COMICAZZ コミカス KOMIKASS by 河嶋好太郎-kas-rev-9-9

さてその日
ブルーノがカンポ・デ・フィオーリで
焼き殺されている頃
飛行超人?
カスタニーが教皇クレメンス8世めがけ
アヴィニョンの宮殿へと
舞い降りようとしていたのです
見ると
なんと教皇は枢機卿と秘書官を
伴っただけで
衛兵も連れずに外出
しようとしていたのです
これぞまさしく
飛んで火にいる夏の虫
カスタニーは
得意の絶頂まるでもう教皇を
手に入れたかの気分
しかし
世の中そんなに甘くはない

元来ちょっとばかり軽薄な
カスタニー
今回もまた警戒心薄く
思い込みばかりが先走ったようです
クレメンス8世とて
伊達に教皇を務めているわけではありません
それなりどころか
かなりの政治家なわけで陰謀・謀略の
類はお手のも
当の昔に
子爵トランカベルの企みを察知していたのです
当然のこと
カスタニーがこうして今日
やってくることも
織り込み済みのことでした

そうとはつゆも知らず
カスタニー教皇めがけて
降り立ったのですが
その時
なんと宮殿の壁から大勢のスイス衛兵たちが
彼めがけて
とびだしてきたのでした
カスタニーは
壁に施された偽装にはまったく気づかずにいたのです
武器など何一つ持たず
ただ
鳥のごとく飛べる力に
頼った
カスタニーはいとも簡単に衛兵たちに
絡め捕られて
しまったのでした

そして時を同じくして教皇の軍勢は
カルカソンヌにある
子爵の居城を
攻め落としました
かくて
トランカベルは郎党とともに
討ち死にしたのです

後ろ立ても殺され
そのことすら知らずに囚われた
カスタニー
普通ならば
即座に殺されてもおかしくもなく
命乞いでもするのが普通
のはずなのに
何故か
泰然自若
捕縛されても動じる様子もありません
いぶかしむ
衛兵たちに
クレメンス8世は教会島
への連行を
命じたのでした

教皇には考えがありました
チト阿呆なカスタニー
とはいえ
空飛ぶ能力は尋常ならざるもの
いつか
自らの策謀の為に
利用しようと
生かすことにしたのでした