~サムソン帰還から三日目


ちゅんちゅんひよこ



アイザック「ふう・・(もう夜明けか・・・)」



ぱたぱたぱたぱたひよこ



アイザック「ふふ・・ここにいると危ないぞ。さぁ、仲間の所に飛んでお行き」スッ手



バサバサバサバサひよこ



アイザック「そうだ・・・それでいい・・」




「どうだ!?でかいガレキは全部運んだか!?」




アイザック「・・ん(窓の下か・・)」スッ




「いやまだだ!時間がかかる」

「ケガ人が埋もれてるかもしれねぇんだ!もっと人を費やせ!」





アイザック「・・・・(結局国王の間は大破され、親父を探すどころじゃなかった・・。そして俺たちが国王の間に釘ずけになっている隙に、今度は地下牢が何者かに爆破され、ジークムントと一緒にサムソンの旦那も逃亡・・・何がどうなってやがるんだ・・!)」



ザッコーニ「アイザック様!大変でございます!!」



アイザック「今度は何だ!?」


ザッコーニ「イオ様のご自宅が何者かの手によって襲われた模様です!!」


アイザック「!!」


ザッコーニ「使いの者の話しではイオ様の自宅は大破・・。
現在も残骸を調査しておりますが・・おそらくイオ様は・・・」


アイザック「ふざけんな!!
まだ死んじまったと決まった訳じゃねぇ!!どっかに逃げただけかもしれねぇだろ!!いいか!?何がなんでも探し出せ!!」


ザッコーニ「は、はひいいいいあせる



アイザック「(イオ・・・・どうか無事でいてくれ!!)」










「あたちのモンハン日記」
~紫の暁編











アイザック「それで、ジークムントとサムソンの旦那は!?」


ザッコーニ「猫騎士団所属の捜索隊のプロも使っておりますが、未だ行方は掴めず・・申し訳ございません」


アイザック「クソォ!俺も出る!!」



ディマリー「待ちなさい」



アイザック「お袋・・・・。いいのか?眠らなくて・・」


ディマリー「このような非常事態に私だけ休む訳にはいきません。
ザッコーニ、お下がりなさい」


ザッコーニ「はい・・」ススス・・



ディマリー「アイザック。本日、正午・・国民に事態の全てを公表します」


アイザック「・・・(正午・・それまでに何としてもジークムントを捕らえて真相を突き詰めないと駄目だ!)」


ディマリー「キケロ宰相様の死・・そして国王様の死。更には昨日の都や郊外での騒動。もうこれ以上、純粋な国民を騙す訳にはいきません」


アイザック「ああ・・国民には知る権利があり、そして真相を知る必要がある」


ディマリー「そうです。
ですが・・この今まで隠していた事実を全て受け止めろと言うのも酷な話し・・」


アイザック「・・・?」


ディマリー「国王を失い、そして太子様が逃亡者としてお逃げになられてる以上、公表する者が国民を落ち着かせ、安心させる必要があります」


アイザック「ああ・・お袋ならその大任も大丈夫だろ」


ディマリー「いえ」


アイザック「・・?」


ディマリー「あなたがやるのです。アイザック」


アイザック「なんだって!?」


ディマリー「そしてあなたが次期皇太子として君臨し、国民を安堵させるのです!」


アイザック「!!」


ディマリー「聞けばイオの家が何者かによって襲われたと。
これでジークムント様の目論みがはっきりしました」


アイザック「どういうことだよ!?」


ディマリー「あなたに対するあてつけ。イオを奪われた腹いせに・・」


アイザック「バカ言うんじゃねぇ!!
あいつは・・・ジークムントは本気でイオを愛している!!
そんなあいつが・・イオを殺す訳がねぇ!!」


ディマリー「ではイオをさらい逃げたのだわ!!そうでなければどうしてイオまで襲われたのです!?説明なさい!!」


アイザック「それを確かめる為に捜索をしてるんだろ!
やっぱり俺も出る!!」


ディマリー「なりませぬ!!」


アイザック「どうしてだ!?」


ディマリー「ベルトホルトの死を無駄にするのですか!?」


アイザック「どういう事だ!!」


ディマリー「死して逝った者の為にもあなたは生きねばなりませぬ!!
亡き父である国王様の跡を継ぎ、ジークムント様に代わり、あなたがこの国を守るのです!!」


アイザック「俺にはそんな・・・出きる訳・・・・ねぇだろ!」





「お取り込み中、失礼致します」







あたちのモンハン日記





アイザック「誰だい?あんた」


ニャン=ジュスト「これはご挨拶が遅れ大変失礼致しました。何故、緊急時ですので・・」


ディマリー「この者はニャン=ジュスト公と申します。こ度のクーデターの噂をお聞きになられた国王様自らの任命で、昨日より反クーデター統括司令として働いてもらっています」


アイザック「そうか・・親父の推薦で。すまねぇな」


ニャン=ジュスト「いえ。それよりもお父上の・・国王様の事、お悔やみ申し上げます」


アイザック「まだ死んだと決まったわけじゃねぇよ。俺はそう信じてる」


ニャン=ジュスト「ハッ。我々も大破した国王の間の調査を、一刻も早く処理致します」


アイザック「そうしてくんな」


ニャン=ジュスト「ハッ(この男・・・噂通り、侠の男か・・・強い信念を感じる)」


ディマリー「して、どうしたのです。用もなく来るあなたではありますまい?」


アイザック「・・・(お袋・・ずいぶんこいつを信用してる感じだな・・)」


ニャン=ジュスト「ハッ。クーデターの一味であろうと思われる旧国王派の一派を処断致しました」


アイザック「なんだって!?」


ディマリー「詳細を」


ニャン=ジュスト「ハッ。理由もなく我らの軍に手を出してきたが故、やむを得ず処断致しました」


アイザック「そんな・・!」


ディマリー「・・・・(ニャン=ジュスト・・やはり容赦のない男だ。偽りの権限を悉く使える時に使い、邪魔な旧国王派を今の内に殲滅させようという事か・・面白い・・)」


アイザック「お袋!いいのかよ!?旧国王派って言ったら親父の重臣だった連中だろ!?」


ディマリー「かまいませぬ」


アイザック「お袋・・・」


ディマリー「ニャン=ジュスト。抵抗してくる者は例え王族であろうとも許してはなりませぬ。今は緊急事態。クーデターの兆しが少しでも見える者は処断致しなさい」


ニャン=ジュスト「ハッ!!では!」ザッザッザッザッザ




アイザック「・・・・・」


ディマリー「母が・・恐いですか?アイザック」


アイザック「いや・・」


ディマリー「・・・申しなさい。王宮内が混沌している今こそ、我らは信じ合わねばなりません」


アイザック「ああ。どうやら俺が王宮を離れている間にずいぶんといろんなもんが悪化しちまってたんだな・・・すまねぇ・・お袋」


ディマリー「アイザック・・」


アイザック「お袋はいろんなしがらみや運命と闘い続けてきてた。
その覚悟が今ならよく分かるよ」


ディマリー「・・・・」


アイザック「さっきの話。やってみるよ」


ディマリー「アイザック!」


アイザック「すべての真相が分かるまでの一時的な太子でも、それで国民や王宮内で慌てちまってる連中が落ち着くなら・・・やってみせる!仮初の太子がな!!」


ディマリー「おお、アイザック!(ククク・・シナリオはわらわをより輝かせたい様だ!)」












~郊外・森林、イオ達の隠れ家


$あたちのモンハン日記



ピチョン・・・ピチョン・・・




$あたちのモンハン日記
ミッチ「ではその忍び猫が国王様を救出したって言うんすね!?」



国王「そうじゃよ。ズズズズ・・茶
しかもワシの好きなお茶まで持たせてもたせてくれよったわ。ふぉふぉふぉふぉふぉ」


イオ「まぁ、水筒まであせる
その忍び猫は相当に準備万端であったみたいですね。ひょっとしてゲルハルト様のお仲間の方ですか?」



$あたちのモンハン日記
ゲルハルト「にゃんにゃい・・。
(たぶんな・・だが俺たちは何も聞かされてねぇ。UBUの野郎・・何を考えていやがる)」



$あたちのモンハン日記
メティス「ねぇ~国王様ぁ~。その忍者猫さんは国王様をここに運んでどこかに消えてしまったのぉ~?」


国王「ふむ。そうじゃ。部屋から、ワシを連れ去るや否や国王の間がある、王宮の塔が爆発しおってな。わしゃ~ビックリじゃわ。ふぉっふぉっふぉっふぉっふぉ」


イオ「間一髪で救出されたっていう事ですか?」


国王「違うな」


ミッチ「どういう事っすか?」


国王「忍びの者は最初にこう言った」






$あたちのモンハン日記
「はい。我が姫の命により、陛下には死んで頂きます」





国王「・・とな」


ミッチ「先輩!姫ってUBU殿の事っすよね!?っていう事は局長さん(フランソワ)とこの隠密隊の誰かっすか!?」


ゲルハルト「にゃん(たぶんな)」


イオ「では国王様に死んでもらうと言うのは・・?」


国王「ふむ。どうやらその姫様というのはワシに「一時的に」死んだ、という事にしておいて欲しいらしい」


ミッチ「忍び猫がそう言ったんすか?」


国王「いや。忍びの者は寡黙でな。掲げられて移動しておる途中、ワシが何を聞いてもだんまりじゃった。この森でワシを下ろすと、「この滝の裏で一日我慢してくだされば陛下をお迎えに上がります」と残し消えていったのじゃ」


イオ「で、でもここは私達しか知らない場所なのに・・どうやって・・」


ゲルハルト「にゃんにゃ(おそらく俺たちが帰還する前から念密に調べ上げていたのだろう。緊急時に、お前たちなら「どこへ」逃げるのか・・をな)」


メティス「すごぉ~い(´v`)
それでぇ~?話を戻すけどぉ~、どうして国王様は自分に死んでおいて欲しいと思われたのですかぁ?」


ミッチ「あ、それ自分も気になるっすポッ
本当にUBU殿の命令ならどうして国王様を死んだ事にさせておくのがいいのか?」


国王「ふむ。ワシが死んだと分かれば、その隙を狙って悪事を働く者が出てくるからな。おそらく「それら」を釣り上げたいのじゃろうて」


ゲルハルト「にゃーむぅ(ちっ・・まただ。UBUの野郎。気にいらねぇ)」


国王「なんじゃゲルハルト。お前たちユクモ薔薇十字軍は仲が悪いのか?」


ゲルハルト「にゃっ!?(い、いえ。それより国王様・・俺たちが薔薇十字って事をご存知でいられたのですか?)」


国王「ふぉっふぉっふぉっふぉ。年老いてもワシをバカにしちゃいかんよ」


ゲルハルト「にゃにゃっあせる(滅相もございません!ただ知って頂いてたのが光栄で・・つい・・)」


国王「謙遜することもなかろう?先のフニャンコ革命の三部会はワシも出席してるんじゃ。主らの努力を知らぬ方が失礼じゃ」


ゲルハルト「にゃにゃ(仰る通りでございます)」


ミッチ「ねぇ、先輩。自分達、思ったより有名なんすね(。・`Д´・)しゃきん


メティス「ミッチってぇ~凄い人だったのねぇ~(´v`)
見直しちゃったぁ~」


ミッチ「まろまゆ!!」


メティス「ねぇ~イオ~うっとり・・・


イオ「そうね。ふふふ」


ゲルハルト「にゃいー(おい・・そんなに褒めると・・)」


ミッチ「・・・・・」わなわなぶるぶる


国王「どうしたのじゃ?」



ミッチ「やべぇっす!!
こんな緊急時なのに、褒められた事でにやにやが止まらないっす!!




ゲルハルト「にゃあ・・ふん


国王「ふぉっふぉっふぉっふぉ」


イオ「そ、それより先程の話し。国王様がいない間に悪事を働く者って・・」


ゲルハルト「にゅっ!(よせ、イオ。国王様に余計なご心配をかけるな)」


イオ「あっ・・あせる


国王「構わん。おおよその検討はついておる」


イオ「国王様・・・」


国王「全てはワシの不祥事が招いた不始末。ワシが死ぬ事で解決するのならば喜んで死のう」


イオ「そ、そんな!?」


ミッチ「そうっすよ!ただでさえ国王様はご病気なんすから!」


国王「そうじゃな。死ぬことで、片が付けばどれだけ楽か。
だからじゃ。ユクモ薔薇十字の姫様というのは、ワシに一度死なせてその間に、何が起きるか見届けよ、そう言っておるのじゃ」


ミッチ「・・・・」


ゲルハルト「・・・・・」


国王「そして次の世代への試練でもある」


イオ「国王様・・・・」


国王「ワシはそれを見届け、どんなに辛い結末であれ受け入れ、そして責任を取らねばなるまい・・・ゴホッゴホッ血痕3


メティス「国王様ぁ~!!」


国王「残念ながらワシは長くはない・・・「これ」はワシの体・・ワシが一番分かる・・」


イオ「そ、そんな弱気な!」


国王「イオや・・・」


イオ「はい」


国王「お前たちをワシは信じておる。
この老いぼれに代わり、ジークムント、そしてアイザックと共にこの国をお前達の築く仁政へと導いていくのじゃ・・・ゴフッゴフッ」


ゲルハルト「にゃー(国王様!ミッチ、薬を調達してこい!)」


国王「大丈夫じゃ・・・薬は先程の忍びが持たせてくれた」サッ


ミッチ「すぐに飲むっす!」


メティス「さぁ国王様、横になられてぇ~あせる


国王「すまんな・・ワシはつくづく幸せ者じゃ・・よっこらせっとふん


ゲルハルト「にゃんにゃ(国王様にはまだ生きながらえて頂かねばなりますまい)」


国王「それも酷じゃて。長生きだけが人の幸せではあるまい」


ゲルハルト「にゃっ(ハッ)」


国王「して・・ゲルハルトよ・・・サムソンは・・・何処に・・・」


ゲルハルト「にゃんにゃい(おそらくは事態の一部始終を見届ける為、そして国王様に代わりこの国を守る為、尽力しているかと)」


国王「サムソンらしいわい・・・ワシに顔のひとつも見せんと・・・・あのバカものめ・・ふふ」


ミッチ「国王様・・・うっ・・」ぐすん


国王「イオや・・」


イオ「はい」


国王「父の葬儀に出れんかった事を許しておくれ・・・・・・」


イオ「そんな!国王様はご病気。父だってそれくらいの事で怒ったりしませんわ」


国王「・・そう・・・じゃな・・・・主の父は・・・それは立派な・・・・男じゃった・・」


イオ「はい」


国王「もうひとつ・・・主の父と婚約を勝手に決めてしもうたこと・・・許してくれ・・」


イオ「何を仰るのです!私の方こそ・・・今まで勝手振る舞い、どうしてお詫びできましょうか!」


国王「・・・・国を・・・・・ワシと・・キケロが築いた・・この国を・・・・」


ミッチ「国王様ぁ!!」


メティス「駄目ぇ~!!」


国王「頼む・・・・」ガクン


イオ「・・・・・・国王様・・」


ゲルハルト「・・・・・・」


ミッチ「嘘っす・・・嘘っすよね・・・国王様!!」


メティス「国王様ぁ~!!死んじゃ駄目ですぅ~!!」



国王「うん王様



イオ「え・・え゛!?」


ミッチ「国王様・・?うっ・・


国王「なぁに?」


ミッチ「いや、その・・はぁ??


国王「わしゃ~寝るからね。あとは頼むよ」


イオ「あ・・はい・・」


国王「ぐぅ~ZZZぐがぁ~ZZZ


イオ「あ・・・」


ゲルハルト「・・・・・・」


ミッチ「良かったっすね・・うん・・」


メティス「もう~国王様ったらぁ~(=´;ω;`=)


ゲルハルト「にゃん(まぁ汗何はともあれご無事で何よりだ。それより、これからどうする?)」


イオ「私はアイザックを探しに行きます。アクセルが戻って来ないのも気になりますし」


ゲルハルト「にゃいー(よし。それなら俺が護衛してやろう。
ミッチ!お前はメティスと共にここで国王様を看病、お守りしろ)」


ミッチ「はいっす!この見張りのミッチ!全身全霊でお二人をお守りするっす!!」


メティス「二人ともぉ~気をつけてねぇえー


イオ「うん!行ってくる!!」


ゲルハルト「にゃんにゃむぅ(まったく・・うちの姫に似てるよ。お前は)」


イオ「??」













~王国騎士団・兵舎



「将軍!ニャン=ジュスト公より伝令ですニャ」


$あたちのモンハン日記
猛豚「も、申せ・・・」


「クーデターの一派と思われる重臣が軍を動かした模様ですニャ。
これに対し討って出られよと!」



猛豚「カ、カレン=アレンに百騎の兵を与える」



$あたちのモンハン日記
カレン「ハッ。ご期待に添えるよう粉砕致しますわ」



猛豚「は、早く行くのだ・・・て、天からの好機・・の、逃すでない」


カレン「ハッ!カレン=アレン出陣致します!」




バッ煙




ザッザッザッザッザッザッザsss




カレン「・・・(敵はクーデターの名を着せられた旧国王派の軍か。フフフフ、革命以来の楽しい戦・・・・期待しすぎか・・・・・・ん?)」





うろうろ・・焦る




カレン「そこの警備兵!何をしておるか!?」




$あたちのモンハン日記
「ほ、ほむ!いえ、はい!?なんでございましょうか!?」



カレン「その鎧・・志願兵か・・。
ここはお前ら人型の兵舎ではないぞ。処断される前に消えるんだな」


「は、はい!すみませんでしたぁ!!」


ぴゅううううううう走る




カレン「ハン・・・さて、
気の毒なエリート軍人共を血祭りに上げに行くか・・アハハハハハ!!」




To Be Continued






$あたちのモンハン日記
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