yahooのサイト記事を見ていた時、NHKを退職された有働由美子さんのインタビュー記事がありました。
ちょっと(いや、かなり)衝撃でした。
(NHKを退職されましたね、という問いに対して)
以下引用---
好きな会社で、番組も好きで。だからこそ27年勤めたわけで、もう少しやりようがあったんじゃないかっていうのはすごく悩みました。
辞めてからも相当、苦しくなるぐらい後悔しましたね。
「あの人NHKだからよかったけど、フリーになったらダメね」って陰口を言われる夢を4回ぐらい見ました。
辞表を出したこととか、辞めたこととかが全部ナシにならないかな…と思うのですが、もうしょうがない。そんなことを何回か繰り返して、最近ようやく慣れました。
---引用ここまで(下線、色文字は当方によるもの)
まさか、そのように後悔したり悩んだりされたとは!!
長く続けてきたこと、これまで歩んできた道から外れることに悩みはつきものとは思います、が!、そうは言っても、ここまで有名な方、バリバリのキャリアを積んでこられた方です...次のステージもさらに前進、何でも出来そう!と私には思えていたからです。憧れの眼差しで。
私も2016年に11年勤めた大学を退職しました。東京に移動できる大学が見つからず(実力及ばず)、家族同居のために退職するか、いつになるか分からない関東周辺の大学のポジションを狙い続けるか。
何を大事にするか、どれも大事だけど、敢えて優先順位をつけるなら??の葛藤。
考えていた最後の1年は、本当に本当に苦しく、最後は自分で決めなくちゃならないと分かっているので(夫なり、誰かに言われたから退職した、となってはダメだから!)、心身疲弊しました・・・
理由はいろいろ。明らかに思い返せば、それは全部、すがりつきたいことばかり!過去にすがりながら今を生きて、どうにか未来につなげたい一心。はい。
・・・・・
「安定」した職。
毎月きちんと支払われる給与にボーナス、+αのお仕事も次々(各種仕事依頼はたくさん)、つまり、自分の稼ぎ。しかも悪くない、恵まれた給与。
もともと就きたかった職業、好きな職業。
時間を自由に使える、柔軟な仕事。
誰でもはなれないポジション。
なかなかスムーズには就けない職業。(=いったん辞めると大変)
専門職。自分の研究室。自分の看板、肩書き。
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有働さんの葛藤は、
「ウドウロク」の書籍にもありました↓
【組織を離れて「個」となった時に、私はどれくらいちっぽけで儚い存在であるか、これからまざまざと知ることになると思います。(p245)】
むむ。
私は熊本の大学を離れたことに「後悔」したことは一度もないのですが、有働さんの話と似たように、「大学に勤めている●●先生だから仕事があり重宝されるものの、その肩書きがなくなったら私には何が残る、出来るだろう??(ないのでは?!
)」とどんよりしていました。ないない探し。
アルアル探しより、ナイナイ探しはすぐに出来る。
必死に棚卸しをし、私に出来ることを考え抜き...
もちろん、退職を決めたら途端にワクワクしたのも事実。背中に羽が生えたかのよう!
行ったり、来たりしながら、前を向き、自分への深堀り作業は、今も、日々、続いています。
年を重ね、経験を重ね、環境が変わり、社会が変わっていくなかでは、常に自分も進化したいなと思う故です。バージョンアップは図りたい、だから、日々模索。ですね。
それにしても、「組織にいる安定」、「雇われている安心感」というのは、ある。
結局、組織の中でone of themになろうとも、会社組織のイチ歯車に過ぎなくても、それでも、「安定した」給与、立場、諸条件により、守られていて(守られているように思えて)、抜け出せない。見えない何かでコントロールされているかのようではありながら。
夫が会社員から個人事業主になり、今年から株式会社の主になりました。紙手続きの多さや細々とした変更、諸手続きは山のよう!会社員、公務員なら組織がしてくれる諸事を、自分でする。
自分たちでやるからこそ見える社会の細かなルールを理解することは、実は有り難い勉強で、賢く生きる知恵になるね、と二人で話しつつ。
有働さんの率直な思いを知り、立場は違えど、私自身、今一度振り返ることが出来ました。
深く、深く、深呼吸、しました。
