~サムソン帰還から三日目・正午
王国騎士団領・都市部、中央広場
ザワザワザワザワザワ
「見えねぇよ!!」「演壇が低いんじゃねぇか!?ええ!!」
「え~双眼鏡はいらないかぁ~!?今なら特別価格で提供するよぉ~」
「おやじ!一個くれ!」「んだよ!普段より高いじゃねぇか!何が特別価格だ!」
「特別な日だからこそ割高なんでさぁ~。ささ、いらねぇならどいてくんな」
「足元見やがって・・買うよ!」
ザワザワザワザワザワ・・・
イオ「うわぁ~すごい人!ねぇ見て見てゲルハルト様」
ゲルハルト「にゃー・・(ったく・・祭りじゃねぇんだぞ)」
イオ「あら。敵にバレないように変装してるのが余計にお祭り感を出しているんじゃなくって?
それにゲルハルト様の仮装も・・可愛いですわよ」
ゲルハルト「シャアアア(仮装って言うなれっきとした「流れ者のしたっぱ海賊」の扮装だ
それに比べ・・お前の変装はなんだ。それ)」
イオ「変装と言ったら鼻メガネ!!
これで決まりですわ!!」
ゲルハルト「にゃあ・・(ほんとお前・・うちのボスにそっくりだよ。
気をつけろ・・って、それより影丸のやつはどこだ)」
イオ「影丸さんなら
「拙者は任務に戻ります。
もちろん影からイオ様達のバックアップも致しますのでご安心を」
イオ「って、どこかに行ってしまいましたわよ」
ゲルハルト「にゃん(なんだよ。俺は聞いてないぞ)」
イオ「あら、ゲルハルト様がその扮装に使う衣装を楽しそうにお選びになってる最中ですわ。よほど衣装選びに集中していたんですね・・ぷぷぷ可愛い」
ゲルハルト「にゃんにゃいよ(うるさいよだいたいねぇ!・・・んん?)」
「軍隊が来たぞ!」「ああ!?なんだぁ!?猫の騎馬隊!?」
イオ「あーん!見えないバカ!どいてよ!!もう」
ゲルハルト「みゃー(こういう時、猫ってのは便利なもんなんだぜ)」ひょい
イオ「ああ私の頭の上に!ずるいです!ゲルハルト様」ぷんすか
ゲルハルト「にゃー(しっかり支えろ。その分しっかり中継してやる)」
イオ「重い!あー耳をぎゅうううって掴んじゃ駄目ですぅ
肉球が・・・肉球がくすぐったい」
ゲルハルト「にゃー!(うるせぇぞ!静かにしろ。敵にバレるぞ・・んん?)」
イオ「見えました?」
ゲルハルト「!!」
イオ「なんです!?ああ、重くて頭がクラクラする」
ゲルハルト「にゃんにゃ(王国猫騎士団じゃねぇ・・あれは)」
イオ「ええええ!?じゃ、じゃあ先ほど影丸さんが言ってた・・」
ゲルハルト「シャアアア(猛豚軍だ)」
「あたちのモンハン日記」
~紫の暁編
~王宮内
ディマリー「いよいよ・・ですね」
ザッコーニ「はいしかし大丈夫でしょうか、アイザック様」
ディマリー「誰の子だと思ってるのです」
ザッコーニー「ひいいいお、お許しを!」
ディマリー「アイザック・・・・
「任せておけよ、お袋」
「おおよその演説内容は覚えましたね」
「ああ。だいたいな。
あんま暗記は得意じゃねぇけど、要するにみんなを納得させりゃいいんだろ?」
「頼みます。母はなにせ緊急事態故、ここ(王宮)を離れられませんが、あなたの英姿・・期待しています」
「うん。じゃあ行ってくるぜ」
「アイザック」
「ああ?」
「何があっても母はあなたの味方です。
あなたにも立派な王族の血が流れている事を忘れず、自信を持ってやりなさい」
「・・・懐かしいな」
「?」
「ガキの頃、妾の子って都の悪ガキ共にいじめられて帰ってきた俺を、よくそうやって叱咤してくれたっけかな」
「・・・・」
「感謝してるんだぜ。ほんとさ」
「アイザック・・・」
「よっしゃ!行くか!!
じゃあ行ってくるぜぇ!!」
ディマリー「・・・・・・・」
ザッコーニ「・・・(ああ?どうしたんだ・・さすがに自分の息子を盾にした事を後悔してるのか?
いやぁ・・まさかね)」
ディマリー「ザッコーニ」
ザッコーニ「はい」
ディマリー「アイザックの護衛には猛豚軍が?」
ザッコーニ「はいそれと新兵も含めた王国騎士団員です」
ディマリー「旧国王派の騎士団員は・・既に処置済み・・・でしたね」
ザッコーニ「は、はい。午前中に猛豚軍の猫騎馬隊が殲滅致しました」
ディマリー「では現在のここ(王宮)を守っているのは衛兵のみ、ですか」
ザッコーニ「あ、どうでしょう!?ニャン=ジュストのやつ、肝心な事を言ってなかったな。
万が一、ジークムントらにここを襲われたら・・!」
「そ、その心配はない・・」
ディマリー「・・・誰です」
ガチャリ・・
猛豚「お、お前は、こ、この龍豚が護衛してやる」
ザッコーニ「な・・・(なんだ!?この異様な猫族は)」
ディマリー「貴方が猛豚様ですね」
猛豚「そ、そうだ。じ、次期・・お、王妃」
ディマリー「万人の兵より心強い。お願い致します。猛豚様」
ザッコーニ「ひいいいい(とんでもねぇ守護神にお姫様だ
だ、だがコイツが噂通りの化けもんっていうんなら、ここにいりゃひとまず命は保証できるな)」
~都市部・中央広場
ザワザワザワザワザワ・・・
「あんな猫騎士団いたかぁ!?」「で、でもよ何かどいつもこいつもガラ悪くねぇか!?」
イオ「ねぇゲルハルト様ぁ猛豚軍ってどんな感じなんですぅ~!?」ゆらゆら
ゲルハルト「にゃいー(ふらふらすんな!珍しいって言っても猫が馬に乗ってるだけだ!)」
イオ「ええ~見たいですぅ~あたしもぉ~」ぴょんぴょん
ゲルハルト「にゃああ(ば、ばか!飛ぶな!落ちるだろぉ~・・なっ!?)」
カツカツカツカツ
「なんだ!?演壇に誰か登ったぞ!!」「若い男だ!騎士団の隊長か!?」
イオ「もう!全然見えやしない!!バカ」
ゲルハルト「にゃあ・・(見ない方がいいかもしれねぇぞ・・)」
イオ「なんでですそんなに私に見せたくないのですか!意地悪!!」
ゲルハルト「にゃん(絶対に取り乱すな、いいか。約束しろ)」
イオ「なによぉ!勿体ぶってゲルハルト様ったら!」
カツカツカツカツ
「お、おい!あれって!!」「ああん!?嘘だろぉ!!あいつって・・」
イオ「何をそんなに騒いでるんです!?」
ゲルハルト「にゃん(演壇に登ってるのは・・)」
カツカツカツカツ
「間違いねぇ!!」「あれは・・・!!」
ゲルハルト「にゃんにゃっく(アイザックだ)」
イオ「!!」
ドーーーーーーン
アイザック「・・・・・・・・」
To Be Continued
本章「紫の暁編」目次録はこちらをクリックだぞい!
←再生・停止はこちら♪