7月3日に新札が発行された。

ボスはこの新札を楽しみにしており、

通常賞与支払い月である6月に

ボスに支払う借入金の返済を

今回は新札が出る7月でお願いされていた。


当初より賞与時にお金を準備して

現金支払い分を持参してくれる、

取引地方銀行がある。


その地方銀行の支店が

数十年前に関東に進出した時、

ボスが面倒を見てあげたという。

(恐らく借入や預金等の事だと思う。)


コロナになり、

うちの経営もダダ下がり。

当時の支店長はとっくに引退している年で、

その地方銀行との付き合いは、

もはや経理と営業担当のみの

やりとりしかなくなっている。


今どき営業先に現金を持ってくる銀行は

ほとんど無くなってるのかもしれない。

しかし受けた恩は忘れないということなのか、

現在はほとんど徳にならないうちに、

変わらずお得意様扱いをしてくれていた。



私が今の職場に採用されたちょっと前に

その地方銀行の営業担当も変わったらしい。

友人Qから業務を引き継いだ時、

新しい営業担当は、仕事ができない人間だと

聞いていた。


実際接して感じたのは

「 1客ではあるが、お得意先ではない」

対応だった。

数十年続いた年二回の賞与の時の対応も、

毎回リセットされている。

顧客として、毎回同じことをお願いしてる

はずにも関わらず、

こちらが確認したいことについて

「わかりかねるので前任者に

確認してもらえますか」と言われる。

そもそも対応が下に見ているような

印象を受けた。


今回6月の賞与時の対応について、

うちが来て欲しいあたりに長期休暇をいれ、

そちらには行かれない、

前後は他の顧客のところへ行かねばなので

時間が取れません、と言われる。


もちろん新券についても、

一般客と同じ対応。

全金種あわせても、10枚までしか

用意できないと言われた。

そもそも取引先銀行に、そんな扱いを受けるなら

経理の私からすれば

もう取引をやめていいんじゃないかなと思う。


しかしボスは新札が欲しいと言っていた。

できるだけボスの意に添えるよう

私ができることはやらねば。


そこでメインバンクとして取引のある

大手都市銀行の営業担当に相談してみる。

この銀行には日々の支払い入金のため

大きいお金の出入りがあるが、

特に借入金や預け入れがあるわけではない。


でも、そこの営業担当は違った。

「少しお時間をいただくかもしれませんが、

取引先のお客様は優先して新札を準備するように

いたします」と言ってくれた。

これにはボスも

「そうかー、そんなに用意してくれるのか」と

満足そうだった。



うちの経営状態はわかってるはずだ。

銀行としては取引しててもメリットを

感じられない企業だ。

それでも、そんなことを相手に感じさせず

真摯に対応してくれた大手銀行は、

やはり中で働く人たちも

一流なんだと実感させられたのだった。








夏仕様照れ