名探偵コナン(96) (少年サンデーコミックス)

 

96巻(2019年4月10日)

・キッドVS高明 狙われた唇
・代役・京極真

鈴木博物館で展示されるビッグ・ジュエル「妖精の唇(フェアリー・リップ)」を怪盗キッドが狙ってくると考えたコナン達。
一方で新一を超える告白を和葉にしようとする平次。
怪盗キッドが今回、変装相手に選んだ相手は和葉でした。
好きな女の子が関わってしまうとポンコツ探偵になるのがこのシリーズのお約束です。
平次は怪盗キッドが和葉に変装している事に気が付かずに和葉への告白をしようと試行錯誤します。
怪盗キッドもまさか気が付かずに和葉として迫られる自分にかえって焦りを見せます。
そんな中、和葉がキッドである事を早くに見抜き平次も見抜いているという過程で話を進めるコナン。
途中で、「気が付いていなかったのか…」と呆れもするものも気持ちも分からないではありません。
(コナンが自分自身もいつもそうなので)

第983話「キッドVS高明 狙われた唇(前編)」

怪盗キッドのアイスパフォーマンスを見抜き、解決に導いたのは長野県警の精鋭、諸伏高明警部でした。
たまたま別件で警視庁に来ていた諸伏警部、そのちょっとの合間にもその知能を出し惜しみしません。
本物ビッグ・ジュエル「妖精の唇(フェアリー・リップ)」を回収しに来た怪盗キッドを待ち受けていたのは諸伏警部とコナンでした。
怪盗キッドはいつも通りトリックを使ってその場を離れます。
ビッグ・ジュエルも持っていきましたが、実は諸伏警部とコナンは敢えて見逃したのです。
逃走経路も本物も分かっていましたが、怪盗キッドが「本来の持ち主」に返すことも知っていたからでした。

ですが、「本来の持ち主」は展示した人物ではありませんでした
怪盗キッドの粋な計らいは是非読んでご確認ください。

第984話「キッドVS高明 狙われた唇(後編)」

 

【諸伏警部に関する重大なネタバレ】
長野県警の諸伏警部が警視庁を訪れたのはそもそも自分宛ての封筒を受け取るためでした。
その封筒の裏には「0」とも「〇」とも読める1文字が書かれていました。
中身はスマホが入っていました。
しかも傷だらけでした。

諸伏警部はスマホの裏にある「H」と読める小さな傷を見て弟の景光(ひろみつ)の物だと確信します。
警察を辞めたと言っていた弟。
本当は公安に配属されていたのだろうと推測しました。
公安に入ると家族にさえ知らせないのはセオリーだったからです。
そして、潜入中に命を落としたのであろうと…。

封筒の裏にあった「0」というのは数字のゼロの事。
弟が東京で友達が出来た「ゼロ」というアダ名の少年の事を弟が言っていたことを覚えていたのです。

「弟、景光」というのは諸伏景光の事で、スコッチの事です。
ゼロは安室透。
またこの封筒を預かっていた人物が1年前に殉職した伊達航の遺品の一つだったことで、警察学校時代の同期達がつながり始めます。
子供の頃から仲が良かった諸伏景光(スコッチ)と安室透(ゼロ)。

一つの遺品からここまで分かってしまう諸伏高明警部、さすがとしか言いようがありません。

もう一つのお話は京極真さんが久しぶりに出てきます。