初版  :2015年3月19日
著者  :安生 正(あんじょう ただし)
カバーイラスト:MISSILE228
発行  :宝島社

ジャンル:サスペンス、ミステリー

ガーンびっくりニヤリ感想:正体不明の爆発、民間人への攻撃、迫りくる自然の驚異と日本政府につきつけられる選択。テロか、戦争か。首都が狙われるとこんなことになるのか、リアルな演出にイッキ読みしてしまいました。
日本の憲法では様々な制約があり、有事の際、自衛隊の武力攻撃については政府がこう解釈されるだろう、野党はこう反論するだろう、責任転嫁の会議が続き、その間にも首都が炎に焼かれ、民間人がパニックになり、殉職者が出ていても報道はこうなるだろう、というフィクションですがあり得る話だと思いました。日本は平和です。責任問題よりもまず侵略者の排除・殲滅だろうと思いながら、それでも憲法解釈は重要。世界からの目もあります。そこをどう、だれが判断するか。今の政府にこんな状況が起きたら、どうなるんだろう。テロが実際起きている現実世界。気になります。法律の勉強にもなります。
 
この物語では、侵略する側にも、対応する側にも込み入った事情がからんでいます。それらが後半も後半、最後のほうで一気につながりだす感じは読んでいてスピード感があってよかったですが、話は常に先を行きます。読んだ後の話が続いているのが半端な気持ちになりましたが。
 
よかったです、内閣総理大臣「梶塚」の原稿を握り潰すシーン。
自衛隊員への一斉放送で、苦渋の決断をした総理の凜とした目。魂の叫び。込み上げる上気。震える肩。重い沈黙。・・・・。
感動的です。人は痛いのが嫌いです。それに直面した時の行動を誰も責めることはできません。それが定められたルールであっても、人は逃げたくなる。
でもそれじゃダメなんです。今、たった今、日本が、首都東京がやられる。そんな時、この演説は、効きます。ただの命令ではない、国家のトップがウソ偽りなく絞り出す言霊。悟ります。根本的なところを、グーっと掴まれたような感じで。忘れちゃいない。誰かがやるのだと。そう上を向いてやるのだと。