ご安心ください、わたくし押し売りでは
ありません。真理をお求めでは?
メフィストがファウスト博士の前に現れたのは、
そんな具合でした。
「博士、実に知識の王者であるあなたなら、
お判りいただけると思うのですが。いかがです、
宇宙究極の真理、絶対の法理を知りたくは?
ございませんですかな。」
「ふむ、君はその秘密をご存知といわれますか?」
「左様。」
「しかしこのわたくしですら、いまだ突き止めることが
できずにいるというのに。」
「ごもっとも、そうたやすく他人を信用しては
なりませんからな。ですからわたくしもそれを
無償でとは申しません。」
「そのような訳のわからぬことに、代償など払う
気など毛頭ありませんぞ!」
「では」とメフイストは、一塊の鉛をとりだしなんと
博士の眼前で、それを金に変えて見せたのだ。
「おおぅ、その秘法、なんと、、、、、」
驚くのも無理はありません、ファウスト博士は
この業のため錬金術を極めたものの、
未だに成就できずにいたのですから。
「どうです、博士。」
ことばもないファウスト博士でした。
こうしてファウストはメフィストと、己が身を代償に
絶対真理を手にすべく契約を交わしたのでした。
その期限は25年間。
メフィストの手品にだまされた博士。
彼ほどの知恵者でも、己の欲望の前には
阿呆同然ということなのです。
つづく
ありません。真理をお求めでは?
メフィストがファウスト博士の前に現れたのは、
そんな具合でした。
「博士、実に知識の王者であるあなたなら、
お判りいただけると思うのですが。いかがです、
宇宙究極の真理、絶対の法理を知りたくは?
ございませんですかな。」
「ふむ、君はその秘密をご存知といわれますか?」
「左様。」
「しかしこのわたくしですら、いまだ突き止めることが
できずにいるというのに。」
「ごもっとも、そうたやすく他人を信用しては
なりませんからな。ですからわたくしもそれを
無償でとは申しません。」
「そのような訳のわからぬことに、代償など払う
気など毛頭ありませんぞ!」
「では」とメフイストは、一塊の鉛をとりだしなんと
博士の眼前で、それを金に変えて見せたのだ。
「おおぅ、その秘法、なんと、、、、、」
驚くのも無理はありません、ファウスト博士は
この業のため錬金術を極めたものの、
未だに成就できずにいたのですから。
「どうです、博士。」
ことばもないファウスト博士でした。
こうしてファウストはメフィストと、己が身を代償に
絶対真理を手にすべく契約を交わしたのでした。
その期限は25年間。
メフィストの手品にだまされた博士。
彼ほどの知恵者でも、己の欲望の前には
阿呆同然ということなのです。
つづく