国立病院でNIPT検査を受けました。私は35歳以上ということで検査対象でしたが、検査を受けることができる「対象」に制限があります。(病院も限定的)
「母体血の血しょう成分からCell-free DNAを精製し、このDNAを用いて次世代シークエンサーによる大規模DNA配列解析を行い、13、18、21番染色体の量を測定する」というもの。陰性の場合、その信頼性は99.9%と精度が高く、血液検査(20ml)なので母子に負担はかからず。妊娠10週以降に実施し、結果は2週間後。
当日、
同年代と思しき女医先生と女性看護師さんと、夫と私。
女医先生から、資料をもとに「染色体異常とは」の説明を受けました。
・出生児の3.0~5.0%は先天性疾患をもって生まれてくる
・先天性疾患の中で染色体疾患によるものは1/4程度
・NIPT検査は、よって、様々な疾患のごく一部を見ている 等
そのなかで、13トリソミー、18トリソミー、21トリソミー(ダウン症)の説明がありました。私にとってダウン症はとても身近でした。お顔に特徴があるので幼少の頃に、たぶん、私(兄弟)が「あの子はどんな子なの?」と親に聞いたのかもしれません。母は私たちに詳しく話しをしてくれましたし、頻繁ではないものの、まちなか等「外出先で出合う」という印象がありました。「知っていたから気づいていた」のかも。その意味で身近でした。
パンフレットにあるように「発達が緩やかだけれど、≪普通の子、普通の人間≫で、私たちと大きな違いはありません。」
女医先生が一連の説明のあと、「ご存知でしたか?」と少し遠慮がちに聞いてきました。「もちろんです。説明いただいた内容(詳細微細ではありません)に関しては知っています。」と答えました。
先生は、「それはよかった。初めて聞く、知らなかった、と聞いて戸惑い、驚かれる方が結構いらっしゃるんです。」と。
私はひっくり返りそうになりました。えええ?!
35歳以上でNIPT検査を受ける女性(同席の配偶者含)がダウン症を知らない。
私が知っていること=みんなも当然知っているだろう ではないと分かっていても、その「知っていること」がそんな特別なことではないと思っていたぶん、衝撃でした。特別なことだったのか。
ダウン症はどの国にも、800人から1,000人に1人の割合で生まれるというデータがあります。
そして、「私が知らないことがもちろん山のようにある」ということを再確認しました。自分が見たり聞いたりすること(経験)の多少によって、情報ソースの多少によって、関心の大小によって、個人差がかなりでるということを。
NIPT検査については、在米歴の長いお母さん友達が、第二子(第一子もかな?)の際に検査を受けたよ、と教えてくれて、私が「検査のこと知らなかった」と言うと、「アメリカは普通なのよ」と。
女医さんも説明中に仰いましたが、
日本はこのような検査を積極的には説明したり、推奨していませんと(当然、国内で受けられる病院が決まっている)。アメリカではほぼ妊婦さんすべてに説明あるにも関わらず(アメリカでは補助金も出てかなり低額で受けることができる州もあるとか)。
世界で、日本で、様々な病気等含め、事前検査の種類が出てきて精度があがっていっても、それを受ける受けない、可能性の可否、、に個人差。
日本産科婦人科学会の「出生前に行われる遺伝学的検査および診断に関する見解」(改定、平成25年6月)では、「決して全妊婦を対象としたマス・スクリーニング検査として提供してはならない」とありました。
「事前に分からせないことを是とするのかな、分かる手段があるのに分からせない?」ということ・・・???頭が混乱してきて、帰路中、夫に「今回の説明をどう思った???」と意見を迫ってしまいました。
ずーっと前に出合ったお母さんで、分娩後、赤ちゃんがダウン症だと知って、全くの予想外、あまりにも衝撃で、「わたしね、この子を二階から落としたらどうなるかなーなんて産後の入院中考えたりもしたんだー」と話してくれたのが忘れられずにいました。もちろん、その後は、彼女らしく活き活きと元気に子育てをしているんですが、当時の分娩後の衝撃たるや、想像を超えます。
知らなかったから、何も準備もなく、気が動転するばかり。
知っていたら、次の行動につながるのではないか。
さらには、「(ダウン症を)知らないお母さんが多い」という女医さんの言葉がどうしても頭から離れず、こんな大都会でも、様々な障がい、ハンディをもった方を、普段あまり見かけないかもしれない。という事実にも気づきました。
公立小学校の息子のクラスでは、生まれつきの病気があり入退院もくり返した身体が強くないお友達は、補助先生が傍についておられるのですが、「支援学校に行ったがいい」というコメントやプレッシャーを受けると、当事者のお母さんが話していました。
息子たちが「人はみんな、こんな感じ」のような均質なイメージをもち育つのは、気持ちが落ち着きません、、皆に個性があり、社会にどんな受け皿があるや無しやと、しっかり考えを巡らせていきます。
≪参考≫
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出征前遺伝学的検査法の種類
◆非確定的検査
・妊娠初期コンバインド検査(血液検査+NT計測)
・母体血清マーカー検査(クアトロ検査、トリプルマーカー検査)
・母体血胎児染色体検査(NIPT検査)
◆確定的検査
・絨毛染色体検査
・羊水染色体検査
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