炭水化物がダイエットの敵なのか味方なのかは、その度合いにもよりますが、諸説紛々で、ダイエットをめぐる謎のひとつです。
その歴史や現在の動向を知ることは、健康的なダイエットを考えるうえでいろいろ参考になります(低炭水化物ダイエットの創始者であるロバート・アトキンス博士が決して痩せていないまま、自宅で転倒死したことも、この議論を複雑にしています)。
にもかかわらず、原始人ダイエットはじめ、炭水化物の摂取を抑えるダイエット方法はまた盛り返し、医師三名の共著による「新アトキンスダイエット」も今年出て話題になっています。

そのあたりを分析したいのですが、そのまえに、一昨年発表された興味深い、かなり大がかりな調査の結果をレポートしておきます。
メモ
肥満気味の男女(BMI平均31)322名を対象とし、二年間に渡りつづけられていた実験の結果が2008年に専門誌に発表されました。

その実験は、対象者を、
A 低脂肪食のグループ、B 地中海型ダイエットを実践するグループ、C 低炭水化物ダイエットを実践するグループとに分け、比較しています。

A 低脂肪食グループは、摂取カロリーの30%を脂肪から摂るようにし、一日の摂取カロリーは男1800、女1500に制限する。

B 地中海型グループは、野菜・果物を多く取り、魚や低脂肪の肉からタンパク質を摂取し、調理にはオリーブオイルを使うというもの。一日の摂取カロリーはA同様に、男1800、女1500に制限する。

C 低炭水化物グループは、最初二カ月間は、炭水化物を一日20グラム以下に抑え、以後徐々に120グラムまで増やす。カロリー制限は行わない。アトキンスダイエットに基づいてはいるものの、脂肪やタンパク質をできるだけ植物性のものからとること、トランス脂肪を摂らないように指導されています。つまりアトキンスダイエットの危険な部分、飽和脂肪の摂りすぎは排除されている。
(結果的に、摂取したカロリーはABグループと同様におさまっていた)
クリップ
二年後の結果。

いちばん痩せたのは、Cの低炭水化物グループで平均5.5㎏。
二番目は、Bの地中海型グループで、平均4.6㎏。
三番目は、Aの低脂肪グループで、平均3.3㎏。


どのグループも痩せたのですが、体重減量の主な効果は最初の半年に出て、残る一年半はどのグループも大きく変わらなかった。
血液検査の結果は、低炭水化物のグループは、善玉コレステロール値の増加と中性脂肪値の減少が際立っていた。体内の炎症を示すCRP値は、BとCで同程度にさがっていた。レプチン、アディポネクチンなどの値はどれも同様の変動だった。血糖値の安定はBに顕著だった。
全体の14%と少数ではあるのですが、
女性被験者にかぎると、体重減少は、
A低脂肪グループで、0.1キロ減、B地中海ダイエットグループで、6.2キロ減、C低炭水化物ダイエットで2.4㎏の減。


男女差については、レプチンが関係ありそうではあるが、さらなる調査が必要だと研究者はコメントしています。
クリップ
炭水化物を一日20グラムで二カ月というのは、相当つらい試練ですし、いかにもリバウンドしてしまいそうなのですが、二年間がんばってつづけていると効果は大きいという結果でもあります。

考えさせられます。。。
私のような地中海型ダイエットでつらいおもいをすることなく痩せることができたものからすると、やっぱり地中海型はいいんだなと思ってしまうのですが。。

ここらへんの複雑な功罪については、またレポートしていくつもりです。

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ソース New England Journal of Medicin 2008 7。"Weight Loss with a Low-Carbohydrate, Mediterranean, or Low-Fat Diet"