名探偵コナン(78) (少年サンデーコミックス)

 

78巻(2012年12月18日)

・漆黒の特急[ミステリートレイン] [発車/隧道/交差/終点]
・ 密室にいるコナン/謎解きするバーボン
・コナンvs.キッド 赤面の人魚[ブラッシュマーメイド]

 

ミステリートレイン編です。

とうとうここまでやってきました。

黒の組織、オンパレードです。

ベルモット、ジンとウォッカ。

そして、世良真純、安室透と沖矢昴の正体も少しずつ見えてきます。

新一の母、工藤有希子もキーパーソンの一人となります。

怪盗キッドも出てきます。

今回、キッドが変装する人物で黒の組織を翻弄することに成功します。

 

さて、この巻では変装の達人が3人も出てきます。

ベルモット、工藤有希子、怪盗キッドです。

 

ベルモットは赤井秀一に変装。

世良真純から「秀兄」という言葉を引き出します。

ここでベルモットは世良と赤井が実の兄弟である事を知っていて身内ならば赤井秀一の生死を知っているだろうと思ったのです。

この事から、ベルモットは赤井は死んでいると確信を得ますが、これには壮大なトリックがあります。

 

この巻で安室透は黒の組織からコードネームを与えられたバーボンである事が明かされます。

そのバーボンの前にシェリーが現れます。

黒の組織としてシェリーを追う安室透ですが、間一髪で逃げられます。

それもそのはず、このシェリーは怪盗キッドが変装した姿だったのです。

黒の組織側でAPTX4869で幼児化するであろうことを知っているのはこの時点でベルモットだけです。

ジン、ウォッカ、安室透はシェリーが灰原哀であるかもしれないという可能性には気が付いていないと推察されます。

ですから、怪盗キッドの変装は大成功したと言えます。

 

この巻は私が一番気に入っていると言っても過言ではありません。

テレビアニメシリーズでDVDも持っている唯一のシリーズです。

 

下にスクロールしていただきますと、この巻以降の重大なネタバレがあります。

 

名探偵コナン PART22 Vol.6 [DVD]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ネタバレ】

赤井秀一は生きていますが、この時点では明らかになっていません。

実の妹の世良真純でさえ赤井秀一は死んでいると思っているとベルモットは確信します。

(この真相は赤井復活の85巻まで待たれます)

ただし、最後にシェリーが現れた事で誰かの変装ではないかと、すれ違いざまの少年探偵団の言葉で気が付きます。

自分と同等の変装技術を持った人間がいても不思議ではないからです。

 

【更にネタバレ】

安室透はこの巻で黒の組織のメンバーであることが明らかにされますが、また日本の公安(警察)である事が後に分かります。

(安室透が公安の人間である事が明らかになるのも85巻

また、この時、シェリーとして対峙した怪盗キッドの事も明確に覚えている事が101巻148ページで明らかにされます。

 

ミステリートレインについてもっと詳しく知りたい人はさらに下にスクロールしてください。

 

 

【詳細なネタバレ】

鈴木財閥の手配でベルツリー急行に搭乗できるようになったコナン達。
相談役で事実上の所有者である鈴木次郎吉爺ちゃんは、またもビッグジュエルで怪盗キッドに挑戦します。
ですが、このベルツリー急行、それどころではなくなってしまいます。

ベルツリー急行はミステリートレインとも呼ばれ、走行中に謎解きのイベントがある事で一部のミステリーファンには人気のツアーです。
また、毎回参加する人たちもいるくらいでお互いに面識もあるくらいでした。
列車内で行われるイベントは各個室の前に手紙が置かれ、「犯人、共犯者、探偵」とそれぞれが役割を持つルールになっています。
コナン達にもその手紙が届き、指示通りの部屋に行くと、いきなり殺人事件を目撃することになります。
随分手の込んだイベントだと思い、子供たちは解決に向かいます。
共犯役の蘭、園子、世良真純とも会います。
コナンは彼女たちを共犯役と見破ります。
そして、イベントは解決の方向に行くかと思いますが…。

何と、さっき見た殺人事件は本物でした。
コナンや蘭たちにわざわざニセの手紙を送った人物がいたのです。

こうなると話は変わってしまいます。
また、灰原哀は黒の組織の感覚を感じ取ってしまいます。
それも一人や二人ではありません。
これも大正解です。
このミステリートレインに乗車している黒の組織の人間はベルモット、バーボン、沖矢昴がいたのです。
(バーボン、沖矢昴は黒の組織一択ではなかったのですが、それは85巻で明らかになります)

灰原哀はこのままでは殺されると感じます。
また、殺されても、子供の姿のままで死ぬわけにはいきません
黒の組織は「シェリー」を探していて灰原哀の事は知りません。
APTX4869で幼児化する可能性がある事を知っているのは黒の組織側ではベルモットだけです。
ですから、灰原哀として殺されてもシェリー生存説は残ってしまい、黒の組織にシェリーと少しでもコンタクトを取った事がある人間は追いつめられる可能性があるからです。

「この姿のままで死ぬわけにはいかない」
灰原哀は蘭や子供たちの前から離れます。
その時に目の前に現れたのは沖矢昴でした。

哀ちゃんがいなくなった部屋で子供たちはこの事件の前に助けてもらった女性の話をします。
実はこの助けてもらった女性と言うのが解毒剤を飲んで一時的に大人の姿になった灰原哀でした。
その女性が、ベルツリー急行に乗るためのパスリング(指輪)をしていた為にきっとこの列車内にいるというのが子供たちの考えでした。
子供たちは助けてもらった人にお礼を言いたいという一心でこの女性の動画を毛利探偵事務所に送っていました。
蘭もその動画を見たと言います。
それを聞いていた阿笠博士は動揺します。
もし、この動画を黒の組織側が見たら灰原哀がシェリーだと行きついてしまうかもしれないのです。

この時にコナン(新一)の母、有希子はベルモットと対決します。
この二人は女優時代からの友人でもあります。
そして、今回、息子の助っ人の為に一役買ったのでした。
変装術を共に学んだ二人は相手の変装を見抜くのもお得意のようです。
ベルモットが火傷の男の赤井秀一と扮していた時はすれ違いざまに声をかけています。
有希子がベルモットに声をかけた時に変装を解きますが、体格を大きく見せるために細工をしている様子も伺えます。
今まで赤井秀一に似た火傷の男の正体はベルモットの変装だったことがここで分かります。
また、ベルモットがAPTX4869で幼児化する可能性を組織に言っていない事もはっきりします。

時を同じくして、灰原哀が大人になった姿(シェリー)で安室透に追いつめられます。
安室透はヘルエンジェル(灰原哀の母)も知っており、それを明かしたうえで「バーボン」だと名乗ります。
列車の最後尾、爆弾がある所まで追い詰められたシェリー。
「殺す気はない」というバーボン。
しかし、連結部分に背後から来た赤井秀一に手りゅう弾で爆発させられます。
背後に回られた時にバーボンはこの赤井秀一をベルモットだと思っていたのですが、一瞬で違うと気が付きます。
気が付いたときにはその男はいませんでした。
そして、連結器から離された列車はシェリーと一緒に鉄橋で爆発されてしまいます。
これでシェリーが死亡したと言う事になります。

列車が爆発されたのでミステリートレインは一番近くの駅に臨時停車することになります。
勿論、全員、調書を受けます。
列車を降りた際、灰原哀を背負った阿笠博士に遭遇するベルモット。
ここで自分の計画が失敗したことを知ります。

一番の核になるところですが、安室透と対峙した時のシェリーは怪盗キッドの変装でした。

(安室透はこの事を覚えている事が102巻で明らかになります)
怪盗キッドがベルツリー急行にある女性の秘書として乗り込んでいたのを見逃してやるから協力するようにコナンと取引したからでした。
爆破された列車から怪盗キッドはハンググライダーで脱出しますが、さすがに命からがらだったようでコナンに「貸しにしておく!」と言い放つほどでした。
また、同行していた怪盗キッドの手下は普通のおじいさん姿に戻って、一般人と遜色なく去っていきました。

ここで、ベルモットと安室透の見解は異なります。
ベルモットは赤井秀一に変装してその妹の口からも「死んだはず」という言葉を引き出しています。
ベルモットは赤井秀一が死んだと一時は確信したものの、子供たちの言動から他の可能性を考えます。
安室透
はベルモットが変装している火傷の男がベルモットでないと知り、疑念を抱きます。

そして、一般の乗客の最後の一人に沖矢昴がいました。