私は癖毛だ。

そこに多毛・剛毛も合わさり、風呂上がりに乾かしただけだと

「ハリー・ポッター」のハーマイオニーのようになる。

しかし残念ながら彼女のように

美貌も知性も魔力も持ち合わせてはいないので

やっぱりただの髪が爆発した女だ。

引き合いに出すのもおこがましかった。

 

小さい頃は、

「ちょっとウェーブがかかってる」程度で可愛らしかったものが

年齢を重ねるごとに強さを増し

小学校中学年までは母の手による三つ編みで乗り越えてきたものの

自分で髪型を整えるようになってから、

ツインテールもポニーテールもなぜか横に膨らんでしまい

思ったようにならないという違和感に気がついた。

 

母に訴えると、すぐさま美容室でストレートパーマをかけさせてくれた。

母も同じように癖毛で辛い経験をしていたため理解して

お金をかけてくれて、本当に感謝している。

 

けれど

どんなに時間をかけてパーマを当てても

1〜2ヶ月もすれば生え際から伸びてきた毛は癖があるので

またパーマをかける、のループが延々と続く。

その上途中から切り替えた縮毛矯正は

毛先まで真っ直ぐになってしまう。

 

自分の稼いだお金で美容室に通うようになり、

最終的に

 

・頭頂部〜真ん中までは縮毛矯正

・毛先だけデジタルパーマでワンカール

・(30代に入る頃には若白髪も発症していたため)白髪染め

 

という、美容室滞在時間約半日のフルコースが完成した。

当然出費も嵩む。

仕上がりは美しいけれど、回を重ねるごとにしんどさも感じていた。

 

その後、コロナの影響で美容室から足が遠のいたことと

たまの外出や仕事程度ならヘアアイロンで乗り切ることができたことから

半年ほど矯正をかけずに暮らした。

 

そんな時「髪質改善トリートメント」なるものの存在を知る。

どの施術例も見事なサラつや。

私もやってみたい!と思いさらに調べていくと

「癖が強い場合、縮毛矯正との合わせ技になる」

という真実に辿り着いた。

 

結局縮毛矯正するしかないんかーい。

 

 

 

てか、髪質改「善」って何??

癖毛は「悪」なんか??

完全に心がささくれている。もう疲れた。

ひとしきり拗ねた後

 

一回、この癖毛のままで生きてみようかな。

という気持ちになった。

 

そして、2年がかりで縮毛矯正を断った。

 

途中、半分は癖毛で半分はストレートという

中途半端な状態も耐え抜き

美容師さんの判断で、矯正の残った部分に癖毛と馴染むよう

パーマをかけてもらったら

程よく癖を活かしたちょうどいい状態になった。

美容師さんのセットが上手いので、最善を維持できるわけではないけれど

私の地毛ってそんなに悪いものでもなかったのかもなあと思った。

 

矯正してた時と比べたらまとまりはなくて

出かける時のセットは時間かかるし

湿度の高い日は目的地に到着する頃にはボサボサになるし

街でサラつや髪の美しい人を見ると

やっぱりいいな。羨ましいな。と思う。

 

だけど、「癖毛」を否定して力技で整え続けても

それはそれで別の辛さがつきまとった。

 

「癖毛つらいなあ。さらツヤがいいなあ。」

という気持ちも、「あってはいけない」ものではなくて

つらさも不便さも自分の一部として認めて

そのままにしてみたら案外楽だった。という話です。

 

こうして振り返ってみると

たくさんの人にお世話になって

技術を使わせてもらえて

ありがたいことだったなあと思います。

 

ちょうどいい画像がなかったから

田んぼで寝てる鳥の写真