二人は
フサインらに案内されて
とある洞窟へとやってきました
そこで着替えた二人に
フサインがいきさつを話はじめたのです
・
すでにご存知のこととは思いますが
カスタニー殿は
我が主君カルカソン子爵レイモン・ロジェ・トランカベル様
に御依頼された
教皇クレメンス8世拉致の件
実行すべく準備されておいでになりました
本来
子爵殿のご依頼はクレメンスの暗殺にございましたが
ご本人の固く人を殺めることを
拒んでおられ
子爵様が
お話された
吾らカタリの信者に対する
普遍教会の極悪非道な弾圧に
いたく心を動かされたご様子で
クレメンスの拉致を
お引き受けくださり
その身柄
子爵殿に引き渡すこととお決めになりました
その後
クレメンスをいかにしようが
子爵殿の
ご勝手というわけでございます
・
決行の日取りは
1600年2月17日
ドミコ会修道士ジョルダーノ・ブルーノ
が異端の罪により
ローマにおいて火刑に
処されるその日でありました
ご存知のとおり
ブルーノはコペルニクスの学説を擁護したために
異端に問われたのです
そして
悪魔クレメンスは彼の直訴をしりぞけ
火刑を命じたのです
当のクレメンス8世はその日
ブルーノの死を目にすることが嫌で
アヴィニョンに
滞在の予定となっていたのでした
・
この好機を
カスタニー殿は利用して
子爵殿のご依頼を果たすつもりでおられました
そして
万が一失敗し囚われた場合
の
指図を吾らにされたのです
・
囚われてより
三日の後
ローマ水道橋遺跡の教会に
わたくし
フサインを尋ねて訪れる者がある
彼の名は機械ブタと申す
ただその者は
甦りたる
機械ブタなる
と
おっしゃったのでした
・
そうしていよいよ
ブルーノの処刑の日が
訪れたのです
!
