結婚して一番気を付けたいと思っていたことは
相手の親との関係だった
お義母さんとは特に上手くやらなければ
これからの長い生活はやっていけないと確信していた
彼は3人兄弟の末っ子だった
私が彼宅へ行かせてもらったのは、結婚が決まった
挨拶の時だった。
それは小柄なかわいらしいお義母さんが出てきた
とにかくよくしゃべって、根掘り葉掘り聞いてこられる方だった
私は相手の親に対してどう思うこともなかったが
その時の彼の様子を今思えばもっと疑うべきだったと思う
彼は私と家に着くなり、手洗いを終えて、椅子に掛けると
母親にあれを取って、これを取ってと申し付けたり
お義母さんも「ゆうちゃん、ゆうちゃん、あれどうなったの?」と
かなり過保護な感じが伺えた
私は姉妹だったこともあるし、かなりさっぱりした関係だったので
あまり親が色んな事に干渉するってことも
何かを親にやってもらうこともなく
同じ空間にいるなら、自分のことは自分でするがモットーの家庭だった
だから、男兄弟って親もこんな優しく、こんなに色んなことをやってあげる感じなんだと新鮮だった
結婚してからも頻繁に彼は実家に行ってた
私も最初は付いて行ったけど、正直彼の自宅に行って
お茶の1杯ももらえなかったし、彼がただただお義母さんと話し時間を
眺めているだけだった
次第に私も何のために行くか分からず、2人の時間もない環境下で
相手のお義母さんと近況報告しあうのは違うと思った
結婚ってもっと2人の時間だと思った
だから、行くことも拒むようになった
結婚して1か月が経った頃、彼の実家へいつものようにいくと
「ゆうちゃん、今年も年末は金沢だもんね」と彼と私に話しかけてきた
私は、何のことやらさっぱり分からず黙っていると
彼が、少しバツの悪そうな顔をして
「まあ毎年行っているからな。これは今年も行かないと」と私の顔を見て言ってきた
彼は、幼少期を石川県で過ごしていた。
だから、大学の時から毎年年末は石川の人たちと年越しをするらしい
勿論、私は初耳だったし、なぜ私より彼の親が先に今年も行くことを知っているのか
【私の立場ってなに?】
このころから、そう自分に投げかけるようになった
私もその場では「そうなんですね。私は初めて知りました。へえ」といかにも冷めた目で
お義母さんと彼を睨みつけた。
結婚して1か月がようやく立とうとしている最初の年越しを私は1人で超さなければならないこと
大掃除も引っ越したばかりとは言え、やらずには終われない中で
私1人でやれってこと?(お互い年末まで仕事で、12月30日の休み早々に石川へ行こうとしていたのだ)
頭から煙でも出そうだった
彼の毎年行ってる。当たり前という行動と
私に何の相談もなく、もうホテルの予約など取っていることも
更にお義母さんが彼の行動を理解していること
何なら、雪が心配だから余裕をもっていったほうがいいとか言ってた
自分たちの家に帰った後
私はその思いを彼にぶつけた
彼「それさっきの場所で言えよ。帰ってきてから言ってくんなよ。お母さんの前で
言ってみ」と嫌味たっぷりに言ってきた
私ももちろん負けじと「じゃあ、私も連れてってよ」といった
彼の高学歴さなんて微塵も感じない
みんな慌ただしく、年末掃除したり、年始の準備を大人たちはするっていうのに
どんちゃん騒ぎするバカ集団を私はこの目で見てやろうと思った
彼「雪やばいから、来ないほうがいいよ」
私「雪なんか実家も降ってたし、経験あるから大丈夫」
その場では、なんとなくじめっとした空気で終えた。
しかし、彼からそれ以降この話を聞くことはなく
彼は自分の分のチケットだけ取って1人で石川県へ行った
私「石川県行くのってもうすぐだし、チケット取らない?」
予定の2週間ぐらい前だった。
私から話を切り出した
彼「ああ。結局俺1人で行くことにしたよ。ホテルも取ってくれてたし
お前の知らない友達ばっかりだからさ。気まずいじゃん。今回は1人で行くわ」
まるで、私も行かせたかったけど仕方がなくといった言い方で言ってきた
もうそこからは、イライラを超えて、黙り込んだ
悔しかった。
年末は1人で過ごした
1人で1LDKは広かった
悔しくて、悲しくて布団で1人泣いた
寝れなかった
結婚っていうのは
好きな人とずっと一緒にいることができる
楽しいことも悲しいことも共有しあえる唯一無二の関係だと思ってた
でも実際は、一緒にいる時間なんてほぼなく
休みの日は旅行に行かれて、年末など祭事ごとも一緒に過ごせず
私が文句を言えば、何かと吹っ掛けられる日々だった
彼は私に何かしてくれただろうか・・・