有三「さぁ、どうする？大将？」
コツン
有三「いてぇ！なんだよＵＢＵさん
」ＵＢＵ「いいこと。あたちのことは丞相閣下（じょうしょうかっか）もしくわ
姫姉さま（ひめねぇさま）とお呼び！！
」ハジメ「ぷっ・・どっちも言いたくねぇ
」コツン
ハジメ「いたい！暴君だぁ！暴君だぁ！」
ＵＢＵ「ふん
」順次「丞相」
ＵＢＵ「にゃ～にぃ
」←まぁうれしいことこの上ない至福なデレ顔順次「ここまでは丞相の予想どおりの戦局。サムソンは果たしてこの挑発に乗りますかな？」
有三「・・・・（なんだ順次の野朗・・名軍師にでもなったつもりか）」
ＵＢＵ「サムソンは愚直な程、戦場では合理的な対応をする男・・。
あたちがここに現れたと知ったらすぐに駆けつけてくるわよ」
順次「その隙を利用し、上手く川村朝が動く・・と？」
ＵＢＵ「たぶんね・・・・そこは外交官として送ったキザ夫の演説次第ね
それに怪物軍のリーダーはバランでしょ？
彼の進軍速度ならゲルハルト隊を置いてけぼりにして
本部まで一気に駆け抜けるわ。そして総司令不在の本部は落ちる・・
って筋書きね
」順次「見えない手助け・・・・ですか」
ＵＢＵ「ふん・・どちらにしてもここにギルド所属の軍がいるのが気にいらないのよ。
でかでかした陣を敷かれちゃ、鉄平のいるニャンパーニュに行けやしないしね」
順次「ふっ・・素直なんだかそうでないのか読めないお方だ・・」
ハジメ「・・・（なんなんだ順次のヤツ・・こういうのやりたかったんだなぁ・・）」
討伐隊・隊長アルフォート「そこの者ら！先の盗賊団だな！！」
有三「どうすんでぃ！？ＵＢＵ・・いや、丞相！」
ＵＢＵ「すううううう
」ハジメ「耳ふさげ
」ＵＢＵ「我々はユクモ薔薇十字軍！
そしてあたちが丞相のＵＢＵだぁぁぁ！！
命が惜しくば道を開けぇぇぇぇぇ！！！！」
有三「ひいいい
うるせぇぇぇ」アルフォート「なんというバカでかい声だ・・やはりやつらが先の盗賊団・・そして今、噂のユクモ薔薇十字軍か」
フェットチーネ「隊長～
あの下衆な女、あたしにやらせてくんない？」アルフォート「・・・待て。一騎打ちで戦局を変えなければならないほどの兵力差ではない。相手はたった一人と三匹だ」
フェットチーネ「だからさ
討伐隊ともあろうものがたった４人に全軍動かすのかい？」アルフォート「完璧な勝利を手にしてこその討伐軍だ」
フェッチチーネ「多勢に無勢でも名誉になるって？」
アルフォート「・・・・」
フェットチーネ「それにこの圧倒的な大差にビビって退く気は・・
あちらさんにはないみたいだよ」ちらっ
ＵＢＵ「・・・・・」
アルフォート「倒せるな・・」
フェットチーネ「ああ？」
アルフォート「倒せるのかと聞いておる。フェットチーネ軍曹」
フェットチーネ「誰に口を聞いてるんだい？一瞬で終わらせてやるよ」
ザッ・・
ハジメ「姫姉さま！なんかゴツイ女が出てきやしたぜ！！」
ＵＢＵ「へ～
討伐軍にも気骨の女兵士がいるんだねぇ」有三「のんきなこと言ってないで、どうすんの？」
順次「ここで一騎打ちに応ずれば戦局を一気に覆せる」
ＵＢＵ「オッケーでぃ～す
」ハジメ「・・（ちゃらいな）」
スチャ
「ＯＫ～
いつでもどうぞでぃ～す
」フェットチーネ「へぇ・・あんた得物はそれ（ライトボウガン）でいいのかい？」
ＵＢＵ「ＯＫでぃ～す
」フェットチーネ「ケッ・・なめられたもんだね」
ジャキーーーーン
ハジメ「うぉぉ！あのねぇちゃん双剣使いだぜ！」
有三「ふええええ～弾避けられて懐に入られたらやばいぜぇ」
順次「案ずるな。丞相もポッケ村では双剣を使っていたと聞く。問題はないはずだ」
ハジメ・有三「・・（だからなんなんだコイツ）」
ＵＢＵ「ささ、どうぞどうぞ
」フェットチーネ「ふん
」アルフォート「・・・（フェットチーネは我が隊でも随一の軍人・・しかも在籍前は各地で腕を振るった勇猛なハンターだったという・・あの手の荒くれ者の対処はお手の物・・だとは思うが・・）
フェットチーネ「どうしたぁ！？びびって引き金もひけないか？」
ＵＢＵ「一発・・」ぼそりん
フェットチーネ「ああ？」
ＵＢＵ「一発あれば十分」ぼそりん
フェットチーネ「・・・
」ＵＢＵ「カマン
カマン」フェットチーネ「なめるなぁぁぁぁ！！」
ジャキィーーーーーン
アルフォート「・・！！（零モーションからの鬼人化！）」
フェットチーネ「うおおおおおお！！」
ダッダッダッダッダッダッダ
有三「は、早い！！」
ハジメ「まずいよぉ！姫姉さまぁ～
」フェットチーネ「捕らえたよぉ！！」
バッ
ＵＢＵ「遅い」
フェットチーネ「あん？」
ドン
フェットチーネ「！！」
ＵＢＵ「ちょっと・・眠っててね
」フェットチーネ「睡眠・・弾・・・このあたしが・・・クソッ・・！」
ズデェェェェェェン
アルフォート「な、なんだとぉ！？」
ＵＢＵ「出番よぉぉぉ！まさくぅ～ん！！」
モコモコモコモコ・・・
「ア、アルフォート隊長！地面から何かが出てきます！！」
アルフォート「・・・！？」
ドガーーーーーーーン
「ぎゃおおおおおおお！！！！」
「うわああああ！イ、イ、イビ、イビ・・
イビルジョーだぁぁぁぁ！！！！」
「わああああああ！逃げろォォ！！」
アルフォート「ま、待てぇ！うろたえるなぁ！！」
ＵＢＵ「ユクモ薔薇十字軍！！
突撃ぃぃぃぃぃ！！！！」
ハジメ「待ってましたぁ！！」
順次「まさひこ殿に遅れをとるなよ、二人とも！首級を挙げよ！」
有三「うるせぇぞ！いけぇぇぇぇ！！」
まさひこ「ぎゃおおおおおお！！」
一瞬の出来事であった。
あまりにも決着が早くついた一騎打ちに討伐軍は唖然となる。
その隙をＵＢＵは逃さなかった！
すでに待機をさせていたまさひこを出撃させ更に討伐軍兵士の度肝を抜く！
たじろぐ兵士達。それもそのはずだった。
一ヶ月もの間、戦闘をしていたとはいえ相手は体の小さい猫軍である。
予想だにしなかった巨大なモンスターの出現に兵士は恐怖したのだ。
陣の統率のタイミングを完全に失ったアルフォート隊は散り散りになる。
逃げまとうバラバラな軍ほど追撃が簡単なものはない。
こうしてアルフォート隊は総司令サムソン到着前に壊滅することとなった。
一方、この戦況を討伐軍本部よりも早くＵＢＵの送った外交官チラ見キザ夫から聞きつけたバラン率いる川村朝モンスター軍は、対峙していたゲルハルト隊を無視し、進路を一気にサムソン不在の討伐軍ニャスティーユ本部に向けたのだった！
