~ユクモ村、農場
兵士「さぁ、早く行くんだ」グイ
コノハ「ひゃあああああ」(銃口で背中を押される)
クサッチーニ「おい、乱暴はよせ!彼女はハンターじゃないんだぞ!」
兵士「狩猟者風情が生意気な口を聞くな」ゴン(銃口でぶった)
クサッチーニ「いてえまったく・・爺さんもこの他所者達になんか言ってやれよ!」ちら
ギルドマネージャー「ZZZZZ・・・・」(兵士に抱っこされたまま寝てる)
クサッチーニ「すっかりなつきおってからに・・・もぉ勝手にしろぉ~」ぷんすか
ざわざわざわ・・(農場内には村人が集められており、その周りを兵士達が囲んでいる)
コノハ「みんなまとめて殺されるんだわ・・・よりにもよってあの大陸四大悪女の一人、UBUちゃんが所有するこの農場で・・」めそめそ
兵士「黙って歩け」グイ(また銃口で背中を押す)
コノハ「わぁ~~~んまだ死にたくなぁ~~~~い!!」グイグイ(やや困った顔しながら背中を銃口で押す軍人)
「あたちのモンハン日記」
~Sanctuary of extinction~
ダッダッダッダッダッダッダッダ
(林を駆ける緑色の撫子装束を着たストアガールと、それに並走する大樽を背負った自称「行商人見習い」)
六本木「ハシレ、ヨーコ。コノママ、マッスグ」(パノの頭の上に止まってる)
ヨッコ「はぁ・・はぁ・・あんた、あたしはハンターじゃないんだからね少しは・・」ちら(走りながら横を見る)
パノ「・・・・・・・」ダッダッダッダッダッ
ヨッコ「・・・・・(この子・・あんなもの背負ながら顔色ひとつ変えず走ってるけど・・・それも行商人を目指す者なら当たり前ってこと・・?)」ぜえぜえ・・(今にも死にそうな顔しながら考察する)
パノ「休みます?少し」ぬう(並走しながら陽子に顔を近づける)
ヨッコ「へ、平気よ!!それよりも行く宛があって指図してるんでしょうね!?六本木!!」キッ(鬼の形相で鳥を睨む)
六本木「ムラ、キンキュウジ、タイオウ、UBUカラ、キイテル」(パノは走りながら自分の頭の上を見てる)
ヨッコ「で、あんたの愛しのご主人はそういう時、何処に行けって言ってんのよ!?」ぜえぜえ
六本木「アソウ、アソウ。ケンキュウジョ」
ヨッコ「・・・・確かに麻生博士の研究所なら村から離れてるから平気かもしれないけど・・クルセイダーズのみんなに報告する方が先じゃないの?」ぜえぜえ
六本木「クルセイダーズニハ、ミハリノミッチガ、デンダツイッテルコトニナル。ソレ、キンキュウケイビタイセイBプラン、Bプラン♪」
ヨッコ「・・・・・(こいつ・・・普段からUBUちゃんに軍務に関することを調教されてるんだ・・意外・・っていうか、抜け目ないその主人を褒めるべきなのか・・なんなのか・・)」ぜえぜえ
パノ「遠いですか?そこ」ダッダッダッダッダッ(上目遣いで頭の上の小鳥に問う)
六本木「モウスコシ、ガンバレ、パノ」
パノ「です」ダッダッダッダッダッ
ヨッコ「パノって名前なんだ。あたし、陽子。よろしく・・って、言ってる場合じゃないか」ぜえぜえ
パノ「そうでも。よろしくです」ぺこり(六本木が落ちないよう気を使いながら頭を下げる)
ヨッコ「あれ・・あなた・・パノさん、確か頭に綺麗な髪飾り付けてたはずじゃ・・落としちゃった?」
パノ「どうもですお気遣い。それならご心配なく。ちょっとした諜報活動中です」ダッダッダッダッダッダ
ヨッコ「??」
六本木「ハシレ!ナデシコガール!ヨソミスルナ!ヨーコボケ!」
ヨッコ「わぁ~ってるわよ」ぷんすか
パノ「ほんと。愉快な方々で」
~村長宅、外
じーーーーーーーーーーー(林の木陰から村長宅を覗くあやしげな視線)
すあま「謎や・・・ミステリーや・・・」じー
リカ「ねぇ、こんな所で見てないで中に入れてもらおうよぉ~」パチン(腕に止まったモスキート系の虫を叩く)
トンコ「しょれよりもさっき村の方で何か騒がしい感じがしなかったニャ?」パチン(リカの後頭部に止まった虫を叩く)
デブ「そういえばそうだね。ボウガンの発砲音が聞こえたようにも・・・」ふむ~
リカ「え~!?発砲音って、それほんとぉ~」ぽりぽり(虫に刺されたっぽい二の腕を爪で掻いてる)
デブ「うん・・確かあの独特なボウガンの音には聞き覚えが・・」ふむ~
すあま「なんや頼りにならんハンターやで」
リカ「ま、それがデブさんらしいっちゃらしいけど・・ね!」パチ~ん(デコに止まった虫をひっぱたくも逃げられる)
デブ「あれぇ~」
トンコ「なんだニャ?」
デブ「ほら、あそこ。村長さんちの中庭の方・・」
トンコ「みゅうううう」(目をまあるくしてその方向を見る)
ひらひらひら・・・・
(村長宅の中庭の上を華麗に舞う、一匹の美しい紫色の蝶)
トンコ「綺麗な「ちょうちょう」だニャ・・・」うっとり
デブ「珍しい種類だけど・・ほんとに美しいなぁ・・」うっとりデブ
リカ「ほんと・・・素敵~♪」ちゅうちゅう(うっとりしてる間にモスキート系の虫にデコをちゅうちゅうされてる)
すあま「昆虫観察もええけど、静かにしいや。ほら、誰か来たで。細谷さん、頭さげぇや」グン(リカの頭を下に押す)
ザッザッザッザッザッザッザ・・・・・
(黒い迷彩模様の軍服を着た、見るからに士官クラスの軍人と、その護衛と思われる禿頭の大柄兵士が村長宅に入っていく)
すあま「あれは・・・」じー
トンコ「村の人間じゃないニャ」じー
リカ「新しいハンターさんが村長さんに挨拶しに来たんじゃないの?」パチン(足に止まった虫を叩く)
デブ「連中はハンターなんかじゃない・・・!」ガクガクガク・・
リカ「にゃあ?」ぽりぽり
デブ「そうか・・さっき聞こえたボウガンの音は奴らの改良ボウガンの発砲音だったんだ!」
すあま「何か・・知っとるんか?太ったおにいはん」
デブ「あの軍服は忘れもしないよ・・・砂漠の軍人だ!!」
~村長宅
カポーーン
キザ夫「ZZZZ・・・・・」ぐるぐるぐる(ツル草で体を縛られてる)
ダリア「これでよし。しかしまぁ、よく眠ってることだね」ゴロン(ぐるぐる巻きになったキザ夫を軽く押す)
ササユ「チラ見さん(キザ夫の苗字)」
村長「私達をどうするおつもりで・・?」ちら
マウロ「直に俺達の上官がそれを説明しに来るさ。それよりもこのお手製の火薬燃料を、あんたらを拘束してるツル草に塗らせてもらうぜ」
サムソン「・・・・・・・・・・・・」ちら
ダリア「大人しく塗られるんだね。妙な真似したら、この二人の首の骨をへし折るよ」にや(村長とササユの背後で不敵な笑みを浮かべる)
サムソン「わかっとるよ・・・ほむ・・」ちら(中庭に目をやる)
ひらひらひら・・・・
(美しい紫色の蝶が見える)
サムソン「ん・・・・(蝶・・新大陸では目にしない種だな・・)」
マウロ「さ、いい子にしててくれよ、ミスターアンダーソン。こいつはあんたらハンターでも作れるような「素人品」じゃないんでね。扱いも大都市に住んでる女優並にデリケートってわけさ」ぺちょりぺちょり(サムソンの背後で両手を拘束しているツル草に、なにやら怪しげな化合物を塗っている)
サムソン「おぬし、どこでその技法を取得した?」
マウロ「なぁに。少し前までメルチッタの警備部機動隊にいたのさ。聞いたことあるだろ?爆発物処理班ってやつだよ。さ、お次はそっちのレディ達だ」
サムソン「メルチッタ・・・旧大陸の爆発物処理のエキスパートが、なぜ新大陸の外人部隊に?」
マウロ「あんたんとこの大将が、先の新大陸での革命時に発した宣戦布告の影響さ。ギルドを快く思ってない連中なんざ、大陸には五万といるんだぜ?あの布告はそういった奴らがかねてより抱いていた不満や怒りを同調させ、その野心の矛先をこの新大陸に向けさせたのさ」
サムソン「新大陸にこそ大陸社会の未来がある・・と?ほむ・・・本来は宣戦布告と同時に、マイノリティな同志を探し当てる為のプロパガンダも目的であったのだが・・・これもあのじゃじゃ馬が持つカリスマ性の影響力というものか」やれやれ
マウロ「だからさ。俺もちっぽけな故郷の為、まっとうに稼ぐのが馬鹿らしく思えたんだよ」ぬりぬり(村長とササユの両手を縛るツル草にも化合物を塗りつける)
サムソン「それで、その時培った技能を活かして砂漠の外人部隊に再就職というわけか。とても大陸就活問題に悩まされとる純真な者達には勧められん転職コースだな」
??「そう悲観しなくともいいぞ。元騎士団領の英雄」ザッ
サムソン「ん・・・・・」ちら
??「私はブラックガーディアン・サンディープレイン治安部隊東支部03歩兵小隊を統括している、エリック・ブラックモア少尉だ」バッ(敬礼をする白人短金髪のベテラン軍人)
サムソン「とても初老の記憶デバイスでは覚えられんな」やれやれ
ダリア「予定より早いじゃないか、少尉」バッ(敬礼する)
マウロ「皆さん、お待ちかねでしたよ。ブラックモア少尉から「事の事情」を聞くのをね」バッ(敬礼)
ブラックモア「ロドリゲス曹長。そちらが?」
ダリア「ああ。こっちがユクモの村長だよ」クイ(顎で指す)
ブラックモア「ボナッタ軍曹もご苦労であったな」
マウロ「とんでもない」スッ(貴族的な一礼をしてみせる)
ダリア「フランクは一緒じゃないのかい?」
ブラックモア「家の中を調べている。それよりも・・・」ちら
サムソン「私のことは事前に・・いや、村全体の資料はすでに掌握済みのようだからな・・早速だが要求を聞こうか。なぁ、村長」
村長「・・・・・・・」こくり
ブラックモア「要求?それは適切な言葉ではない。確かに君たちに対してのリクエストはあるが、強い要求を示す程のものではない。ただ大人しくしていてくれさえすれば命の保証もする」
サムソン「村人を商品とし、身代金を・・ギルドに要求か?」
ブラックモア「ご名答。となれば一刻を争う。そこでだ・・見たところ、そこのご婦人はギルド関係者の様だが・・」ちら
ササユ「単なる受付嬢です」ぷいっ
ブラックモア「君には早急に村の近郊にあるギルドマーシャルを訪れて欲しい。無論、これから言う要求をロックラックギルド本部に伝言する為にだ」
ササユ「まぁ・・・とても大事なお仕事のようですね・・」きょとん
ブラックモア「至ってシンプルなものだ。ロックラックギルドに求める要件はただひとつ。君がユクモを発ってから72時間内に、村人と交換する為の身代金1億Zを用意すること。もちろん現金一括で、村への運搬は君が一人が行うんだ。金はすぐに確認出来る様に一つの袋に入れて持ってこい。以上だ」
ササユ「あら・・・たった3日間でお金の輸送が間に合うかしら・・」
サムソン「そんな大金では準備時間も必要だしな」
ブラックモア「心配ない。現在ユクモマーシャルでは非常時用に、署内に特別仕様のガーグァ数匹を所持している。先のウイルス騒動でも現にGDCA局員は24時間弱でロックラックからユクモへ到着している。つまり往復に48時間弱、残りは身代金の準備にゆっくりあてれるというわけだ」
ササユ「じゃあユクモ警察とロックラック間の往復移動はギルドの方にお任せすればいいのですね?」
ブラックモア「そうだ。君はユクモマーシャルの警官に要求を伝達後、署内で待機をし、輸送されて来た現金袋を農場まで運んで来るだけでいい。もちろん一人でだ。ギルドの妙な動きが確認出来次第、農場にいる村人にはスケープゴートになってもらう」
ブラックモア「心配するな。ギルドがユクモの村人を見捨てない限り、連中もこちらの要求に従うだろう」
サムソン「三日間もユクモを無事に占拠できる自信がある・・とでも?」
ブラックモア「無論、君たちクルセイダーズも妙な真似は決してしないように。村人を一人でも殺したくなければな」
サムソン「ほむ・・・・」
村長「人の命を金銭と天秤にかけるなんて・・・」
サムソン「一億Zを持って小隊まるごとこのユクモから無事に撤退出来るとでも思っているのか?迂闊に手は出せないとはいえ、身代金と共にギルドの狙撃手だって当然村に派遣されてくるだろう」
ブラックモア「仕掛けてくるとすれば特別捜査局だろう。だが、それは君の心配することではない」
サムソン「撤退時にも人質を連行するからだろ?」
ブラックモア「・・・・・・・・・・・」
ダリア「それなんだが少尉・・」こそこそ
サムソン「人前でひしょひしょ話しをしては失礼だぞ」
ブラックモア「・・・・・・・。構わん。アルル姫はあくまで「ついで」だ。それに王族の一人娘に何ができようか」
サムソン「・・そうか。アルル姫を盾に逃げようとしていたのだな?」
ブラックモア「君が逃がしたらしいが・・その代わりに村長に来てもらう」
サムソン「なっ・・待て!それなら私が・・」
村長「よろしいでしょう」
サムソン「村長・・・・」
ブラックモア「もちろん撤退が成功したら解放は約束する。良いですかな」
村長「私一人が人身御供になり、村が救われるのであれば喜んで引き受けましょう。その代わりに質問がありますの」
ブラックモア「なんだね」
村長「アルル姫を捕えた場合、彼女の身柄はギルドではなく、暗黒商会に委ねるおつもりでしたの?」
サムソン「・・・・・(そうか・・アルル姫が脱走をしたと知った暗黒団は、すぐに各フィールド勢力に捕縛クエストを緊急通達したのだな・・)」
ブラックモア「村長は聡明なお方ですな。そうか・・アルル姫より火の国の情勢をお聞きになられたか」
村長「はい。あなた方はどうしてアルル姫がこのユクモにいると分かったのです?」
サムソン「数日前から渓流に潜伏していたんだよ、こやつらは」
村長「ユクモを占拠する頃合いを見計らう為に?」
ブラックモア「・・・・・・・・・」
サムソン「かねてよりユクモ占拠を計画していたこやつらは、我ら薔薇十字の人手不足を知り、渓流に潜伏開始する・・・おそらくその前後で暗黒団よりアルル姫捕縛のクエストを受けたのだろう。そして私が姫を連れユクモに戻るのを目撃した部下から報告を受けたお前さんは、直ちに計画の実行を命令した・・・ユクモの人質から得られる身代金に加え、姫捕縛というサブクエストの報酬金も手に入るのだからな。用意周到な計画に運が味方したのさ。違うか?少尉」
ブラックモア「見事な分析力だ、アンダーソン殿。私もあなたのような部下が欲しいものだよ」
ダリア「ケッ。これだから年寄りは嫌なんだよ。人の詮索しか興味がなくなっちまうんだからな」
サムソン「図星の様だな」
マウロ「砂漠の大虐殺を受け、クルセイダーズに報復したがっていた連中も多かったしな。03小隊の連中はみんな少尉の計画に同意したってわけさ」
サムソン「アルル姫がいなくとも遅かれ早かれこのユクモはおぬしらの「入植」を受けていたということか・・」
ブラックモア「そうだ。アルル姫はあくまでも計画実行のきっかけに過ぎん。それにいつまでも渓流に潜伏していては君たちの部下に見つかってしまうからな」
ダリア「GOサイン待ちでうずうずしていたのさ。本隊に知れても困るしね」
サムソン「・・・ショットリーパーが一小隊の勝手な行動を許すわけがないものな」
ブラックモア「それもこの作戦が成功してしまえば関係のないこと・・混沌とした新大陸に見切りをつけるまでだ」
サムソン「金を持って他大陸へ飛ぶつもりか・・・砂漠の死神も自軍の部下を統一出来ぬようでは仕方ないな」
ブラックモア「元帥は純粋戦士のお方だ。現在も仲間の報復をしに凍土へ出向いておられる。その事も計画実行の追い風となったがな」
サムソン「凍土・・・まさか、ショットリーパーはウィンターナイツとやるつもりなのか!?」
ダリア「凍土が悪いのさ。それに連中のほうがふっかけてきたんだよ?」
マウロ「そうそう。連中は俺達のホームグランドに、よりよって古龍の刺客を放ちやがったんだぜ?元帥と共に作戦に従軍していた同胞は皆、その古龍にやられちまったのさ」
サムソン「・・・・・・(信長がUBUと共に見たという炎妃龍のことだろう・・・まさかUBUとフラワーも・・・それにしてもショットリーパーの大うつけめが・・!均衡を崩し、この新大陸を混沌の道へと誘うつもりか・・!?)」
ドスドスドスドス・・・
(軍人のブーツが木床を踏み鳴らす、重苦しい音が聞こえてくる)
アトキンズ「家の中にこれといったあやしい物はありませんでした」ドスドス・・(現れたのは大柄の白人(我らの世界でいうところのケルト系に近い)。もちろん禿頭。背中にはより大型のRPG砲弾型のヘビィボウガンを背負っている)
ダリア「よぉフランク、ご苦労だね」
アトキンズ「ハッ!」ピシッ(敬礼する)
ブラックモア「さて、雑談はもういいだろう。ロドリゲス曹長、お前はそのご婦人がユクモマーシャルに行くのを見送ってやれ。ボナッタ軍曹とアトキンズ伍長はここで待機だ」
ダリア「了解。さ、しっかり伝達してきな。優等生」シュッ(ササユのツル草を解いてやる)
ササユ「は、はい・・・・」ちら
ブラックモア「ご婦人、これを」スッ(砂時計がトップについたネックレスを手渡す)
ササユ「砂時計・・・」スッ(それを受け取る)
ブラックモア「72時間式の砂時計だ。出発と同時に砂を落下させ時間経過を測るんだ。同じものをマウロも持参しているので二人の落下タイミングを合わせる様にしてくれ」
マウロ「そうそう。仲良くね♪」しっしっしっし(襟元から首に下げてる同じ砂時計を見せる)
ササユ「ええ・・ですが、なぜそこまで正確に?」
ブラックモア「72時間内に君がギルドマーシャルに伝言せずに逃走、またはギルドサイドが我らの条件を満たさなかった場合、農場にいる村人をすべて殺す為だ」
ササユ「なんてことを・・・・」
マウロ「お!例のものは無事に輸送済みなんですね!?」
サムソン「例のもの・・?」
マウロ「なぁ~に、なんてことないさ。硝酸アンモニウムを大樽一杯分、輸送しただけだよ♪」
サムソン「硝酸アンモニウム・・・貴様!!農場ごと村人を吹っ飛ばすつもりか!?」
村長「農場ごととは・・どういうことでしょうか」
サムソン「硝酸アンモニウムとは爆薬の原料の一種・・そんな高酸化性物質を大樽一杯分もの量で爆破すれば、村人はおろか、農場の横を通る川の堤防も崩れ洪水を引き起こすだろう・・となればユクモ村もまた・・・」
村長「そんな・・・・・」
サムソン「よくもそんな物騒なものを運搬してくれたものだ・・何処で仕入れた?」
マウロ「ギルドには内緒だぜ?簡単さ。砂漠にある硝石に恐暴竜の唾液やレッドケズーの唾液をかけ、硝酸を作成するんだよ。それとは別に多量の尿素を溜め込んでいる古代鮫からアンモニアを摂取する。そして硝酸とアンモニアを調合して硝酸アンモニウムを作成・・だが面白いのはこっからだ」
サムソン「??」
マウロ「その大樽一杯分の硝酸アンモニウムに、モンスターの膿汁を混入させたらあら不思議。立派な時限式爆弾の出来上がりってわけだ♪」
サムソン「膿汁の混入時間とササユの出発時間を合わせるんだな・・!?」
ササユ「どういうことですか?」
マウロ「硝酸アンモニウムとモンスターの膿汁がちょうどいい具合に混合すれば大爆発を引き起こすからさ。その混入時間を72時間内に調整するのが俺の今回の大仕事、あんたらハンター社会でいうところの緊急討伐クエみたいなもんか?違うかい?受付嬢のおねえさん♪」
ササユ「・・あなた達は最低の人間です・・!」
マウロ「この素材溢れる大陸の恩恵をフル活用させてもらってるだけだぜ?龍族だって進化を遂げてきたように、人の頭だって進歩するんだ。物質社会さま様だよ」
ブラックモア「既に爆弾は村の入口に運んである。もちろん部下が厳重に監視しているから誤爆はないと思ってくれて結構だ」
村長「そんな物騒な物を村に入れるなんて・・・」
マウロ「保険だよ、保険♪」しっしっしっし
ブラックモア「その事もギルドマーシャルに伝えてもらって構わない。むしろ伝えた方がいいだろう。ギルドは傲慢で怠慢だ。それくらいの危険と保証がなければこちらとしても脅迫出来まい」
サムソン「貴様ら・・・!!」ワナワナワナ・・
マウロ「言ったろ?この大陸には兵器となりうる素材がゴロゴロしてるんだ。火を使いこなすのは龍族だけにあらず。人間様にこそ相応しい叡智の万能ツールなんだよ、火属性ってのはね」クックック・・
サムソン「大陸が与えた恩恵を悪用する不埒な輩め!!そこへなおれぇえええええ!!」ザッ(立ち上がろうとする)
村長「いけませんサムソン様!!」
サムソン「!!」ピタッ
マウロ「そうそう。下手にあんたの両手を拘束してるツル草に摩擦や刺激を加えようものなら、二度と得物を持てなくなっちまうぜ」にやぁ~
サムソン「クッ・・・!!」
村長「あなた方に身代金が入れば、その物騒な大樽爆弾の解除はしてもらえるのですね?」
マウロ「・・・・・・・・」にや
ブラックモア「約束しよう」
村長「分かりました。ではササユさん。ユクモ警察へ」
ササユ「は、はい・・」
マウロ「しっかり俺が出口までエスコートしてやっからよ」ぺちん(肩を抱こうとするが手を弾かれる)
サムソン「ふん。ただ単に爆弾の混入をしに行くだけだろうが」ふん
マウロ「そういうなって。起こると血圧上がるぜ?っと、そんなあんたに薬を作ってやったよ」
サムソン「ふん!貴様の作ったものなどいらんわ!!」(大口を開ける)
マウロ「そう言わずに飲みなって」ポイッ(何か錠剤を投げる)
サムソン「ほむっ!?」ぱくりん(それを飲み込む)
ごっくんちょ
サムソン「ケホケホッ・・・貴様ぁ~!!何を飲ませたぁ~!!」
マウロ「なぁに・・ちょいとした合成毒さ」にや
サムソン「!!」
ササユ「人殺し!!最低!!」ポカポカポカ
マウロ「待て待て毒といっても即効性のあるものじゃねぇ」
ササユ「え・・・・」ピタ・・(半べそをかきながら叩く手を止める)
マウロ「ミスターアンダーソンが飲んだ合成毒は、体内で多量のアドレナリンを分泌するとそれに化学反応し、毒の効果がその分だけ体内に回る様に作られている。つまりだ。心拍数、血圧を上げれば上げるほど、死に近づく仕組みだ」
サムソン「この・・・!!」ザッ(立ち上がろうとする)
マウロ「いいのか?興奮状態や激しい怒り、そして運動はアドレナリンを分泌させるんだぜ?」
サムソン「クッ・・・!!」
マウロ「一狩りなんてもってのほか。火事場力なんて使ってみろ?一発であんた、泡吹いて死ぬぜ」にや
サムソン「むむむむ・・・・!!」
村長「幾度なく凶暴なモンスターの子達がユクモを脅かしましたが、あなた達はそれとは比較にならないほど怜悧狡猾、非人道的で品性の低劣した人型ですわ」
ダリア「あははははは!褒め言葉じゃないか!クソモンスター共より恐ろしいなんてさ!!そうさ!この世で一番おっかないのはあたし達の脳みそなんだよ!!」てんてん(おつむてんてんする)
ブラックモア「安心しろ、アンダーソン殿。解毒薬は私が所持している。ギルドが何のトラップもなしでこのご婦人に身代金を持たせ、我々の下に無事、それが届けば解毒薬は渡すと誓おう」
サムソン「これも保険のひとつ・・というわけか・・!!」ワナワナワナ・・
ブラックモア「そうだ。軍人は完璧主義であり実存主義者だ。勝つために、より可能性の高い成功率を求めるのだよ」
ダリア「わかったら、とっとと出発しな。優等生」ぺち~ん(ササユのお尻を叩く)
ササユ「・・・・サムソンさん・・」ちら
サムソン「心配するな。怒らなければいいだけだろう?リラックス出来てちょうどいいわ」ふん
ササユ「くれぐれも温泉には浸からないで下さいね・・」
サムソン「血圧を上げなければいいだけだろ?任せろ。寝て待っておるよ。おぬしが帰ってくるまでな」にこ
ササユ「・・・・・・・・・」にこ(笑顔で頷く)
村長「さ、ササユさん。もう行って下さいまし」
ササユ「・・・村長さんもご無事で・・」
村長「あなたこそ」にこ
マウロ「よし、じゃ、行こうぜ。撫子のおねえさん」にや
ササユ「近づかないで下さい」ぷん
ダリア「せいぜい走り過ぎてぶっ倒れんなよ?優等生」しっしっしっし
ササユ「・・・・・・」キッ
トトトトトトト・・・・・
(部屋を出て行く二人)
ダリア「さて・・・これから三日間弱、一緒だよ。安心しな、村長さん。あんたがトイレ行きたいときゃ、あたしもついてってやっからさ」しっしっしっし
アトキンズ「お前は俺が密着する」ぬう
サムソン「くわぁ~!!よせ、暑苦しい!!寄るでないわ!!」ぷんすか
村長「怒ってはいけませんそれにツル草にも火薬が塗られてることをお忘れなく」
サムソン「あ、そうそう冷静に冷静に・・・」ちら
ひらひらひら・・・・
(中庭にいた蝶が飛んでいく)
サムソン「・・・・・ほむ・・・」
ブラックモア「さぁ、長い三日間の始まりだ。ギルドに命運を握られし者達よ。大人しく捕虜でいてくれることを心より祈ろう」
村長「・・・・・・・・・・」
ダリア「しかし少尉、ほんとにあの優等生に一人で村を出させてよかったのかい?」
ブラックモア「構わんさ。例え道中にクルセイダーズの者と接触し、事情を話そうともこっちには人質がある。知的生命体種であれば尚の事。自分達が大人しくしていることが正しいと判断出来よう。そうであろう?アンダーソン殿」ちら
サムソン「ふん・・・(クソォ・・迂闊だったわ・・!!むしろササユが渓流で警備をしているモンスターらと接触したところで、こやつの言うとおり、外からは何も出来ん・・人質がいる限り、主権はこやつらの手の中なのだ!!しかもこの私がすべてを知っていながらも何も出来んとは・・・・許せ・・・UBU、カーブーよ!!)」
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・
(静かに余震で揺れる村)
To Be Continued
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次回の「あたちのモンハン日記」ザ・ファンタジック中継ぎ記事はぁ~
10/27(月)0時更新 「なぜなに☆あたモンのコーナー」
をお送りします♪次回も読んで笑ってのたうちまわろう