哀れな女に施しをさずけ
いまや文無しのカスタニー
全部あげちまうこたぁなかったのに。」
「うるさい、そういう気分だったんだ!それにしても
どうも人気のない街だな?」
「それがですね旦那、ちっと調べたんです。」
機械豚はいつも情報を仕込むのが早い、まるで
レーダー伍長のようです。彼のはなしでは、
このベルンの町にはオーストリアのスイス総督
ゲスラーがおりまして、非道ともいえる支配を
していたのです。例をあげれば、この広場の
彼の銅像の前でお辞儀をしないものは、逮捕!
なのでした。ゲスラー自ら目玉の見張塔から
監視していたのです、なんともやな奴。市民たちは
独立を奪ったオーストリアにたいする反感と、
ばかげた総督の所業への抵抗から、みな家に
とじこもっていたのです。
「へぇーそうか、じゃぁ今もあそここから、おれっっち
たちをねめつけているんだ。」
「どーします、お辞儀?」ゴールドマンは気弱。
「けっしゃらくせぇ。」もしろんカスタニーが
お辞儀なんてするわけありません。
どうなるの?
つづく
