毎月毎月の楽しみがあります。
本のソムリエから、本が届くのです。
今月はこれ
- お家さん〈上〉 (新潮文庫)/玉岡 かおる
- ¥620
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- お家さん〈下〉 (新潮文庫)/玉岡 かおる
- ¥660
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久しぶりに寝る間も惜しんで、夢中になって読みました。
明治初期から大正にかけて実際にあった
【鈴木商店】という会社の話です。
一個人の砂糖商であった鈴木商店の急成長、
ついには関連会社50社、社員総勢約5000人となるまでに至り、
そしてはかなくも事業停止にまで追い込まれるまでの物語。
この本で胸を突いたのはのは、そのビジネス拡大過程の楽しみのみならず、
商売の原点、とも言われる基本です。
≪思い出してほしいのだす。その昔、日本が貧しくひ弱く小さかった時代に、
決して儲けた金額を誇るためにはあらず、また私人の利益や富のためでもなしに、
ひたすらに国家のために、次の時代のために、誰に恥じることない王道を行き、
みずから子孫に誇れる実業の仕事に生きようとした人がおりましたことを。
日本が最後に世界で勝つとしたら、そういうことだす。私利を去り、まことをこめて
この魂が満たされる道を行く。全員が盗人や詐欺師やと自嘲なさったお国の方も
おられましたけんど、私ら日本人は、ただ正直に、慎ましく、地道にこの道を進む
ことやないでっしゃろか。・・・・・・・・・・≫
物語の最後の方に関東大震災が発生します。
この本が届いたのは2月末、
この度の東北地方太平洋沖地震が発生する前でした。
でも今この本を読むと、今まさにこの時期にこの本が届いたことを
まるで運命のように感じます。
今こそ、現代=今を大切にしながら
人としての原点にかえる時なのかもしれません。
さて、本のソムリエから届く本
東京は篠崎にあるこの本屋さんから届く
『成幸読書』というものです。
http://dokusume.com/modules/store/
最近はテレビなどでもお顔をよく見るようになった
本のソムリエ”清水 克衛”さんの解説がついています。
すこ~し高いかもしれないけれど、
この本に出会うまでの投資を考えると
安いものです。
とても素敵な本に出会うことができました。
感謝!