本日3月14日(金)より全話無料開放&3月31日(月)コミックス最終第5巻発売記念!!
描き下ろしイラスト付き✨『ロイヤルテーラー ―王宮の裁縫師―』野分なか実先生へのロングインタビュー
作品の魅力に迫る、読み応えたっぷりのインタビュー、ぜひお楽しみください

ゼロサムオンラインにて全話無料開放中!!
――まずは最終回までお疲れ様でした! 今のお気持ちをお聞かせいただければと思います。
野分なか実先生(以下野分)お疲れ様でした! 1話となった読切掲載から1年の空きがあり、2年半の連載となりました。
長いようで全然短かったですね! 達成感はもちろんありますし、終わってしまった…と楽しんでたアニメの2クール目くらいが終わったぐらいの切なさもあります。
今は次回作に向けて白紙を楽しんでいます。
――本作が初連載となるかと思いますが、特に苦労などありましたか? また、描いていてお気に入りのお話や大変だったお話など、連載中の思い出をお聞かせ下さい。
野分 連載における苦労、で言えば健康でしょうか…連載中は歯の検診に行くのを怠っており、丁度先週に神経を抜いてきました。
なんだかいっぱい刺されて恐々としていたところ、絡めとられた神経を見せられて笑いました。
――それはお疲れ様でした…!
野分 お気に入りの話はいくつかありますがピックアップしてまずは5話、リンデンとミシュミシュの結婚式です。個人的に最推し夫婦ですね!
死んでもなるべく明るくポジティブなリンデンと、現実的で冷静に自分を見るミシュミシュの対比が美しいと思います。

↑リンデン&ミシュシュ。
可愛らしい奥さんと彼女を深く愛する旦那様。
死さえふたりを引き離せないお似合いの夫婦です。
野分 妻回ではセレーネ回がお気に入りです。
引き絵もモブもかわいく描けました。やさぐれた獣人も沢山出せて作画満足回です。

↑セレーネ様と子どもたち。
たくさんの王の妻たちの中で野分先生のお気に入りはセレーネ様!
獣姿も獣人姿も魅力的です。
野分 そして、大変だった話は断トツで最終話までの3話ですね!
ページ数が足りなくて吠えました。泣く泣く削ったページ(作画済み)が悲しそうにこちらを見ています。
その辺りが一番力不足を痛感しました…!
反省は尽きませんが他から話を抜いても後悔するので現状やれることはしたと思うことにしています。
――それは申し訳ありません…!本当に大変な思いをされたと思いますが、その甲斐あるとても濃密なラスト3話だと思います!
ちなみに「泣く泣く」というとことで大変心苦しいのですが、削ったページというのはどんな内容だったお聞きしても良いでしょうか…?
野分 削ったページは、過去にプルトーネとティエンがお互いを信用する理由となったシーンです。個人的にも好きなシーンだったので今でも惜しいです!
――それは読みたいシーンでしたね…!
野分 他に優先するシーンがあったので残念ですが削ることになりました。
――でも3月31日(月)に発売されるコミックス第5巻では、本編にもかなり加筆いただきましたよね。
野分 実際の追加ページはコミックスでお確かめください!

↑3月31日(月)に発売される第5巻では、神父様のその後を描き下ろした「花冠の守護者」収録!
それ以外にも本編中に完全描き下ろしページが何枚か追加されています! ぜひお手に取ってお楽しみください。
現在大好評予約受付中です!
――毎回のキャラクターデザイン、そしてそのキャラクターらしく魅力的な衣装デザインは作品の大きな魅力ですが、野分先生はとても大変だったかと思います。どうやって考えていらっしゃったのかなど制作過程のエピソード等あれば教えて下さい。また、特にお気に入りのデザインがあれば教えてください。
野分 人外のキャラデザを魅力に感じる方が居たのであれば大変嬉しいです!
着せ替え系のゲームが好きで、遊ぶのも作るのもやっていました。鎧やドレスなどの衣装デザインはその経験が強く影響していると感じます。
――「遊ぶ」だけでなく「作る」というのは?
野分 子供のころの遊びで、素体と服を分けて描き、切り分けて着せ替えするおもちゃを自作していました。
――それは素敵ですね~!クオリティが凄そうです!
野分 髪型にもそこそこの拘りがあり、一概ではありませんが、自己肯定感が低い/内面を隠す/又は野性味が強いキャラは前髪を重くしているので見比べると楽しいと思います。
――そういうことを知ると、また読み返したくなりますね。
野分 お気に入りのデザインはラヴァンですね!
ラヴァンたちケンタウロスはばん馬の重量を目指しました。人間の上半身がついているのだから骨や筋肉が多く競走馬より重い+脚が発達してるはずです。
そして足先のふわふわの毛がチャームポイントですね…。見た目も柔らかで性格も控えめ。蹴られたらひとたまりもないのにふわふわの毛がついています。
本物のばん馬も畏怖かわいいです。

↑本好きのケンタウロス令嬢ラヴァン。
ふわふわとかわいく弱弱しい雰囲気だけれど脚はしっかり強そうで、相反する部分が両立したキャラクターデザインです。
――連載中は感想フォームより人外キャラクターが好きな方の「耳やしっぽをつけただけではない、その動物らしさが感じられるデザインが好き」というお声をたくさんいただきました。野分先生は動物はお好きなんですか?
野分 耳やしっぽだけの獣人も好きですよ。獣度で派閥があると思いますが、自分は雑食なのでなんでもいけます!
猫を飼っているので動物好きではあると思うのですが、誇れるほど詳しくはないです。複数の図鑑が家にあったのでよく捲っていた程度ですね!
――そうなんですね。
連載中の他にもたくさんご感想やご質問をいただいたのはエメラインの性別についてです。野分先生はどう思われて描かれましたか? さしつかえない範囲でお話をいただければと思います。
野分 エメラインの性別は女性で、心も女性です。悩んでいたのは別のことで、本質が王女かヒーローかという点です。1話で"ヒーローの姿も自分として受け入れる"を経て、最終的に”王女でヒーロー”に落ち着きました。
――生き方に悩むエルフの王女がハナとの出会いに救われたんですね。
それがしっかり表現された素晴らしい最終回だったと思いますが、この結末に至る物語であるというのは最初から決まっていたのでしょうか?
野分 良い終わりと思っていただけたら大変光栄です!
結末はたしか3話頃に巻数別で物語の結末を考えていたと思います。
2~3巻で収めるなら妻回は無く個人相談だけに留め、7~10巻構成なら獣の国編に入りエメラインが別ルートで闇落ちしてました!
最終的に5巻構成になったので暗殺犯探しがメインルートになりました。
しかしどのルートでもメイン三人の関係性は同じです。
また本作では、メイン三人それぞれにゴールを設定していました。
ハナは博愛から「特別」を自覚することがゴール。
エメラインは自分を偽らず「素直」になることがゴール。
神父は執着を整理し「本心」を見つけることがゴール。
物語全体としてぱっとしないかもしれませんが、キャラの悩みが一つでも解消され、
状況が好転するまでが本作らしい結末かと思います。
――ぱっとしないなんてとんでもない大団円だったと思います!
そう言われるとその通り、メインキャラクターであるハナと彼女を愛する二人、それぞれ良い方向に変化しているんですね。
野分 ちなみに1~5巻の書き下ろしは服の要素が無いだけの本編なので、是非繋げて読んでいただきたいです!
毎回かなり重要なことがさらっと描かれている巻末描き下ろし…!




第1巻描き下ろし『花迎える人』 ハナを迎える裁縫係での歓迎会が描かれます。
第2巻描き下ろし『花の守人たち』人間であるハナが安心して暮らせるように見守る人たちのお話です。
第3巻描き下ろし『贖罪と造花』ハナと神父様の出会いが描かれ、この話で神父様の本名が判明します!
第4巻描き下ろし『太陽と勇者と夜の魔女』ロゥルとディンにハナが読んであげる絵本は勇者と魔女のお話で…。
描き下ろしは今回の全話無料開放対象外なので、ぜひコミックスをお手にとってお楽しみください!
――最後に、読んでくださった皆様への言葉と次回作への意気込みを宜しくお願いいたします。
野分 これからロイヤルテーラーを読まれる方には、どのキャラが琴線に触れるか楽しみです。
人外沼の浅瀬でちゃぷちゃぷしていってください!
最終回まで読んでくださった方には、…なんと26話もお付き合いくださったんですか!?
読後に少しだけほっこりしてくれてたらいいなと思います。
応援メッセージ・感想など送ってくださった方もありがとうございました。連載中、連載後と大変励みになりました。
最終巻まで力を尽くせたのもそれらの助けがあってこそと思います。
次回作も何かしらの人外コミュニケーションが描けたらと思います。肌に合ったら読んでみてください!
漫画もインタビューも、興味を向けてくださってありがとうございました~!
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野分先生描き下ろしスペシャルイラストでインタビューを締めくくらせていただきます✨
人気キャラ勢ぞろいの豪華イラストをぜひお楽しみください

3月31日(月)の待望のコミックス第5巻発売をお楽しみにお待ちください
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