あの出来事の前夜
アマリアとイーゴリは
パイクのステージが終わったアマリアに、
イーゴリからの電話。アマリアはちょっと驚いた、
かれから会いたいなど言われることは、
これまで無かったから。
ましてや夜更けになど絶えて。
ふたりはこころだけで愛し合っていたのです。
「待たせたかしら。」その声に気づいて顔を上げた
イーゴリの顔は微笑んでいた。
「ごめん、急に呼び出したりして。おなか空いてない?
なにか食べようか。」
「だいじょうぶよ、それより、、」と言いかけた彼女の
言葉をさえぎり、話し始めたかれ。めずらしくイーゴリは
饒舌だった。あまりにおしゃべりしすぎて窒息するくらいに。
アマリアはそんなかれをいぶかった、そして、、、
「ねぇアマリア、驚かないで。」とかれはストールの上に
指輪を置いた。
「イゴール、、、」アマリアはそれきり言っただけで、
あとは言葉にならなかったのです。
幸せな二人、けれどアマリアはどうしても人形のことが
気がかりでした、結婚するのだからなおさら。
「ねぇ、ひとつだけ聞きたいことがあるの?」
「なんでも!」
「ごめんなさい、わたしね見ちゃったの、お人形。」
イーゴリの口から出た言葉とは?
つづく