COMICAZZ コミカス KOMIKASS by 河嶋好太郎-kas-rev-9-4
二人の乗った
ローテ・ルフト号
地中海を横断してフランスへと
たどり着き
ついに
アヴィニョンの
上空へと
やってきたその時
雲間から
なんともなつかしい
黄金の手
ピカッと閃光を放つと
あの神のイカヅチが降り注いだのでした
ドカン
と衝撃を受けた
飛行機は
あわや空中爆発とおもいましたが
ポルコの
操縦でなんとかかんとか
郊外の葡萄畑の
空き地に
不時着したのでした
この時
二人は地上に落ちながら
ちょっと不思議な
体験をしました
神様の電雷を受けた直後
衝撃で気を失ったそのまま暫くの間
飛行機は
落ちるばかりでした
どれほどの時間がすぎたでしょう
もう当然
墜落絶命
かとおもった二人が覚醒すると
そこは深い深い
霧の中でした
まるで時間が止まったように
飛行機までもが
機首を下に向けたまま宙に浮かんで
いるのでした
まるで重力を失ってしまったかのようです
気がついた
といっても半分ぼんやりしたままの
ポルコとコペチカは
ただ周囲に
目をやるばかりでしたが
とにかく
乳液のように濃い霧が二人を多い尽くすばかりなのです
とその時
遠くのほうから
音が聞こえて来ました
グォーンと鈍い反響音が繰り返し繰り返し鳴り
それが徐々に近づいてくるのです
なにやら
巨大な飛行船のようなものが
かすかに見えたようで
それが
彼らにむかってきます
反響音は金属的な唸りのようにたかまり
耳がやぶれそうになりました
ついに
その飛行船のようなものが飛行機を掠めて
通り過ぎようとしたとき
二人は
その物体にある丸い窓に
目が釘付けに
なりました
ガラス越に
男と女が
こちらを見ています
その時だけ霧は彼らの間から消えうせていました
なので
二人は
その窓辺の人間をはっきり見ることが
出来たのです
そこにいたのは
なんと
鏡写しのようになった
ポルコとコペチカ
だったのです
そうして
飛行船は轟音を立て
過ぎ去ってゆくと
再び濃い霧が周囲を満たしたかと思うと
雷鳴と稲妻
二人を
撃ったのです
これらの出来事は
一秒の何万分の一にもすぎない
時間でした
なぜなら
再び気を取り戻した二人の飛行機は
まだ
地上へと向かって
堕ちている最中だったのです
ポルコがどうにか
飛行機を水平に建て直すことに
成功し
はじめに話したように不時着できたのです
ところで
こうして助かった
二人
肝心の霧の中での出来事は
綺麗さっぱり
忘れてしまっていたのでした