さてその日
ブルーノがカンポ・デ・フィオーリで
焼き殺されている頃
飛行超人?
カスタニーが教皇クレメンス8世めがけ
アヴィニョンの宮殿へと
舞い降りようとしていたのです
見ると
なんと教皇は枢機卿と秘書官を
伴っただけで
衛兵も連れずに外出
しようとしていたのです
これぞまさしく
飛んで火にいる夏の虫
カスタニーは
得意の絶頂まるでもう教皇を
手に入れたかの気分
しかし
世の中そんなに甘くはない
!
元来ちょっとばかり軽薄な
カスタニー
今回もまた警戒心薄く
思い込みばかりが先走ったようです
クレメンス8世とて
伊達に教皇を務めているわけではありません
それなりどころか
かなりの政治家なわけで陰謀・謀略の
類はお手のも
当の昔に
子爵トランカベルの企みを察知していたのです
当然のこと
カスタニーがこうして今日
やってくることも
織り込み済みのことでした
・
そうとはつゆも知らず
カスタニー教皇めがけて
降り立ったのですが
その時
なんと宮殿の壁から大勢のスイス衛兵たちが
彼めがけて
とびだしてきたのでした
カスタニーは
壁に施された偽装にはまったく気づかずにいたのです
武器など何一つ持たず
ただ
鳥のごとく飛べる力に
頼った
カスタニーはいとも簡単に衛兵たちに
絡め捕られて
しまったのでした
!
そして時を同じくして教皇の軍勢は
カルカソンヌにある
子爵の居城を
攻め落としました
かくて
トランカベルは郎党とともに
討ち死にしたのです
・
後ろ立ても殺され
そのことすら知らずに囚われた
カスタニー
普通ならば
即座に殺されてもおかしくもなく
命乞いでもするのが普通
のはずなのに
何故か
泰然自若
捕縛されても動じる様子もありません
いぶかしむ
衛兵たちに
クレメンス8世は教会島
への連行を
命じたのでした
!
教皇には考えがありました
チト阿呆なカスタニー
とはいえ
空飛ぶ能力は尋常ならざるもの
いつか
自らの策謀の為に
利用しようと
生かすことにしたのでした