのさばらせておくつもりかよ?)」ワイワイガヤガヤ
アイオロス「こっちに来る前に、早く市民を逃がさないと。相手をするかどうかは、それからだ」ワイワイガヤガヤ
市民の女性「警部さん。じゃあお言葉に甘えて、先に逃げてるわよ」(足元で話しかけてくるヒジャブ系女子達)
アイオロス「ああ。先導は反乱軍の子達がやってくれてるみたいだから、彼らに付いて行けば大丈夫さ」
市民の女性「また警部さんに会える?」(優しそうな顔をしたヒジャブ女子が心配そうに雷狼竜を見上げる)
アイオロス「ああ、もちろん。さ、早く」
市民の女性「・・・・・・・」こくり
タタタタタタ・・・・
(他の市民に促され、店内に入っていく女子達)
ゲルハルト「みゃ~(デートの日取りでも決めれば良かったんじゃねぇ?)」
アイオロス「かもね。みんな気の優しい、いい人ばかりだよ。この国は」
ボボボボボボボ・・・・・
(遠方で噴煙止まない火山)
ゲルハルト「ミャア・・・(だから火の神なんていう虚像を信じちまってるんだ)」
アイオロス「弱さに付け込む悪魔の正体か・・・それはお嬢さんに任せよう。どっちにしても、あのままじゃ火砕サージが心配だ。早く市民を退避させないと」ちら
ワイワイガヤガヤ
(店内は人の群れで、皆、カウンター中の床に開かれた階段へと下りて行く)
ゼキ「慌てないでください!床が抜けたら大変ですので」あたふた(カウンターテーブルの上に立ち、皆を誘導している)
ゾフィ「おらぁ!!言うこと聞けぇ!!エゴ剥き出しのやつぁ~、俺の双剣で首チョンパだぞ!!」シャキーン(同じくテーブルの上に立ち、テッセンを抜いて脅している)
反乱軍兵「ゼキ!お前の指示通り、第四地区にいる市民にも仲間を派遣した!直に来ると思う!」(群衆を隔てて頭を突き出しながら叫ぶ同志)
ゼキ「ありがとう!そしたらそのままみんなを怪我のないよう、誘導してやってくれ!」
(大混雑の中、Vサインだけが飛び出てる)
ゼキ「フフ。あ、お婆さん、一人で降りれますか?」バッ(テーブルから飛び降り、階段手前でふがふがしている婆ちゃんの手を引いてやる)
ゾフィ「まったくとんだお人好しだぜおら!そこのおっさん、ボケっと見てねぇで手伝ってやれよ!!首チョンパすっぞ」ブッ(つば吐いた。悪いから)
トム爺さん「娘さんや」ぬう(ゾフィの足元に顎を乗っけてくる爺さん)
ゾフィ「いぎゃああああああな、なんだよ」
トム爺さん「ありがとうな。これで俺等は生き延びることが出来る」にこり
ゾフィ「・・・・・・・」
トム爺さん「・・・・・・・・」きらきらきらきら(仏さんの様に綺麗な笑顔を見せる無垢な老人)
ゾフィ「・・・・・・。これ、もってけよ・・」ぽい
トム爺さん「ふが?」たしっ(小瓶をキャッチする)
ゾフィ「クーラードリンクだ。洞窟の深淵の上はマグマだろ?温度も上昇するはずだ。あっちかったら、それ飲みやがれ」ぷい
トム爺さん「まるで死んだ婆さんみたいに優しい娘さんじゃ」にこり
ゾフィ「俺はまだ死なねぇの。ほれ、早く行きな」しっしっ
ザッザッザッザッザッザッザッザッ・・・
(一礼をして去る老人に続き、皆、階段へと下りて行く)
ゾフィ「ちっ。ユーリィにあんなとこ見られたら、一生、からかわれちまうな」はぁ~
ゼキ「お姉さんのことですか?」よっと(再びカウンターテーブルに上がってくる)
ゾフィ「まぁな・・・って、そこのおやじ!!婆さんの背中、押すんじゃねぇ!!」ブンブン(テッセンを振り回す)
ゼキ「平気ですよ。必ず、ソフィさんのお姉さんも、アルルが連れてきます」
ゾフィ「お姫さんが連れてくるんじゃねぇの。ユーリィがおめぇの片思いの女を連れてくるんでぃ」ぷん
ゼキ「・・・・・・・。もう、吹っ切れました」ワイワイガヤガヤ・・
ゾフィ「んあ?なんだおめぇ、すんなり引き下がっちまうのか?ソネルってやつの為に」
ゼキ「それもありますが・・それはそのぉ・・・」ちら(もじもじしながらゾフィの顔を見る)
ゾフィ「いいか?男ってのは一度、女に惚れたら、その情熱が燃え尽きるまで、女に想いを尽くす生き物だ。友情とかあめぇこと抜かしてねぇで、おめぇの口から一言好きだって言ってやれ。そこは相手の気持ちよりも、自分の心を優先させろ。でねぇと、一生後悔すっぞ」
ゼキ「・・・・・・・。ありがとう。ゾフィさん」
ゾフィ「んだよ。もやしみてぇな細っこい顔面で、人の顔ジロジロ見やがって」チッ
ゼキ「いえ。なんでもないですよ」フフ
ゾフィ「すかしてんじゃねぇ」パかぁ~ん(手刀で縦に顔面を打つ。悪いし鈍感だから)
ゼキ「イタタタ・・」
ゾフィ「少しはブタれて強くなれってんだ。おめぇはもやしっ子だからな」ふん
ゼキ「優しいんですね、ゾフィさんは」すりすり(赤くなった鼻を撫でながら言う)
ゾフィ「な・・呑気言ってんじゃねぇ!!んなことより、あの女どうした?ほら、裏切り者の連れの女だよ(そこだけ小声で喋る)」
ゼキ「ディララですね。そういえば姿が見えないな・・・」きょろきょろ
ゾフィ「どさくさに紛れて、もうとっくに退避したのかもな」
ゼキ「ならいいんですが・・・ヤウズとソネルも心配です・・」しょんげり
ゾフィ「ネガティブ禁止!!」ぱぁ~ん(右頬をテッセンで引っ叩いた。なんの躊躇もなく)
ゼキ「だって・・」(泣きながら言う。当然ながら)
ゾフィ「いちいち泣くんじゃねぇ!!今は仲間を信じろ!!そいつらと笑顔で再会したけりゃ、その為の布石を打っておくのが信頼と絆ってもんだ!!」ふん
ゼキ「・・・・・・。ほんとに・・ゾフィさんの言葉って、勉強になります」すりすり(ぷっくり腫れた右頬を撫でながら、凶暴女の顔をまじまじと見つめる)
ゾフィ「はぁ?くだらねぇこと言ってっと、またぶつ・・」ちら
ゼキ「・・・・・・・・」すりすり(キラキラした瞳で見つめられてる)
ゾフィ「チッ・・。いちいちムカつくんだよ。てめぇの純真さは」ペッ
ゼキ「??」
ゾフィ「そんなに素直だと、いつか簡単に死んじまうぞ」てぇ~ん(軽くおでこを突く)
ゼキ「そうならない為の今ですよ」にこ
ゾフィ「・・・・・」むかっ
ゼキ「あ、また怒らせてしまいましたか?」
ゾフィ「うっせぇ」ふんだ
ゼキ「ふふ」
ザワザワザワザワ・・・
(市民達は順調に地下道へ下りて行っている)
ゼキ「そういえば外のカーブーさん達、一体何を話してるんでしょうね?」
ゾフィ「さぁな。ベルケルって爺さん、シャークハンターの出した七色のチケット見るなり、ここの階段を開く鍵を渡しやがった。なんか「ワケあり」なんじゃねぇの?」ほれほれ(カウンター席の上から市民を雑に誘導してる)
ゼキ「カーブーさんに何かお願いがあると言ってましたが・・・」(窓の外を眺める)
ワイワイガヤガヤ・・・・
(市街地の路地裏、酒場の裏口付近に立つベルケル、カーブー、そしてガルグイユを抱いたロージー)
カーブー「翁。ありがとう。これで市民のみんなは無事に逃げれそうですわいな」わっはっはっはっ(から笑い)
ベルケル「ふん」ゴキュゴキュ・・(まだ酒瓶を飲んでる竜人の翁)
ガルグイユ「しょれより、おじいちゃま。カーブーお兄ちゃまにお願いってなんでちゅか?」(ロージーの胸の中から話しかける謎のサメ型生物)
ロージー「そうそう。地下道を開かせてくれたんだもの。なんだって聞くわよ♪あたしじゃないけど」ププ~
カーブー「まったくお前は・・・さぁ、翁。話しなさい。私に出来ることであれば何でも致しましょうぞ」ふぉ~ふぉふぉふぉっ
ベルケル「話は簡単じゃ。年老いたワシに変わり、クエストを達成して欲しい」ぷはぁ~
カーブー「クエスト?」ふむぅ~
ベルケル「復讐じゃ」ガシャーン(酒瓶を地面に叩きつける)
ワイワイガヤガヤ(店の向こう側から聞こえる雑踏の声)
ロージー「ふぁ・・・・」
ガルグイユ「くわちく話すでちゅ」
ベルケル「・・・・・・・・・・」
カーブー「翁」
ベルケル「おぬしにチケットを渡した、キャメロン脱退後のゴッド山菜組合を引っ張ったのは、他でもにない、このワシじゃった。おぬしはゴッド山菜組合の結集目的を知っとるか?」
カーブー「いえ。キャメロンさんから何も」
ベルケル「そうじゃろうな。あいつは組合の仕事に疲れ果て、自由になる為、俺等に死んだと思わせ、世俗から姿を消した臆病者じゃ」スッ・・(ポケットから別の酒瓶を取り出す)
ロージー「キャメロンさんは立派な方だったわ。現にあたし達を助けてくれたもの・・」しょんげり
ファイヤージンガー「そうだぜ、爺さん。俺たち、植物はあの爺さんをゴッド山菜爺さんと呼んでたくらいなんだからな」
ベルケル「ふん。確かに彼奴は人格者だった。だが、その真面目な気質故、心身ともに疲弊してしまったんじゃ」しょぽ~ん(酒瓶を「歯」で開ける。それを見てドキッとするガルグイユ)
ロージー「任務って・・なぁに?」
ベルケル「俺等、ゴッド山菜組合の目的は、大陸に散らばるジェネシスオーパーツの破壊。つまり、古代文明の遺産と、その技術取得方法が封印された遺物を、他者に悪用される前に集めることじゃった」
カーブー「ジェネシスオーパーツ・・・(以前、凍土でニャークやザンコさんが巻き込まれた、あの事件・・・確か、その騒動の元となったのが、竜水晶と呼ばれるジェネシスオーパーツだったが・・)」
ベルケル「キャメロンがリーダーだった頃のゴッド山菜組合は、そりゃ~もぉ活発的でな。皆で大陸中をよく駆け巡ったもんじゃよ」
ファイヤージンガー「さぞ、すげぇ冒険録だろうな。想像だけで酒が飲めるぜ・・って、そうか。その頃の熱い想いを忘れる為に、酒を浴びる様に飲んでんのか・・」
ベルケル「ふん。俺等はオーパーツが公になる前に、見つけては破壊し、その存在を消し去っていった。すべては大陸の意志に従ってな」ゴキュゴキュゴキュゴキュ・・
ロージー「大陸の意志・・?」
ガルグイユ「いったいなんでちゅ?サメちゃんの様な幼児にも分かる様に説明してくだちゃい」
カーブー「祖龍だよ」
ベルケル「・・・・・・・・」ぴく
ロージー「え・・」
ベルケル「そう。俺等、ゴッド山菜組合員は、皆、祖龍崇拝信者なのじゃ」
ガルグイユ「しょりゅうしゅうはい・・・」
ベルケル「自然を崇拝し、苦行を重ねることで、この大陸の主と意思疎通の出来る者のことじゃ」
ロージー「じゃあ、ベルケルさんも・・・」
ベルケル「ワシは出来ん」きっぱし
ロージー「え?」
ベルケル「出来たのはキャメロンだけじゃ。キャメロンはその卓越した直感力を使い、大陸の意志を受け取り、オーパーツの回収を俺等に命じておったのじゃ」
ファイヤージンガー「すげぇ爺さんだったんだな・・あの人って・・きっと」
ベルケル「大陸の・・祖龍様の意志は、この大陸の至る所で感じることが出来るそうじゃ・・・。まったく羨ましい話しじゃよ」
ロージー「ベルケルさん・・・」
ベルケル「然し、よう祖龍様だと分かったな。おぬし」
カーブー「経験があります」
ベルケル「ほぉ・・・やはりお前さんを選んだのは間違いなかったようじゃ」
アオオオオオオオオオ・・・・・!!
(遠方より領内に響き渡る竜機兵の雄叫び)
ファイヤージンガー「またあの気味悪い声だぜ!」
ガルグイユ「大丈夫でちゅ。こわくないでちゅ」
ベルケル「そうじゃ。あんな「贋作」、畏れるに足りんわ」
カーブー「と仰ると?」
ベルケル「俺等はな、過去の、竜大戦時代の忌まわしき記憶を消却する為に、大陸の意志を授かり実行していたのじゃ。すべては今日の日の様な、災いが起こらぬ様に・・」
ロージー「ふぁ・・・・・」
ベルケル「じゃが時代は文明の向上とともに、いつしかハンター主体の先進的狩猟社会へと変わっていった」
ファイヤージンガー「そうか・・そこで爺さん達の目的を邪魔する連中が現れた・・・」
ロージー「え・・それって・・」
カーブー「ギルドだ」
ベルケル「ハンターズギルドは邪龍討伐を目的に結成されると同時に、多くの屈強なハンターを抱え、王立古生物書士隊や古龍観測隊をはじめとする見識ある組織を、自らの懐刀とし、更に勢力を拡大していきおった。ハンター達は未開拓地を荒らし、モンスターだけでなく、その土地々々の秘宝、秘術、そしてジェネシスオーパーツをも略奪していったのじゃ」
ファイヤージンガー「ハンター帝国主義ってやつだな。お嬢の父ちゃんは、そのギルドの影を公にする為に、わざと帝国と称し、今も戦っているんだぜ」
ロージー「・・・・・。ねぇ、ベルケルさん。じゃあ、多くのジェネシスオーパーツは、ギルドの手にも・・」
ベルケル「渡っておる。その動く証拠が、ほれ」
アアアアアアアアアアア!!
(また全身を貫く高周波の咆哮が鳴る)
ベルケル「イコール・ドラゴン・ウェポン。よりにもよってギルドは、あんなものを再生させおった」やれやれ
ロージー「そんな・・・」
ベルケル「今思えば、キャメロンはギルドのような巨大組織には勝てまいと、ゴッド山菜組合を解散させる為に、消えたのじゃろう」
ファイヤージンガー「どういうことだ?」
ロージー「・・・・お爺さん達の持ってる、ジェネシスオーパーツの知識、情報を得る為に、それを欲しがる悪い組織が、どんな手段を使ってくるか分からないから・・」
ファイヤージンガー「ナナッ!?」
ベルケル「その通りじゃ・・。山菜組合のメンバーは、ワシを残して、皆、殺されたしもうたんじゃからな」
ロージー「・・・・・・・・・・・」
ベルケル「ワシが一人で山を降りた日のことじゃった・・その間に事件は起きた。ワシが山のアジトに戻ってくると、組合員は皆、惨殺されたあとじゃった・・」
ファイヤージンガー「相手は・・」
ベルケル「唯一、息があった仲間に誰がやったのか問うと、「首の後ろ・・邪龍の刺青」とだけ言い残し、息を引き取った・・。ワシが知りうる証拠はそれしかないのじゃ・・」
ロージー「邪龍の刺青・・・」
ベルケル「果たしてそれがギルドの者なのか、他の反体制派の暗殺者なのかはわからぬ・・・ワシはただ、その場から逃げ出し、すべてを忘れる為に、世俗との繋がりのない、この火の国に逃げ込んだのじゃ・・・」ガクン・・(その場に両膝をつく)
カーブー「・・・・・・・・・」
ベルケル「キャメロンのことなど言えん・・。復讐すべき見えない相手に怯え、酒に溺れ、仲間との記憶を忘れようとワシは・・・ワシは!!」ガーーンガーーン(泣きながら地面を殴りつける)
ファイヤージンガー「爺さん・・・」ガーンガーン・・
ベルケル「じゃが、おぬしの持ってきたこのチケットを見て、再び思い起こした」
スッ・・(血だらけになった拳を緩め、胸元から七色のチケットを取り出す)
ロージー「思い出のチケット・・そうでしょ?」
ベルケル「例え俺等が離れ離れになっても、このチケットを通し、協力し合うと心誓った・・・!!いくら酒を飲もうと、老化と共に脳細胞が破壊していこうとも忘れられん記憶・・・仲間の死だけは、忘れられんのじゃ!!」
ゴオオオオオオ・・・・・(遠くから聞こえる炎上音が、号泣して蹲る翁の悲哀の嗚咽を打ち消す。それを黙って見届ける一同)
ベルケル「ううう・・・ううううう・・・!!」ぽちゃ・・ぽちゃ・・
カーブー「翁」スッ・・(ベルケルの前に屈みこむ)
ベルケル「・・・・・・・・・・・・」ギュッ・・(俯いたままチケットを握りつぶしている)
カーブー「キャメロンさんは、そのチケットが俺を助けてくれると言った。あなたは見事、それに報いてくれた。今度は俺がそれに応える番だ」ガシッ(優しく肩を掴む)
ベルケル「・・・・・・・・・」(号泣しながらゆっくり顔を上げ、カーブーの顔をまじまじと見る)
カーブー「翁。俺は何をすればいい?」
ベルケル「・・・ワシの代わりに・・ワシの代わりに仲間の仇を討ってくれぇえええええええ!!!!」
ボオオオオオオオオン!!
(遠方の火山が再び噴火した爆音が路地裏にも轟く)
ファイヤージンガー「なんだ!?」
ガルグイユ「お兄ちゃま!!五時の方向でちゅ!!」
ヒャオオオオオオオオオオン!!
(路地裏に向かって火球が飛んでくる)
カーブー「ベルケルさん!!」ガシッ(翁をその大きい胸に抱き、颯爽と立ち上がる)
ヒョオオオオオオオオオン!!
(メラメラ燃えがながら落下してくる火球)
カーブー「このクエスト!!」
ショウィーーーン(ベルケルを胸に腰に携えているユクモノノダチを抜刀する)
カーブー「しかと承ったぁあああああああああ!!!!」
ジャキーーーーーーーーン・・!!
(真上に落下してきた火球を綺麗に真っ二つに割る)
ドワアアアアアアアン
(2つに割れた火球が路地裏に落下する)
ロージー「お兄ちゃん!!」
ガルグイユ「カーブーお兄ちゃま!!」
カーブー「ああ。まずはここから生き延びる方法を探そう。ベルケルさんのクエストは、俺の生涯にかけて、必ず達成してみせる」ザッ
ベルケル「おぬしの名をまだ聞いとらんかったな」
カーブー「ユクモのカーブー。なんてことのない。今も、そしてこれからも小さき命の者ですよ」チャキン(納刀する)
ベルケル「そうか・・頼んだぞ。やがて英雄になるハンターよ」(火球の明かりに照らされ、くしゃくしゃに泣きながら満面の笑みを浮かべる無邪気な翁)
To Be Continued
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次回「あたちのモンハン日記」ザ・中継ぎはさ!?
11/30(月)0時更新 たぶん「なぜなに☆あたモン」のコーナーでしょうか
をお送りいます♪月曜更新はなんだか週刊少年ジャンプと同じで嬉しい作者です。読んでないですけどそんだらさ、次回もけたたましい顔しながら読もうよ!見ようよ♪読も見ようよ